トドワラ、その後寒さでおおわらわ

尾岱沼CA~市営根室CA

今日は蝦夷に上陸して以来もっともゆっくりとキャンプ場を出発した。その時刻11時。もう昼である。勿論、夕べは数台居たバイクのテントは一張りも無い。後は連泊する家族連れか、車1台で気ままに旅をしている熟年夫婦位しか居ない。今日は、地図でみても分かるように移動距離を大幅に抑えてある。道80㌔ソコソコの南下コース。
その前に、野付半島に一端北上してトドワラとはどんな物なのかを自分の目で見たかったのでそこへ行ってみた。天気は朝こそ曇りだったが、キャンプ場で撤収作業をしているうちにどんどん回復し見事に晴れ渡った。今朝は一端4時位に起きはした。キャンプ場からは太平洋が一望できるロケーションなので日の出を期待していたのだが、分厚い雲が空一面を覆っていたので二度寝をしたのだ。

目覚ましを掛けずに。晴天の野付半島の先端に向かう道道は快適そのもの。あまりにも沿道に遮蔽物が無いので、ここではネズミ捕りも出来まい。見通しのよい直線道路を3桁ほどの速度で快走する。


20㌔程走って、トドワラへ行く遊歩道があるパーキングに到着。そこからは勿論、バイクは愚かチャリンコも進入禁止の遊歩道を先端近くまで1キロチョットの道のりを歩く事になる。金曜日と言うのに結構人が多く、狭い遊歩道では行き交う人とすれ違うのに結構気を使う。沿道にはもう直ぐ盛りが終わろうとしているハマナスの花が咲いていて退屈はしない。30分位してトドワラと呼ばれる立ち枯れした元樹林帯に到着。


その眺めは、壮観ではないが何だか道東の東端の雰囲気そのままにうら寂しい。昔はもっと立ち枯れした木が多かったのだろうが、随分と倒れてしまっている木が多いのが目に付く。あと数10年経つと、ここは果たして観光地としての眺めになっているのだろうか。こればかりは自然の流れの上での変化なので仕方が無いらしいが。


来た道を引き返し、パーキングの食堂にて昼飯とした。時間をずらして昼飯にしたつもりなのに、結構混んでいる。そんなに好物ではないが此処に来たらと思い、海老定食をオーダーした。出てきた海老は茹でられた状態で真っ赤になっている。

食堂のオバサンは「生海老がお勧めですよ」と言っていたが、生きている海老を食べた事は無いし、あんなピンピンはねるのを口にするには都会育ちの自分は出来る勇気が無い。だから迷わず茹でてもらうことにしたのだ。食べてみた感想。

「・・・・・・・」
特にここの海老だから旨い、とは思わない。何処でもあるような普通の海老の味だ。まずくは無いが、うに丼を初めて食べた時のような感動は無い。海老は地元に居る時でも結構口にしていたからか。茹でたのがいけなかったのだろうか?


野付半島を後にして、一路根室半島へ。

国道を走る車は少なく、海岸線に沿って殆ど直線に近い道路をアップダウンし

ながら走る感じはまるでオロロンラインのようだ。遠藤に広がる景色は、海か森。単調な景色が続く。やがて根室まで十数キロというあたりで、雲行きがにわかに怪しくなってきた。また、崩れるのか。

と、言うかやはり崩れてきたか。途端に気温がドカンと下がる、先ほどトドワラを歩いていた時にはちょっと汗ばむ位だったのに、やはりこの寒さからは逃れられないのだろうか。そういえば、何日か前にラジオで聞いたのだが根室では地元の人はストーブを点けているらしい、長袖Tシャツでも膝が震えるほどに冷えてきたので、慌てて道路脇に相方を停めてジャケットを引っ張り出す。やはり、トレーナーを持って来ればよかった。なんで忘れたんだろ。一昨年はあまりの暑さで荷物になったのがあったからだろうか・・・。
根室市に直結するR44(2桁国道を走るのもかなり久しぶりか)を東へ。途中で、以外だが蝦夷に上陸して初めて事故したての現場を通りかかった。1台のセダンがトランクを開けてハザードをたいている。そして道路わきの藪に目を移すともう一台のミニバンが突っ込んでいる。屋根が潰れフロントガラスが割れている、かなり派手に転がったのか、その直ぐ傍に3~4人の人が立ちすくんでいる。車の中を見ると誰も乗っていない。よくあれだけの事故で全員が無事だったとは、後ろの人間が怪我しなかったのはかなりついているのではないだろうか。

根室市に入って直ぐキャンプ場の看板を見つけ、キャンプ場に到着。ここは無料との事。だだっ広いキャンプ場だが、テントは殆ど張られていない。あまり、人気の無い所なのかもしれない。その理由は直ぐに分かった。
どこもテントサイトが斜面になっているのだ。どこもかしこも。これでは落ち着いて、テントの中では寝る事は出来まい。なんとか平らになっている所を見つけ、テント設営。買出しは3~4キロほど根室市に向かって走ったところにコンビニとスーパーを一緒くたにしたような感じのコンビニにて済ませ、キャンプ場へ。バイク乗りが張ったと思われるテントが2~3張り増えただけで、相変わらず空いている。そして、PCに電源を入れた辺りでとうとう雨が降り出した。
降りこそ弱いが、毎日どこかで雨に降られているような気がする。もうとっくに慣れたが、それでも嫌な物だ。明日の午前中の降水確率は50㌫との事。雨の中の撤収となるのか。気が滅入る。
今夜も冷えそうだ。それにしても昨日の尾岱沼のキャンプ場といい、ここのキャンプ場といい何故か蚊が多い。寒い日が続いているのに、こいつらはどうしてこんなにハヤけてしかも元気なんだろうか。吐く息が白いのに、テントの中で焚く蚊取り線香。天気も異常だが、この光景もかなり異常だ。