もう、30年前になるから
治安は良かった

ヒルトンは平屋だった
椰子の木の景観を守る法律がある

まだ裏地は荒れ地のままで
放し飼いのニワトリが、うろついていた

ヘルメットを被った、おじさんとおばさんが、木の根っこを抜く作業をしていた



あばら家ばかりが続く道で
一軒だけきれいな家があった

覗いていると、そこは美容室だった
きれいに髪をかきあげ
プリントの効いた、オシャレな
シャツを着たお兄さんが出てきた

日本から観光できた、と言うと
ちょっと待って
と彼は言い、奥に引っ込んだ

すぐに現れた彼は、ホワイトボードを
手にしていた
そこには、女の子のイラストと

料金が、書かれてあり

なんであるか理解した私は
犬のように飛び上がり逃げた