まるで磁石に引かれるようにして
和琴半島CA滞留(アトサヌプリ周遊)
テントの外に顔を出す。
今日の朝は曇り(5時)と言う事で、またも気象台の予報は外れたわけだ。
もう最近は、天気予報ではなく、天気図を見て自分で今後の天気を観望して予想する方が正確なのではないだろうかと思っているほどだ。
と言う事で、二度寝をした。恐らくこの後は出発する周りのライダーの音でやかましくなるだろうからと思い、耳栓。明るくなったら眩しくて寝つけにくいだろうと言う事で、アイマスクをして寝袋に潜り込んだ。
次に起きたのは、昼前の11時半。良く寝た。昨日までの斜里岳疲労も取れている。周りにぎっしり張られていたテントも殆ど無くなっている。どうやら撤収タイムは終わっているようだ。朝飯のつもりで用意しておいたのを昼飯として片付け、ノロノロとキャンプ場を出発。とりあえず、地図で見た方角で硫黄山辺りが天気が良さそうだったので、そちらに行ってみる事にした。
屈斜路湖畔を北上する快適な道道を暫く走り、コタン温泉~砂湯温泉~川湯温泉と通過し硫黄山に到着。アイヌ語で「アトサヌプリ(はげ山)」というなんともそのままではないかと言うその山の眺めは確かに壮観だった。
でもこういう光景は箱根や阿蘇山や会津磐梯でも見てきたので、特に新鮮味はない。ここでも吹き出す水蒸気を利用して温泉卵を売っている、何処でもやる事は同じだ。写真を何枚かとって撤収。十数キロで摩周湖と言う標識を見て、急に摩周湖行きを決め行ってみる事にした。確か、川湯温泉街から硫黄山の稜線がはっきり見えれば、摩周湖の視界良好の確率は高いという文を夕べチェックしておいたのだ。
ところが、屈斜路外輪山を越え摩周湖に抜ける道道を走り、峠に差し掛かる手前で山の向こう側から凄い勢いで霧が現れたので、その場でUターン。時間があるのにわざわざ霧の摩周湖を見に行く必要は無いと判断したからだ。
国道に戻り弟子屈へ今夜と明日の分の買出しに。しかし、和琴半島に比べて弟子屈方面の天気が異常に悪い。雨こそ降っていないが雲が厚く、気温が低い。ライディングジャケットを着てこなかったので寒くてしょうがない。おいおいおい!!!今日あたりから夏らしくなるって、ラジオで言ってたのは何処のどいつだ?これでは、此処数日前の異常低温とまるで変わらないではないか!ガタガタ震えながら弟子屈町内のAコープで買出しを終え、キャンプ場へ。戻ってきて見ると、今日も和琴半島のキャンプ場は盛況である。昨日と同じ位のテントが既に張られている。
相方を押しながら、自分のテント傍に寄せているときに一人のライダーが声を掛けて来た。
「あの、Tavitoさんですよね」
だいたい自分のHNを直接行ってくる人は面識がある人か、WEBでよく知っている人かどちらかである。顔を見ると、どこかでみたことがある人だった。
「えっと、どこかでお会いしましたよね?」
と自分が言うと、
「廻り目平でオフ会で一緒だったNOBUです」
と言われスッカリ思い出した。この人とはその後、群馬のバラギ高原でのオフラインミーティングでも会った人だった、その時はバイク(トランザルプ600)が入院中で車で来ていた人と言う事まで憶えていた。その直後、もう一人のライダーと遭遇。
なんとちんさんである。
しかも、この二人昨日の晩同じキャンプ場で一緒で、その後は別々の場所に行くとの事で出発したとの事。でも此処に2人とも一緒にいる。
面白いもんである。北海道はあんなにも広大なのに、どうしてまた分かれたはずの2人がここで鉢合わせするのだろうか、でもこう言う話は過去にもよく耳にしてはいたが、本当にあるとは思わなかった。2人とも特に行く場所は決めてなかったというのだから余計に面白い、しかし屈斜路湖にベースを張れば、道東のおいしい所を日帰りで回る事はある程度可能ではある。単車のりとしてそれを考えて行動するとなったら、これは逆に自然な行動パターンなのかもしれない。
その後2人は夕食。自分は昨日和琴半島露天風呂に浸かっただけなので、そこからさらに奥にある公衆浴場に行って体を洗ったり髭を剃ったりして、宴会に加わった。ちんさん&NOBUさんが夕べ幕営した霧多布キャンプ場はその名前とは違って非常にいい天気であったと言う、しかし猛烈に寒かったらしい。やはり、今年の北海道の寒さは太平洋方面でも例外ではないようだ。ただ、雨が降らなくなったと言うのがここ数日での天気では大きな変化と言えようか。
明日の天気予報もいい事を言っている。しかし間違いなく外れるだろう。晴れマークのみの予報ほど当てにならないものはない。さて、どう言うタイミングで摩周湖に行ってやろうか、どうせならもう出世は大いに遅れているのだし一発でピーカンクリアーな摩周湖を見てやらないと気がすまない。明日は少し早い時間に摩周湖に向かってみて、層雲の動きを見ながら行動してみようと思っている。NOBUさんは、ここに連泊するかもしれないと言っている。ちんさんは、移動するらしい。場所は決めていないとの事。自分は明日一発でクリアー摩周湖が見られたら、明後日は摩周岳に登ってみるつもり。今度は斜里岳のようなヘマは絶対にしない。やばそうだったら即登山中止だ。もうあんな事は2度と御免だから。