最近、日中間での外交問題が話題になっている。
とりわけ、尖閣諸島沖での衝突事件での中国人船長の処分保留での釈放。
あの判断を下した、沖縄地検は合理的であったか否か。。。
ここでは、近年、経済学の分野において注目を集めているゲーム理論を用いて考察してみる。
まず、前提として、
①日中両国は外交の戦略として、強硬と強調(ここでは簡略化のため、譲歩とする)の2つの選択肢を持つ。
②日中両国が滅びることはない。仮に戦争に発展して、いづれかが滅亡するならば、この考察は成立しない。
③日中両国の時間選好、つまり、現在と将来に対するプライオリティーの比重は1:1である。
このように考えると、次のような利得表を得ることができる。
中国
協調 強硬 (左:日本の利得、右、中国の利得)
協調 (20、20) (0、30)
日本 強硬 (30、0) (10、10)
この場合、1回目は必ず協調、それ以降、(t-1)回目に相手が裏切れば、t回目以降は両方とも裏切るという無限回繰り返しゲームにおいて、前提③より、クールノー・ナッシュ均衡は(協調,協調)である。
すなわち、中国が協調しているうち、日本の採るべき最適戦略は強調である。
参考までに、その導出過程を示すなら、、、
はじめに、日本の行動を考える。
1回目は『協調』,2回目に『裏切り』とすると,2回目の中国の行動はまだ『協調』です。3回目から中国も『裏切り』を選んでくるので,このときの利得は,
20a+30*(a^2)+10*(a^3)+10*(a^4)+.....=P
となる。
次に,日本も中国もずっと『協調』していたときの利得は,
20a+20*(a^2)+20*(a^3)+20*(a^4)+.....=Q
Q>Pであればよいので,これを等比数列の和の公式で計算すると、
a>0.5
となり、このとき両者は無差別である。
また、前提③より、a=0.5なので、上述のような均衡解となる。
ゆえに、中国が強硬で挑んできたならば、日本は強硬し返すことがセカンド・ベストであるので、今回の事件において沖縄地検がとった対応は経済学的知見から合理的でないものだと考えられる。
しかし、前提の②がなくなり、有限の場合においても、いわゆるチキンレース・ゲームの状況が成立し、お互いが協調することが、次善解となる。
今回の事例においては、中国が強硬を続けたことから、この考察の前提③が破綻したことになる。
すなわち、中国は長期的な損得的思考力に欠け、短期的な利得を求めたことで、均衡が崩れた。
そして、その場合では、日本が採るべき戦略は強硬であった。
上記の理論とは反するが、個人的見解は日本の譲歩は正解だと考えている。
これからの世界の中心を担う中国には貸しを作れるだけ作っておけば、必ずペイされる。
まあ、現実の外交の場面ではもっと複雑な事情が絡み合ってるから、こんなに簡単に考えることはできないかもしれないけど、社会の色々な出来事を経済学的に考え直してみると、結構おもしろいですよ(^-^)/