相談者は、実の母親に悩んでいた。
あること、ないこと。
デタラメに、支離滅裂。
とにかく
「娘である、わたしを口撃するんです。それも、全部嘘です。嘘ばかり並べ立てて、わたしを吊るし上げるんです」
「昔からですか?」
「いいえ、最近です。その前は、自分の姉妹に向かっていました」
わたしは理解した。

「病気です。精神科の薬が必要です」
「病気なのですか?」
「被害妄想に、作話と言って、作り話ですよ」

年齢的にも認知症の可能性もあるでしょうね。

相談者は黙っていた。
そして、なにか激しく、思い巡らせていた。