
昔働いていた、認知症高齢者専用の
グループホームは、問題の多い施設だった。
職員は、利用者の預り金を着服していた。スタッフのバックから、金を盗むやつがいた。
庭には鬱蒼とした林があって
リビングには日が差さない。
管理者の女は美人だったが、ひどく男運が悪く、ヒモのような男に付きまとわれていた。
林の中に桜があった。
日が差さなくても、桜はやっぱり
桜で、北海道の遅い春を
わたしたちは、楽しんでいたが。
地主がやって来て
それを切り倒した。
「駐車場にするからな!」
わたしたちの落胆は大きかった。
後日
その地主が、別な場所で、作業中に斧で、自分の脚を割り、搬送先で死んだと聞いた。