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復旧作業進まず長期化の見通し

復旧作業進まず長期化の見通し・・・NHK

福島第一原子力発電所では、30日もタービン建屋の地下にたまった放射性物質に汚染された水の処理などに追われ、原子炉を冷やして安全に止めるために必要な機器の復旧などに大きな進展は見られず、事態の収束は長期化が避けられない状況になっています。

核燃料を冷やせない深刻な状況に陥っている福島第一原発について、東京電力の勝俣恒久会長は、30日の記者会見で、「最終的に事態が収束するまでには、かなりの時間がかかる。

私自身の見解として、避難している住民が数週間で帰宅できるというのは厳しいと思う」と述べ、事態の収束は長期化が避けられないという見方を示しました。

その福島第一原発では、1号機から4号機のタービン建屋の地下や、建屋の外にある「トレンチ」と呼ばれるトンネルで、高い濃度の放射性物質に汚染された水が相次いで見つかり、汚染された水の処理に追われています。

このうち、地下の汚染された水については、1号機で水を移そうとした設備が満タンになり、29日から作業が止まっているほか、2号機と3号機では、まだ水を移すための準備の段階で実際に水を移す作業は始まっていません。

また、「トレンチ」の中の水も、1号機の分は4号機の南側の施設にある大きな貯蔵槽におよそ600トン分を移す計画ですが、2号機と3号機の分は、まだ、どこに移すか、決まっておらず、復旧作業の大きな妨げになっています。

さらに、福島第一原発からは放射性物質の外部への漏えいが続き、29日には周辺の海水からこれまでで最も高い、国の基準の3355倍に当たる放射性のヨウ素131が検出されました。

東京電力は海の監視を強めるため、これまでの4か所に加えて沖合15キロほどの海域で、新たに海水を採取して調査を行うことを決めたほか、大気中の放射性物質の濃度についても、30日、新たに原発から20キロ以内の23か所で調査を行いました。

一方、事態打開のカギを握る冷却機能の回復に向けた作業は、30日までに1号機の中央制御室で原子炉のデータなどを表示するための機器が電気を受け取れる状態になりましたが、電気を流すには機器に故障がないか確認が必要で、大きな進展は見られていません。

事故が起きてから20日、事態収束の見通しは立っていません。

3月31日 5:25更新


▲ちり飛散防ぐ合成樹脂散布へ

福島第一原子力発電所では、これまでの爆発で飛び散った放射性物質を含む「ちり」が風で運ばれるのを食い止めようと、「ちり」を固める合成樹脂の試験的な散布が、31日から2週間ほどかけて4号機と6号機の周辺で行われる予定です。

福島第一原発の周辺では、放射性物質の海水への流出や空気中への飛散が続いているとみられ、その要因の一つとして、1号機から3号機で起きた爆発によって、放射性物質が「がれき」や「ちり」に付着するなどして発電所の広い範囲に飛び散っていることが挙げられます。

このため、東京電力は放射性物質を含む「ちり」が風で運ばれるのを食い止めようと「ちり」を固めることのできる水溶性の合成樹脂の散布を、31日から試験的に始めることにしています。

およそ9000リットルの合成樹脂の原液を15%の濃度に薄めて6万リットルの溶液を用意し地面にまくということで、散布の範囲は4号機の南側と6号機の北側が予定されています。

東京電力は、散布をした場合に放射性物質の飛散をどの程度抑えられるのか効果を確認したうえで、本格的な散布に踏み切るかどうか検討したいとしています。

3月31日 5:25更新


▲汚染水の除去 なお多くの課題

福島第一原子力発電所の1号機から3号機では、高い濃度の放射性物質に汚染された水の除去作業が急がれていますが、2号機と3号機では作業を始めるめどが立ったものの、1号機では作業を再開するめどが立たず、除去した水をためる場所の確保なども今後、課題となります。

東京電力は、1号機から3号機のそれぞれで汚染された水を除去して「復水器」と呼ばれる装置のタンクに入れる方針ですが、2号機と3号機では、もともとタンクが満水で作業に着手できていないほか、1号機でも作業の途中で満水となり中断していて、まずはタンクを空にする必要があります。

東京電力は、「復水器」のタンクの水を別のタンクに送り込む作業を、2号機では31日午前中に、3号機では31日中に終えて汚染された水の除去を始めたいとしています。

一方で、1号機では、「復水器」のタンクの水をどこに移すのかは、まだ検討が進んでおらず、汚染された水の除去作業を再開するめどは立っていません。

さらに、1号機から3号機までの汚染された水がどのぐらいの量に上るか、まだはっきりしないうえ、汚染された水はタービン建屋の外にある「トレンチ」と呼ばれるトンネルなど、さまざまなところで見つかっています。

こうしたことから、今後は、汚染された水をためる場所をどう確保するのかや、場所が確保できない場合に水から放射性物質を取り除く処理をどのように行うのかといったことも課題となります。

3月31日 6:51更新