縄文杉、その他悲喜こもごも 5.3

昨日は、幕営地に7時過ぎに帰着したのでこの日記は翌朝の4日にカキコしております。いや~、いろんなことがあった1日だった。で、夕べ、昨日の飛ばされそうになったテントの主の正体がやっと分かった。なんと、ヤロ~だったのだ。道理で、大人の女3人寝るにしては小さいなぁとは思っていたが。では、何故オレンジのテントのそばで女3人が朝飯を食っていたかというと、一昨日の夜、雨が降っている中でヤロ~2人組が夜遅く到着。幕営する場所を探しているうちに、先着していて夕飯を食べていた女3人組と遭遇。ヤロ~2人組は上手い事言って、一緒に夕食を共にしたんだそうだ。
そして、翌日。2人組の片割れのオレンジテントの方が場所の関係上バラバラにテントを張り、海側の自分の隣の東屋にテントを設営した。そこに、丘の上で幕営していた女3人組がやってきて、そこの眺めのいいオレンジテントのある東屋で飯を食っていただけ。ということなのだ。そして、ヤロ~2人組は女3人を残して縄文杉を見にお出かけ。残ったオネイチャンたちは朝飯を食べ終え、片付けをして撤収、そこに誰も居なくなった。で、残されたヨーレイカ!のテントが海風に煽られてバタバタしているのを、自分が気を利かせて張り綱を直してやった。という訳。
つまり、自分はそのスケこまし2人組の為にテントを直してやったのだ。(ああ、今でもむかつく)しかもわざわざ置手紙をおいてったのに、手紙が飛んでいってしまったのかはたから、無視したのか分からないが(そんなことこっ恥ずかしくて聞けるか!!)、2人組のヤロ~はお礼の一言も言わず。自分が縄文杉ツアーから帰ってきた時は全て撤収されていた。いや、今考えてみれば居なくなってくれたほうが自分にとっては良かったが・・・。以上、誘惑のオレンジテント事件はこれでおしまい。
では、真面目な話にもどる。
オレンジテント事件の余韻を引きずりながらも、なんとか朝4時に起床。直ぐ傍の屋久島警察署に登山届を出して、荒川ダムに出発。ここの道は周辺が世界遺産に指定されてからであろうか、物凄く道が綺麗になっている。途中の屋久島自然館で警察の検問があったが、マイカー規制は単車は規制外なので素通り。その先からは、まだ昔のままの登山自動車道となっていて、1~1.5車線のクネクネ道。時折、道路終点から客を降ろしてきたタクシーや大型バスがコーナーの向こう側から顔をにゅっと出す。普段だったら、絶対に大型自動車は通行禁止なような道路状況なのだが、ここは特別らしい。でも、自然を守るという名目でバスのみを走らせる、という考え方には特別異論は無いが、あれはいったいなんだ?上り坂、物凄い黒煙を吐きながらノロノロ走るバスは?どこが環境保護なんだ?一番悪さをしているのはこいつじゃないか?どうせ走らせるのなら、CNGとか電気自動車とかあるだろうに、環境省もそこまでは気が回らないか?これでは、長野の上高地のバス煙幕地獄と同じではないか?ちっとは、実情を把握しろよ環境省!!!!
相方を荒川ダム終点に置き、図ったわけではないのに6時ジャストの出発。いきなり、欄干などない、2枚の板を線路の間に渡しただけの鉄橋を渡る。

高所恐怖症の人はここでおしまいだろう。その後は、廃線となったトロッコ軌道を右に左に鉄橋を渡りながら10キロ近く延々と歩く。特に展望が利いているわけでもなく、鬱蒼とした木々のトンネルの下をず~~~~っと歩くのだ。あまりにも、単調で分に出来ないので思いっきりワープ。2時間ほど歩いて、最初の名跡(?)ウィルソン株に到着。写真とかは帰りに撮っておくので、そのまま素通り。やがて、がけ崩れで崩落したトロッコ軌道を迂回する為に急峻な山道を登り始める。

