○八月一〇日
トラブルは旅先でも・・・
雨 午前五時半
三回目の北海道の初日は雨となった。気温も秋を思わせる低さ、しょっぱなからテンションが下がる。
苫小牧東ICから北海道で初めての高速道路を使用する。そのまま北上し、日本海側まで移動すれば多少の天気の変化は期待てきるだろうと思っていた。
深川ICから降り、R233を留萌へと向かう。するとどうだろう、北竜町を抜け視界が開けると這か彼方の雲が切れてその向こうには青空が広がっているではないか。
留萌の町は、半分に天気が分かれていた。
朝の通勤時間帯ともあって、未だ休みに入っていない会社もあるのだろう、国道を出勤途中らしきスクーターやライトバンに混じって走る。日本海沿いに北上するR232に出ると天気は急速に回復し、すっかり晴れてしまった。風は少々あるものの、今年の北海道の太陽にやっと会うことが出来たわけだ。R232は、ここから日本最北端の地〔宗谷岬〕へと直接アクセスするルートなので、行き交うバイクの数も乗っているライダーのテンションも半端なものではなかった。
羽幌町の沖合には二つの島がある。天売島と焼尻島だ。
今年は、テントを本土において行き、日中の間どちらかの島に渡って探検でもしようかと考えていた。
その目論見は天売島に到着した時点で脆くも崩れさった。
テントを港すぐ近くのキャンプ場に立て、身軽な恰好で船に乗り込みいざ出港。しかし、沖に出ると今朝ほどの低気圧の彫響かまだ残っているのだろうか、風が強い。船は大きくピッチングし甲板の中程まで潮を披る。最初はその迫力に歓声を上げていた多くの乗客は次第に静かになり、自分を含めた数人の男性以外は皆、船室へと引っ込んでしまった。
天売島のフェリーターミナルで帰りの切符を買っておけば乗り遅れることはないと考え、窓口で「今日の最終使は何時か?」と尋ねたら、「今お客さんが乗ってきたのがそうですよ」ときた。たった今海上気象の荒天により決定したのだそうだ。
海が時化ていたのは分かっていた、しかし自分の乗った船がその日の最終便になろうとは・・・・・ まったくもってがっかりである。仕方なくその場で帰りの切符を買い、さっさと船に乗り船底近くの雑魚寝部屋てふて寝してしまった。
羽幌スポーツ公園キャンプ場は穴場なのだろうか、静そのものである。出掛けるときには見かけなかったテントと、サイト入りロに珍しいバイクが止まっていた。モトグッチーー〇〇スポルトである。そのバイクのオーナーとテントの近くで会い、色々と話しているうちに意気が合い、その夜はアルコールを交えてのささやかな宴会となった。
北海道の日本海一帯は夕日の景勝地である、その日も若干の雲かおるものの、凄まじい(素晴らしいではなく)までの夕焼けを見ることができ、アルコールも日中の憂さを晴らすがごとくかなり道んだ。