午前七時 晴れなら今日はまる一日使って、『後方羊蹄山」通称『羊蹄山』に登山する予定であったが、天気は時折雨が降り濃霧が立ち込めるという状態でしかも昨日の疲労が残っている気がしたのでキャンプ場で大人しくする事に決めた。 なんか五月連休の石鎚山の状況を再現してしまっているようだった。 「あ~あ、前半からこの調子では今回も幸先悪すぎるわな」 と愚痴をテントの中でこぼす。 ゴロゴロとテントの中で本を読んだり、麗の情報を唯一リアルタイムで伝えてくれるラジオを聞きながら昼が過ぎ、外の天気も小康状態になったのでキャンプ場から歩いて三分の五色温泉に浸かることにした。ここの温泉は外来のお客も絶えず来ている所からみるとかなり有名のようだ、特にこの濃霧のなかバイクを走らせてひとっ風呂浴びにくるくらいなのだから相当知名度が商いのだろう。建物はとても古く、ここ十年はまず改修していないだろうといえる程古ぼけている、いや渋くなっていると言った方が過当だろうか。雰囲気は正に山奥の湯治場である。キャンプ場の敷地内にもキャンプ場を管理している『山の家』が経営する温泉があるのだが、建物が新しく近代的なのが返って客足を遠のかせているようでキャンプ場の人達は皆ちょっと離れたここに歩いて来ていた。 入浴料を払い、ギシギシときしむ渡り廊下を歩いて行った奥に露天風呂と内風呂がある。硫黄臭いお湯は石鹸やシャンプーが全く役に立たず、ただただガシガシと頭が硫黄臭くなるのも構わず洗うだけとなった。すこし、温めの湯船に浸かり取り合えず残った疲れをほぐしホッとしているその時であった。若いネーチャンの賑やかな話声が隣の浴室から聞こえてくる、「こんな山奥でもギャル共が来るんだなぁ」となにげなく考えていたが、よくその声の方向をみると外の混浴の露天風呂から聞こえてきているではないか、たまたま自分の使っている場所が外からの死角になっている所なので、一緒に湯船に浸かっていたニイチャンに「外にギャルがいんの?」と聞くと「二人いる」との答えが返ってきた。そのまま直ぐに外に出るのはスケベ心がみえみえになるので、少し中で温まってから露天風呂に入った。 確かに2人若いギャルが湯船に浸かって他のニイチャンどもと談笑しているのが視界に入った、今迄に何度も混浴の露天風呂に入った経験はあったが本物のギャルと一緒に風呂に入るのは初めてである。これもネェチャン達が積極的になる北海道という特別な環境?)がなせる技なのか?と、おかしな解釈をしてしまったのは自分だけだろうか? いささか、緊張しながらギャルの横を通り過ぎて向かい側の岩に頭を凭せ掛けられる場所を見つけて、そこに落ち着いた。こまったのは目のやり場である、こうゆう状況で男は遠慮してしまっておとなしくなってしまうのは分かる気がした。 「それじゃ、あがりま~す♪」 と一人のオネェチャンが合図すると、周りの男どもはみなこちらに顔をむけた自分は真正面に居るので何気なくよそ見をしているフリをした。しかし、二人が背中をむけて内風呂にはいろうとする瞬間は全員がそちらの方向を向いた。勿論タオルで前は隠していたが他は丸出しである、この時やった、見えた!というよりはその二人の勇気に心から拍手! 翌日は、9時ごろに目が醒めたが、前日の疲労が残っており、予定にしていたイワオヌプリ登山をキャンセルした。テントの外に出てみると、見た事のあるラーメンのパッケージが散乱している。そう、キツネにやられたのだった。北海道ならではの洗礼を早くも2度受けた事になる。その翌日も雨と低温の一日になり、収穫と言えば、タオル一枚で入ってきた若いねーちゃん(2人)と一緒に露天風呂で楽しい時間を過ごした事ぐらいか。 |
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