○八月二十日

最終日、今年の夏の北海道ともお別れ

午前八時 曇り一時雨 美深FP→苫小牧フェリー埠頭

 嫌な日、帰る日、終わりの日。
 この砂を噛むような気持ちは毎度毎度嫌なものだ。
 早朝に降った大雨はすっかり上がり、薄日が差すまでになった。後はひたすら南下して苫小牧に向かうまでだ。
 ゲラゲラと朝飯を食い、ノロノロとテントを撤収し、ズルズルと相方を走らせR40を進む。旭川辺りまで来ると、天気は完全に回復し汗ばむほどになる。一昨年食い損ねた旭川ラーメンを旭川ラーメン村で済ませる。たしかにウマイが行列に並んでまでして食べるほどの物ではないと思った。

やっぱり昼飯を食ったあとはコップの水をお代わりしながらマンガ雑誌をジロジロ読みながらテレビをチラチラと眺めて、腹の状態が落ちついたのを確認してから走り出したいのだが、入り口にズラッと並んで空きそうな席はないか?と睨みを効かせている客がいるこの状況ては落ちついて一服とはいかない。

北海道に来だのは基本的にノンビリするためで、こうゆう事には余り係わりたくはないものだ。
次回旭川に来たときは流行ってそうにない穴場の店を探す事にしよう。
 ここで、突然の予定変更。

予定ではこのまま道央道にのるつもりだったが、この調子だと夕方には苫小牧に着いてしまう。残り少なくなってきた資金の節約も考えてR237で先へと進むことにした。これが大正解、大半の車は道央道と並行するR12に流れていってしまい、美瑛~中富良野辺りからは先行する車との間隔が四〇〇~五〇〇メートル位までに広がっていた。
 加えて右手に夕張山脈が見えるようになると天気はそこで二分され、本来なら通っていたはずの山向こうの道央道は明らかに雨が降っている空模様であり、こちらは柔らかい日差しが降り注いでいた。あとはただ淡々と走っては一服、走っては一服の道程だけ。
 こんな時の北海道の道は無性なまでに空いている。道央の盆地地帯と且局の山岳地帯を隔てる金山峠には所々に色づきはしめた木々が目につく。催実に北の大地に秋の気配が近づきつつある。
 そんなこの地に期待に胸を膨らませているのだろう、バイクもウェアも荷物もきれいなオフローダーがすれ違い様に手を挙げて走っていった。
 そういえば、今年も沢山のライダー違と挨拶をしたなあ。
 さて、このあとはフェリーの中で来年のプランでも練るとするか・・・・・

【完】