ここも、多くの観光客が訪れる為、木道や階段が設けられているのだが、これが逆にキツイ。平坦なトロッコ軌道を歩くのもある意味ではきつい物があるが、ここは階段の通りに足を運ばなければならないし、後ろから来る足の早い人や、既に縄文杉を見てきた人が交差するので、避けなければならない。しかも、その木道がかなりの高さに作ってあるので避けきれず飛び降りてしまうと、再びよじ登るのが大変なのである。気が利いてんだかそうでないんだか・・・。

幾つもの沢を渡り、数え切れない程階段を上り下りして、午前10時30分、縄文杉に到着した。平均的な所要時間は3時間45分から4時間とあるから、まめに休憩したりのんびり歩いた割りにはまぁまぁの時間に着いた。
・・・・・しかし、縄文杉を遠くから眺めるようになっているあの展望台。どう見ても定員オーバーである。自分を初め皆、ここで昼食やこの先の宮之浦岳に行く為に休憩するので、立錐の余地が無い。

これは全然大袈裟ではない。なるほど、社会全体がお休みの時はこう言う風になる訳だ。一応、展望台で縄文杉に一番近い場所の一角は「写真撮影用&観察用」として座り込んで休憩する事は禁じてあるのだが、そこにも大勢の俄か登山客が沢山座り込んで弁当を広げていた。縄文杉の番人である筈の2人の警備員のニイチャンたちも押し寄せる観光客の勢いに押され、展望台の隅に追いやられてしまい、成す術がないといった状況。

こんな状態ではゆっくり仮眠を取る事すら出来ない、そう考えて証拠写真を撮ってもらった後は早々に撤収した。今度は、下り勾配が主となるのでもってきたトレッキングポール(登山用ストック)を取り出し、歩き出す。

行きしな予めチェックしておいた名無しの大杉に立ち寄ってはパチリ、振り返ってはパチリ、見上げたり近寄ってみてはパチリを繰り返して、再びウィルソン株に到着。

ここでは、その巨大さを写真を見た人でも分かるように自分が傍にたっている証拠写真を休憩しているオジサンに頼んで、撮って貰った。その後はまたも退屈極まりないトロッコ道をスタスタと歩く。昨日の尾之間のラーメン屋の店主の言っている事は本当だったのだ。

午後4時20分、駐車場のある荒川ダムに到着。相方に乗って先ず、屋久島警察署に下山の連絡をする。面白いのは、担当した警察官が「お名前はどう言う字で書きますか?いつ出発しました?何を見に行きましたか?登山届は何処に出しましたか?」と聞いてくるのだ。つまりはそれによって本人かどうか確認しているのだろう。途中のAコープで夕食と朝の分の買出しをし、幕営地に帰着。

いまいましい、オレンジのテントは影も形も無くなっていた、「これでいいのだ」と少しホッとした。余分な荷物を全て降ろして、今度は尾之間温泉に向かった。尾之間温泉は、少し分かりにくい所にあったが、正面の駐車場はほぼ満車。盛況のようである。ここは、近くのモッチョム岳から降りてきた人が入る温泉だからだろう。どうやらモッチョム岳も連休中は混雑しているようだ。昨日の平内海中温泉に使っている間に両腕が真っ赤に日焼けしていたので、地元のおっチャン曰く「今日の湯はぬるい」とのことだったが、自分にとっては飛び上がるような熱さだった。風呂から上がり、外に出ると相方を囲んで3人の若い男女が写真を撮っている。聞くと、その内の1人は1000MkⅡに乗っているとのこと。まさか屋久島に来て本物のZ1を見ることが出来るなんて、とかなり興奮気味に話していた。当の相方は「こんな小汚い格好で写真に撮られてみっともねぇったらありゃしない、ちっとは綺麗にしてくれよな」と文句を言っているように見えた。
幕営地に戻り、ヘトヘトのままとにかく夕食とした。勿論米を炊く気力なぞないので惣菜とパック入り白米をかき込んで、直ぐに寝てしまった。そんなこんなで、今日のの出来事のまとめ。
1・テントの持ち主の確認は明るい時に。
2・下心マルダシで人に親切にするとツケが回ってくる。
3・地元の人が進めない観光地はまず面白くないということ。

そんな感じだろうか。ああ、長かった。

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