釧路湿原、真っ白湿原
本別町CA滞留
今日は此処の所移動ばかりだったので、久しぶりに同じキャンプ場に連泊する事にし日中は昨日の移動で寄る事が出来なかった釧路湿原でも見に行こうか、という感じで行き先を決めた。町から町の間60キロ、全く施設らしい物が無いR392を白糠町へと走る。本別の町を出て10キロほど走ったところでガソリンがリザーブになったが、Zのリザーブなら50キロは確実に走れるので、そのまま山の中へ入っていった。天気はガスが少々出ているが上空は晴れているようだ、湿原の眺めに期待が持てる。峠を越え、白糠町に入った途端に相方がぐずり始めた。しかし直ぐ横にGSが「おっとっとっと危ない危ない」ちょっと山の中のワインディングで飛ばしすぎたのか、思ったよりも相方の燃料は早く底を尽いてしまった様だ。所が、いざ燃料を入れてみると14リットルしか入らない。Zのタンクは17リットルの筈なのだが、これはもう本当に最後の一滴まで使い切っての量なのだろうか?
相変わらず車の量が多いR38を釧路へ。
途中の道の駅で一服後、釧路市内に入った。ところがいきなりの霧と曇り空。天気が変わってしまったのだ。途中から混雑する市街地をバイパスする道道に曲がって、R391を北上。程なくして細岡展望台に到着。申し訳程度のダートを走った先に展望台はあった。そこからの眺めは・・・・「まぁこんなものか」程度だった。
やはり、曇り空の下ではいくら日本一の広さを誇る湿原とは言え、眺めた時の感動は薄らいでしまう。目の前に広がる広大な原野も単調なグリーンの絨毯、そして茶色い水の釧路川が流れているのがすこし見える位。次に、ツーリングマップでは細岡よりも展望がよさそうなコメントが書いてあった岩保木山の展望台に行ってみた。勿論細岡と岩保木山の間には道路があるが、ダートである。今の相方のコンディションを考えるとそれは止めといたほうが無難だ。それに距離も9キロある。国道に出て迂回して、南側から回りこんだ。勿論この途中にもダートはあるにはあったが。ダートの分岐点に標識が立てられていて、「山はこっち」となっていたが、その道を見て相方ごと乗り入れるのは即座に止めた。
物凄い道なのである。どう凄いかと言うと、まず狭い・轍が深い・ドロドロである。ギャップがスネの半分ほどの深さくらいのがある。水溜りが沢山ある。
くたびれ始めている相方をここで無理に走らせる事は無い。そこからは自分の足で歩いて頂上へ向かった。途中で幾つもの分岐があり、最初に行った道は頂上へは繋がっていない事がわかり、引き返したところで、下から登ってきたレガシィワゴンの人に呼び止められた。
「頂上はどっちですか」
聞きたいのはこっちだった。
なにせ、相方を降りて道を歩く事15分、1台のバイクも車も1人の人ともすれ違わなかったのである。
「少なくとも自分が歩いてきた道は違います」
というと
「折角だから乗ってって下さいよ」
とのお誘いを受け、お言葉に甘えて同乗させて貰った・・・・と思った途端に頂上に到着。自分が車に乗って数十秒のご到着である。その眺めは・・・・
「もっと悪い」
しかも、展望台らしきものはなく、道路わきに土盛りがしてあって「岩保木山頂上 101メートル」との標識がポツンと立っているだけ。そのうえ、周囲には背の高い木々が生い茂っており細岡の展望台が280度くらいとしたら、ここは180度もない、見える湿原の範囲は極限られていて、ツーリングマップルのコメントは大うそつきと言う事になった。取り敢えず、登頂(?)記念としてお互いに写真を撮って、再び車に乗せて貰い、相方の待つ登山道入り口で、下ろして貰った。レガシィのオトッツアン有り難う!
来た道を引き返し、バイパス沿道のラーメン屋で昼。今度は最後の望みを掛けて、有料の展望台がある湿原展望台に足を運んだ。360円という、かなりお高い入場料を支払って、屋上の展望台に登ってみた。
その眺めは
「・・・・・・・・・駄目だこりゃ、天気が悪すぎる」
なんだか、さっきよりも湿原に立ち込める霧が深くなってきたのである。その上、手前にある小山が邪魔をして近くの湿原の様子が全く見えない。しかも、館内の資料館は面白くも無い写真や剥製とかそんなのばかり。元を取る以前に建物をでて、先ほどの眺めの邪魔をしていた小山の向こう側に行ってみたかったので、遊歩道をあるいて展望台に向かった。最初からこっちに行けば良かったのかも。
15分ほど木道を歩いて、高台にある展望台に到着。その眺めは「さっきよりは幾分ましか」という程度。これ以上粘っても仕方が無いと言う事で、撤収する事にした。とにかく、霧がどんどん深くなってきていて時間が経てば経つほど眺めが悪くなってきてしまっているのである、待っていてもあほらしい、また昨日のように暗くなってからテントの廻りでウロウロしたくない。
国道を引き返し、白糠から再び本別への国道へ。
途中の上茶路(カミチャロと呼ぶのだ)にある昨日の日記で書いたお化けキャンプ場に行って写真を撮ってこようかと思ったが、いざ敷地に入ろうとしたら、喜太郎みたいな怪しげな親父の乗る車が出てきて、鎖ゲートを閉めていたのを目撃したので、おお慌てで引き返した。一応あそこのキャンプ場は管理人の許可が無ければ入れない事になっているのだ。あんな怪しげなオヤジには係わりたくない。釧勝峠(せんしょう)を越えると日中ずっと曇りだった天気は一気に回復し、もとの青空の下に出た。
こちらはどうやら一日中天気が良かったようだ。キャンプ場に戻ると、相変わらず混んでいる。しかし、自分の周りに居たファミキャン連中は撤収したらしく、すこし広々としている。お盆突入3日目。あと2~3日でUターンラッシュが早くも始まる。G/Wと違って、短期間の人類大移動なのでこれを乗り切れば、またいつものように自由に移動できる。それまでは、あまり有名観光地には行かない・・・というかもう行く所は道東ではこれでお終い。もう「ああ!あそこにもう一回行きたい!」と思うような所がもう自分の頭の中にはもう無いのだ。実質的な道東ツーリングの終了である。
明日は、更に東に移動し帯広市内に出て洗濯物を片付けてから、然別峡のキャンプ場に幕営。
そして、「鹿の湯」にでも浸かって道東におさらばするのだ。