朝一番の悪夢、そしてその晩も悪夢

北海道(札幌)~(留寿都)

忍さんも同じ位の時間に起きたようだ。「まーが起きてるかどうか見てきてくれる?」と頼まれたので、
まーぼさんの部屋のドアをそっと開けてみた。すると、どえらいものが目に飛び込んできた。窓際のベッドにまーぼさんは確かに横になっていた。まだ寝ているのか?しかし、その恰好が問題だった。窓の方を向いて上はTシャツをきちんと着ているのに、下はスッポンポンだったのだ。目覚め一発目から嫌な物を見てしまったと思った。必死に笑いを堪えながら、忍さんに「面白い事になってるから、部屋に行ってみたら」と伝え、自分はこの決定的瞬間を逃すまいとデジカメを探し始めた。ところが、戻ってきた忍さんは「?」という顔をしている。

「起きてるよ、べつに何とも無いけど」

と言った。な~んだと思い、事情を話すと忍さんはたいそう悔しがっていた。やはり、相当に見たかったらしい。下に降り、まーぼさんのお母さんが朝ご飯を用意してくれた。昨日の宴会もかなりのご馳走だったが、まともな白いご飯の朝食は事の他美味しかった。まーぼさんが、素の顔で下りてきた。忍さんと自分がその顔を見てクスクスと笑うと、

「ん?どしたの」

と聞いてくる。見られたのに気が付かなかったのだろうか。その事を話すと、

「全然憶えてない、だけどかなり酔った時にはよく俺脱いじゃうんだよね」

とさらりと言ってのけた。確かに、泥酔すると服を脱ぐという人が居るという話は良く聞く。それだったら、全部脱ぐんだったら分かるが、なにも下だけ脱ぐ事無いんじゃない?何だかかえって生生しかったですよ、まーぼさん。まーぼさんは結局、アルコールが抜け気って仕事にな

らないと言う事で、午前中の仕事はキャンセルしてしまった。

自宅の裏手にある洗車場で、相方と忍さんのバリオスを洗わせて貰った。雨の中を走ってきた相方の汚れは洗ってみてから改めて気が付いたが、相当な物だった。それだけに洗車が終わったあとの相方の綺麗な事綺麗な事。

再び荷物を積み、まーぼさんもキャンプ用具をZ2に積載して3人で出発、午後3時。3連休の初日とあってか、定山渓や留寿都・支笏湖を繋ぐ国道230は大荷物を載せた車や観光バスがひっきりなしに行き交い、その交通量は騒然たる物だった。1時間半ほど走って、留寿都高原の外れにある国道脇のドライブイン「どんどん市」に到着、ここがZミーティングの会場であり、前夜祭の会場でもあった。既に数台のそれらしきバイクが駐車場に停められている。受付を済ませ、周りを見渡すと見覚えのある顔を発見した。今年春、秋吉台でのZミーティングに東京から一気走りで参加したつわものZ乗り、「鉄骨D1」さんだった。流石に今回は自走での参加ではなかったが、彼はこのミーティングの為に仙台まで高速をつっ走り、ここまで来たそうである。そして、ミーティングが終わったらとんぼ返りで東京に戻るのだそうだ。長旅をしている自分を見て、他の人が「タフですね」とよく言うが、自分から言わせればこの人の方が数倍タフじゃないだろうか、だってこの後にもあるという東北のZミーティングにも参加するのだと聞いている、完全なお祭り男なのだ彼は。

6時あたりから、乾杯の音頭により前夜祭が始まった。前夜祭とはいっても、タダの飲み会である。みんなめいめいに車座になって、酒を飲み交わしながらバイクについて色々と語り合っている。その横では毎年の恒例となっている出し物として、シャシーダイナモが置かれ、自分たちの愛車のパワーチェックを行っている、面白い光景である。自分も、最近は体質が変わったのか結構長い間ビールが飲めるようにはなったので、それなりに皆さんの輪に混ぜて貰って、話を聞いたり自分の話をしたりしてお付き合いはしたが、12時を過ぎるとそれも限界。やはり2晩続けての宴会は体に応える。ちょっと輪から離れて酔い覚ましにとPCを開いてHPの更新をしたら、余計に眠くなってしまったのでこのままふける事にした。でも、寝るテントは2つだけ。忍さんは女性なので自分のオンボロテントに一人で寝て貰い、自分とまーぼさんはまーぼさんが持ってきたテントの中で寝る事になっている。当然、酒豪の忍さんとまーぼさんは向こうの輪の中に居て当分は帰っては来ない。忍さんはいい。一人で寝るのだから。心配なのは、まーぼさんだ。夕べのような酩酊状態でのご乱行と今朝の醜態を見た後だけに、ヨイヨイになったまーぼさんが帰ってきたあとの事が妙に心配になってはいた。

記憶が無くなった・・・・10数本だろうか、おかしな夢をいくつも見た。詳しい内容は良く覚えていない。しかし、間違いなくそのうちの何本かは泥酔状態のまーぼさんにテントの中で絡まれるという物があったに違いない。何故なら、うなされてはっと目が覚めることが何度かその晩あったからだ。そして、その度に恐る恐る横をみると誰も寝ていない、ほっとしてまた記憶が無くなり悪夢にうなされて目が覚め隣を見ると言う行為がその晩を通して繰り返すと言う大変な夜になってしまった。

この投稿の関連画像はこちら。