記念すべき第1回目のテーマは
真面目は損なのか
です。
「あなたは真面目だね」と言われている人なら誰もがぶつかる疑問です。
私もずっと言われ続けてきています。
子供の頃から「真面目な子よりもヤンチャな子の方がモテる」という風潮があります。
でも親たちからすれば「真面目で素直な子供」の方が評判が良いです。大人は真面目で素直が好きなのです。
しかし年齢を重ねて社会に出ると「真面目で素直」というのは足枷になります。
子供の頃は年上の大人が褒めてくれた「真面目だね。素直だね」という言葉が急に褒め言葉ではなくなるのです。どちらかと言えばバカしているような意味合いを持ち始めます。
結局は子供の頃にヤンチャをしていたような人間の方が社会に出ると評価されます。そして今までは真面目だと褒めてくれた大人達もそんなヤンチャくんたちを可愛がるようになります。
ヤンチャくんたちはスター性が高く、みんなに注目されるのです。
そして真面目くんはその影に隠れた目立たない存在になってしまいます。
真面目くんとヤンチャくんが同期入社だった場合は大体、ヤンチャくんの方が上にも好かれ、真面目くんは「○○じゃない方」の扱いになります。
そしてミスをしても「ヤンチャくんだから仕方ないよね」という空気が流れる一方、真面目くんの場合は「案外こういうこと出来ないんだな」と評価され、何か成果を残したとしてもヤンチャくんの方が褒められます。「意外とコイツやるじゃん」という評価になります。
一方で真面目くんが成果をあげてもそこまで褒められることはなく、「当たり前」と言った空気が流れます。
こうなってくると地味ながらも真面目に規律に従ってやってきた自分が馬鹿らしくなってきます。
ここで真面目くんは「アイツの方が得だ。俺もアイツのような振る舞いをしたい。」と思うようになります。
しかし、ここでそれをやり始めたとしても、20年以上真面目で素直に生きてきた真面目くんが今更、ヤンチャくんのようなスター性を取り込もうとするのは無理なんです。
単純に考えても、ヤンチャくんが20年以上も高いスター性で生きてきた上での今なわけですから、今更、真面目くんが追いかけ始めても到底追いつけるものではありません。
仮にスター性を求めて動き出したとしても、真面目くん自身の中でもそういった振る舞いに慣れていない訳ですから絶対に何処かで行き詰まります。
私自身も新卒で入社した際にはスター性が高いフリをしていました。最初の1~2年くらいはそれで乗り切れましたが、3年経つ頃にはボロが出まくっていました。自分に嘘をついて生きている訳ですから次第に歯車は狂います。
そんな中で分かったことがあります。それは、「ヤンチャくんはみんなに注目されている分、想像以上に普段から周りにキツいことやダメだしを受けながら生きている。そしてそれに負けない心を持っている」ということです。
みんなに注目される分、色んな人からダメだしされます。だからこそヤンチャくんに対して情が生まれ、ヤンチャくんが成果をあげた時に真面目くん以上に褒められます。
そんなことも知らずに「羨ましいから」で真面目くんがヤンチャくん的振る舞いをすれば「みんなに注目され、ダメだしを受けまくる」という段階で心がズタズタになります。
真面目くんは子供の頃から「真面目だね」と褒められながら育ってきた訳で、子供の頃からヤンチャして怒られてきたヤンチャくんのような強い心はないのです。
私もそのパターンで3年目に限界が来て、結局、その会社は退職しました。
その後、今の会社に転職し、「自分サイズでの仕事」に心がけ真面目くんとしての日々を送ることとなります。
奇しくも同じ職場には同時期に転職してきた同い歳の男がおり、彼は絵に書いたようなヤンチャくんでして、とてもスター性が高くて目立つ人です。
周りからは「○○じゃない方」扱いを受けながら仕事に励んでいきますが、不思議と苦しくはなかったのです。なんせ自分サイズですからね。
「真面目にコツコツ、分からないことは勉強する」という真面目くんの王道ルートを走ります。
ヤンチャくんと比較されることはしょっちゅう。上からの評価もヤンチャくんの方が高い。でも中身を見ずにそんなことで評価してくるやつなんて信じない。絶対に自分を評価してくれる人がいる。そう信じて真面目くん王道ルートを走り続けております。
そして最近になり、ようやく評価を受け始めるようになりました。目立たない真面目くんにもチャンスが回ってきました。そこで今まで培ってきた真面目くんパワーを発揮して何とか乗り切りました。地味ながら積み上げてきた努力で。
こうなってようやく周りが自分のことをちゃんと見てくれるようになりました。
ヤンチャくんを可愛がってた人たちもようやく私を認知してくれました。
そこを乗り越えてからは、胸を張って真面目くんとして生きていけてます。
以前、テレビ東京の「あちこちオードリー」にてオードリーの若林さんが
「真面目が評価され始めるのは42歳から」と言っておられました。若林さんも相方の春日さんと比べられることが多く、長いこと「春日じゃない方」の扱いでした。
また、ニッポン放送「オードリーのオールナイトニッポン」でも
「ビーグル犬が噛んだり吠えたりしたら怒られるのに、チワワが噛んだり吠えても甘い叱りだよね?なのにチワワがお手しただけで過剰に褒められてさ。ビーグル犬がお手しても誰も何も言わないのに。オレはビーグル犬で春日はチワワだよ。」
と言ったようなことを話していました。
これにはめちゃくちゃ共感しました。
でも今や、オードリー若林さんもテレビには欠かせない存在になっています。そして春日さんも高いスター性でずっとテレビに出続けています。
結局は自分に持って生まれたものを突き詰めていくのがベストなんだなと。
「自分サイズがきちんと評価されるような環境に如何にして自分を持っていけるか」これが一番大事なことなんだと思います。
無理してその環境にいたとしても評価されない訳ですから、そうなったらすぐに出ていけば良いのです。終身雇用の時代は終わり、転職が当たり前の世の中ですからね。
この記事をここまで読んでいただいた読者様ならば絶対に動くべきです。
さて、今回のテーマであった
真面目は損なのか
ですが、結論としては
損ではない。
真面目を誇り、突き詰める。必ず発揮出来るチャンスが来るからその日まで真面目に生きるべき。
です。
まだ私自身も真面目街道が軌道に乗り始めただけなので、調子には乗らず、自分を過信せずに真面目に生きていきます。
真面目くんたち、いつかヤンチャくんを評価する浅はかな奴らをギャフンと言わせてやりましょう。