必要になったら電話をかけて「別れ」は女のものだろう。自分の体験も、この短編の男もそうだ。落ち度の発端は、必ず男の側にある。この短編に登場する男も善良そうだが、妻に見切りをつけられるだけの、悪い魂を持っている。このタイトルは、救いようのない身勝手な男のためにある。ハッピーエンドかと思ったが、ちがう。女性は常に正論を言う。わたしの3度目の妻のように。世の中の、すべての女性のように。そして男は、嘘しか言わない。