OIG/ON
暑い夏である
気象庁の長期予報は、毎年悪い意味で裏切られてきた
しかし、今年は珍しく見事に的中してしまった
[今年の夏は本格的に夏らしくなります」
実際に関東地方は七月末の梅雨明けと同時に灼熱地獄と化した
空調装置のない現場で肉体労働をしている自分はそれでももくもくと労働を続けた
北海道があるから
その思いを胸に秘めて働いた
北海道があるから
連日のように熱帯夜が続いた、発狂しそうな蒸し暑い夜が続いた
でも眠れた
北海道があるから
大洗からフェリーに乗るときも、周りのクルマのエアコンや
ボイラーの放射熱で頭がクラクラした
でも、平気だった
北海道があるから
あの場所にたどり着けば
船のランプウェイが開けば、北の大地の涼風が流れ込んで来るはずだ
そう信じていた
先発隊の谷さんたちは、「今年の北海道は関東と同じくらい暑い!」
と、電話口でぼやいていた
でも、北の大地の夏は短く、儚い
北海道だから
涼しくなってくれると思っていた
早朝の苫小牧の気温は二十三度
やっぱり、北海道だったのだ
だが、ことしの太平洋高気圧の勢いは、そんなに生易しいしろものではなかったのだ
そう、思い出すのは六年前の夏
今でも鮮明に脳裏に焼きついている、六年前の北東北ツーリング・・・・・
暑い夏である