6月24日 13:50
わたしはいつものように、ワープロに向かっていた。
雨があがり、ベランダの青い朝顔が、空に向かって伸びをし始めた頃
玄関のドアを激しく叩く音がした。
玄関には「チャイム壊れています、ノックしてください」と張り紙してある。
わたしはすぐに、でかい声で返事をした「ちょっと、待ってて!」
なにせわたしは、裸だったもので、服を着る必要があった。
5秒後くらいに「お待たせええ」と玄関のドアを開けたが、誰もいなかった。
アパートのまわりをぐるぐる回ったが、誰もいなかった。
激しいノックだったので、わたしは緊急事態をも想定したが
なにもなかった。誰もいなかった。ただ蒸し暑い、雨上がりの空が、どんよりとしているだけだった。