In the begining

千葉~新潟

午前5時に自宅を出発、雲がやや多くこの先の天候が気に掛かる。京葉道路~首都高速~外還道路~関越自動車道と走る。天候は、次第に回復し群馬に入った頃には赤城山と榛名山が見事な山容を見せてくれていた。その代わりに気温がグングンと上昇、むしろ蒸し暑さを感じるようになってきた。関越トンネルを通過し気温はやや下がったようだ、空気も乾燥している。日本海側にでると決まって蒸し暑さが酷くなるのだが、今回はその逆のようだ。途中の越後川口SAにて、到着が早すぎた為(10時半)時間調整を兼ねて、昼寝と昼食を取った。午後1時に再び走り出し、尾小谷(おじや)ICにて高速を降りる。R291を走って柏崎市に到着、しかし、約束の午後4時には遥かに早すぎ。
ということで、柏崎港近くの公園でまたまた時間調整をかねての昼ねをする事にした。

しばし、ウツラウツラとしていたら遠くから重々しいバイクの音が聞こえてきた。顔を上げると、赤玉のZが走っている。「そういえば、今日会う人もあれと同じいろのZに乗っているんだっけ」まぁ、今日は土曜日。天気も申し分ないし、バイクもさぞかし沢山走っているだろうと思い、気にはしなかった。ところが、その音がだんだんと近づいてくる。そして、何回か曲がり角を曲がったような音を響かせながら、そのバイクの音は相方が停めてある近くで止まったのだ。ここまでも、「多分荷物を積んだ珍しいZが止まっているから、そばに見に来たのだろう」と思ってそのまま目をつぶっていた。やがて、芝生を歩く足音が聞こえてきていきなり、
「Tavitoさん!!」

と呼ばれた。
飛び上がってその声の主を見ると、そこには見慣れない男性がメット片手に立っていたのである。だが、その人が今夜の宿を提供してくれるMori氏だと言う事は、すぐに分かった。「どうして、ここに居るのが分かったんですか?!」と聞くと、
M氏は笑いながら

「いや~そろそろ落ち合う時間になってきたから、Tavitoさんの携帯に電話してみようと思って、たまたまここの公園にきたんですよ。そしたら、でっかい荷物を積んだ千葉ナンバーのZ1が停まってるじゃないですか。すぐに誰のだか分かりましたよ」

と説明してくれた。

なんという、不思議な初対面だろうか。
両人共にこことは全く別の場所で落ち合うことになっていたのに、お互いに引かれる様にしてここで遭遇してしまったのである。しばし、その場でお話をした後、早速Mori氏の自宅に案内して頂く事となった。柏崎の街中を通り抜け、JRの線路脇に彼の自宅はあった。屋根つきの立派なガレージに相方を入れさして貰い、家の中へ。これまた、大きな家である。
自分の家も人からはよく大きいと言われるが、造りのゴツさはこちらの方が上である。玄関も横に5人くらいはいっぺんに靴が履ける位の幅がある。そこだけでも、Mori氏の家の大きさが想像できよう。

なかから、バイクの音を聞きつけてか奥さんとその子供が出てきた。子供は男の子が二人。上は小学校中学年、下は幼稚園か小学校低学年くらいであろう。きちんと挨拶をしてくれたし、恥ずかしがっている様子もない。おそらく、Mori氏とそのおやいさんが商売をしている関係上、多くのお客さんがしょっちゅう家に出入りするのだろう、そのせいかもしれない。奥さんがまた綺麗な人だ。Mori氏を芸能人で言うと「雨上がり決死隊の宮迫」似であるのに対し、奥さんはどの芸能人に似ているとはその場では思いつかなかったが、ほっそりしていてMori氏とはまったく対照的な感じであった。しかし、M氏の名誉を守る為に補足するが、決して似合っていないとは言っていない、念の為。
その他にも、台所にはMori氏のご両親がいらっしゃった。忘れないうちに、泊めて頂くお礼として持ってきた千葉名産の「ミソピー」をお渡しした。
2階のMori氏の部屋に通されて、しばし雑談。その後お風呂を頂いて、夕食となった。
これまた、ご馳走である。ビールと寒梅を交互に呑みながらの夕食だったので、どんなものが出て居たかは殆ど憶えていない。ただ、印象的だったのは食堂のテーブルに、あの小泉首相のポスターがデカデカと貼り付けられていたのは強烈だった。

再び、2階に上がり酔い酔いの状態でMori氏のパソコンを拝借してZ-MLのチェック。今日は天気が良かったせいもあるのだろう、カキコミは何時に無く少なかった。カキコミをおおかた見終えたので、今度は自分の名前でMori氏のお宅に到着した事を報告。その部屋でもビールとつまみとポン酒を交えてのバイク談義。しかし、Mori氏が

「眠くなってきましたから、そろそろ寝ましょう」

との一言でお開きとなった。夜の11時。自分が寝さして貰う部屋は、子供部屋なのだが実際は子供が夜怖がって両親の部屋でしか寝てくれないとのことなので、夜間は空いているのだそうだ。
ベッドの大きさをみても、極めて小さいわけでもなかったので、寝る分には窮屈さは感じなかった。ベッドにもぐりこみ、瞬間的に記憶が無くなった。今後もこんな感じで直ぐ寝られればいいのだが、この先またまた色々あるからなぁ・・・。