本当に雨なのか?

新潟~山形(酒田)

朝の8時にMori氏に起こされ、ベッドを出る。といっても既に5時位には目が覚めていたのだ。部屋の直ぐ脇を電車が通るのでそれで眠気が薄れてしまったのかもしれない。目が覚めては、ウツラウツラ、目が覚めてはウツラウツラの繰り返し、よって目覚めはあまり快適ではなかった。下に降りる。奥さんもそのご両親も既に食堂に集合していた。後から、Mori氏と子供達がやってきた。そして、傑作なの今朝の朝食の内容である。M氏の母上のつてで、スーパーの店頭に並ぶ前の商品を特別に取り寄せてくれたらしいのだ。その商品とは「海鮮丼」中身は、ホタテ・マグロ・アマ海老等、とても朝から食べるようなものでも無かったのだが、有り難く頂戴した。

9時、他のご家族にお礼をし、奥さんと二人の男の子に見送られて出発。今日はMori氏もお休みとの事なので、海岸線に沿って走る国道を途中まで一緒に走ってくれるのだという。途中の道の駅、「天領の里」で一服。ここで忘れ物があることに気づく。クレジットカードや、ハイカ等が入っている小銭入れを自宅に置いてきてしまったらしい。しかし、ここからは自宅まではかなりの距離がある、さっそくやっちまったかと思い、取り合えずMori氏に自宅に連絡をして貰い、奥さんに探してみるようにお願いした。しかし、その直後、無意識に昨日着ていたライダーズジャケットのポケットに小銭入れを入れて置いた事を思い出し、後ろのネットに固定してある(今日は暑かったのでジャケットは着ずに長袖のTシャツのみを着て走って来たのだ。)ジャケットを引っ張り出し、ポケットをまさぐる。
・・・・・・やはりあった。全身の力が抜けた。2日目からこんな調子で果たして大丈夫なのだろうか・・・・。
駐車場に停めてある他の数台のバイク乗りと少し話をしてから、もう少し先のパーキングでゆっくり休みましょうとのMori氏の提案で出発する事になった。

気温は30度を超えている

のだろうか、兎に角暑くて仕方が無い、本当に梅雨が明けてしまったのではないだろうか?それぐらいのいい天気である。こちらでは、関東の湘南海岸なみに有名な「寺泊海水浴場」の横を通過する時には、まだ海開きしていないのに、多くの海水浴客が砂浜にパラソルを広げて甲羅干しをしていた。路上にはそのクルマが延々と駐車されていて道が混雑している。

暫く走った先の大きなパーキングでまたまた一服。バイクを挟んでのお喋りと、お互いに持ってきたデジカメを使っての撮影会をすませ、ここでMori氏とはお別れする事になった。Mori氏はまた来た道を引き返して、「天領の里」で後からやってくるバイクをとっつかまえて、お話をするらしい。Mori氏が「天領の里の主」と別に呼ばれている訳がここでやっと分かった。

ここから単独での北上を開始する・・・・のだが、順調だったのは新潟市手前まで、市内に入った途端に大渋滞に行く手を阻まれ身動きが思うようにとれない状態が暫く続いた。R7号線にようやく乗る事が出来、やっと車の流れがましになってきた。しかし、またここで問題が発生した。酒田までの距離である。
ここから200㌔以上あることに今更気が付いたのである。しかも、一般道路上でである、高速道路はこの先にはない。すでに自分達は新発田市を過ぎていたし、引き返して使える高速道路や幹線道路はない、今走っている道をひたすらまっすぐ北上するしかないのだ。地図でおおよそのルートはわかっていたし、過去に数回通った事があったので、距離計算もろくにしないで出てきたのが失敗の原因だ。取り合えず前に進むしかない。
既にMori氏とお別れしたときには昼を廻っていたので、約束の午後4時まで3時間も無い。どう考えても間に合わないので、まず進めるだけ進んで昼飯をとって、そこで酒田で落ち合う人(ざぶん氏)に連絡する事にした。R7の流れは順調にはなった、信号も少なくなったし廻りは民家よりも森の中を通る方が多くなってきた。
村上市に入った。ここから本当は海岸沿いを通る国道(345)に沿って走りたかったのだが、この天気と日曜日ということを考えると渋滞しているかもしれないし、人との待ち合わせもあるのでR7でさらに山間のルートを進む。
山形県に入る手前の鼠ヶ関にてざぶん氏の携帯に電話をする。現在時刻は3時半。しかし、ここでも地図を読み違えてしまい現在位置を「鶴岡市の手前」と伝えたのだが、とんでもないそんなのはずっと先で30分くらいでつくとお互いに確認しあっていたが、実際はさらに30分掛かる事が、現地についてから分かった。

