母は風呂場で急死、心臓発作だった。
実家の鬼門東北には、ズバリ風呂場があった。

大きな平机が和室に置いてある
笑顔で出てきた母は
「習字を練習するのよ」
と言った。墨も用意してあった。

なんにもしない、できない父を残して
さぞ、心残りだっただろうと
思っていたが

違う、と霊能者に言われたことがある
すべて、予定通りだったと

実際、私は離婚してまで
実家に入った
父を守るために

そのときの嫁は、鬼の形相で
離婚届を突きつけてきた

それも
分っていたのかい?
母さん