ということで、約束の4時から1時間、電話で伝えた所要時間からさらに30分遅れて酒田市の待合場所に到着した。そこには、すでに今日の宿を提供をしてくれる青森りんご氏もZ750GPで来ていて、自分の到着を待っててくれていた。Z氏の方は車で奥さんと子供1人(幼稚園か小学校低学年くらいか)を連れてきていて待っててくれていた。いや、全くもって面目ない。その後は、5時半から始まると言う市内のホテルでのビヤガーデンに向かう為、集合写真を撮って雑談もそこそこに出発した。青森りんご氏に案内されるがままに到着したそこは、りんご氏一人が住むにはあまりにも広すぎるアパート(?)だった。しかも、バイク専用のガレージではなく部屋(6畳程か)があり、中にはりんご氏の愛車ドゥカティ916と先ほどのGPが収まり、

自分の相方はその空いている1台分に潜り込ませてもらい、カーテンを引いてサッシを閉めれば、完璧に外から分からなくなる。素晴らしい環境だ。わすれないうちにここで、またも「ミソピー」をりんご氏に手渡す。
部屋に通して貰う、10畳の和室、7畳くらいの洋室と6~7畳位の洋室が一つずつ、さらにりんご氏の寝室があり、キッチンとお風呂場があり、それぞれ別になっている。元々は一家族が住んでいたところのようだ。まさに一国一城の主である。まだ、引越しして間もないということなのでダンボール箱があり、少々雑然としている所があるが、これが片付いたら相当に広くなる。ここは間違いなくML仲間やバイク仲間の溜まり場になる事は想像に難くない。ラフな恰好に着替えて、今度はざぶん氏の奥さん運転でステップワゴンにりんご氏と共に乗り込み、会場へ向かった。

ビヤガーデン(ホール)といえば、建物の屋上で提灯の明かりの下でと決まっているものだが、ここは違った。ホテルの大広間を開放した屋内のビヤホールだった。ざぶん氏が用意してきてくれたチケットを受付の人に渡し、中へ。既に沢山の先客が席を埋めていたが、ざぶん氏の事きちんと席を確保してくれていた。飲み物呑み放題は勿論、食べ物もビュッフェスタイルになっていて取り放題食べ放題という、なんとも嬉しい限り。ざぶん氏とその子供シーヤ君とりんご氏と自分はそれぞれ勝手に飲み物や食べ物を取ってきて、ようやく乾杯する事が出来た。そこからは自分の得意の青筋トークを交えてのバイクやインターネットやアコギや酒田にまつわる話などの多岐に渡って話に花が咲いた。(途中からは予想していたがしーや君が退屈してきたのだろう、席を離れてウロウロし始めて、我々のトークの邪魔をしてみたりと少々可哀想な気がした、奥さんと一緒の方が良かっただろうに・・・・・)

8時半ビヤホールの営業時間の終了と共にここでのミニざぶん会はお開きとなった。
外に出ると、丁度奥さんが車で迎えに来てくれていた。(いや~送迎つきだなんてなんて有り難い待遇、感謝感謝に尽きる。)近所のスーパーでつまみとざぶん氏お勧めの地酒「初孫」を購入し、2次会の場所はりんご氏の自宅で。
汗でベットベトになっっていたので、乾杯の後は自分は風呂に入れさせて貰った。風呂から上がると、目当ての地酒は半分ほどになっていたが、ざぶん氏もかなり出来上がっていたようで、つまみにも殆ど手をつけていなかった。りんご氏は自称「下戸」らしく。アルコール類を呑んでいる様子は無かった。といって、自分となると、昼間の移動で疲労が溜まり、しかもアルコールとお風呂と言う「寝ろ!」モードになるには申し分ない条件が揃っていたので、「初孫」をコップ半分ほど頂いてそれを飲み干した後は、ウーロン茶をのむのが精一杯であった。ざぶん氏は明日があるので、途中で撤退していった。歩いて15分ほどの所の近所に住んでいるとの事なので酔い覚ましには丁度いいのだろう。奥さんの迎えは今度は無かった。
その後、りんご氏とサシで飲み(ノンアルコール)つまみを突付きながら、たわいも無いお話を暫くしていたが、りんご氏は明日から仕事だし、自分も限界になってきたので、ここでお開きになった。りんご氏が用意してくれた布団に新品のシーツをひいて貰い、バラバラになっていた荷物をどうにかこうにかまとめ、布団に潜り込んだ。