わしの最近の見え方 | new暴れん坊商人~視覚障害者の呟き~

わしの最近の見え方

最近、日常の生活にしろ会社での状態にしろ少し見え難くなっているような気がする。
日常の生活では妻と買い物に行った時、妻の運転する車でスーパーまで行く。
駐車場に停めてわしと妻がそれぞれの車のドアから出る。
「お父さん、こっちよ。」
と妻がわしに声をかける。
今まではそれとなく妻の場所が見えていたが、最近は声はすれどもその妻の所まで行くのに手間取るのである。
 
会社では仕事の内容を印刷する。
近くのプリンタまで白杖なしで行く。
今までは慣れている場所なので外側の視野を頼りにプリンタの場所までとりにいき自分の机まで帰る。
それがプリンタの場所までは行けるのだが、ちょっと油断すると自分の机の場所がわからなくなる。
そん時は近くに座っている女性社員の名前を呼んで声のする方向へどうにか歩いて自分の席までたどりつくのである。
 
今、こうやって自宅でノートパソコンうっていても目の前のノートパソコンも自分の指も白くかすんで全然見えない。
以前は右目はこんな感じであったが、まだ左目は中心部の一部が少しだけ見えていて視線をずらせば一部分だけ画面の情報が確認できていたような気がする。
周辺部はまだまだらに視野が残っているので全盲状態ではないがまっすぐの中心部の視野はまったくなくなってしまったような気がする。

いつも聞かせていただいているロボさんのブログ
見えなくなるその前に
にも書いてあったが視覚障害者の見え方は人それぞれで違っていて本人にしかわからないような気がする。
10年後には確実に今よりは見えなくなっていることを覚悟しておかなければいけないんじゃろうが、まあそん時はそん時でどうにかなるだろうと思っている。
 
今の家に引っ越して通勤距離が2倍になったこともあるが白杖の先についている石突の磨耗が激しくなった。
以前は2年はもてていたのにここ半年でめっちゃちびて使えなくなり新しいローリング式の予備に交換した。
それだけ白杖を頼りに歩くようになってしまったのか?
 
今日、散髪に行った。
帰ってから近くのお城周りの公園に終わり間近の紅葉を見に妻とでかけた。
同居している母親は、
「久々に二人だけでデートじゃね。仲良く行ってらっしゃい。」
との声かけに、
「私達はいつも出かける時は一緒ですよ。」
と妻が答える。
そう、わしは基本的には出かける時には妻と一緒でなければ自由に出かけられないというのが現実なのである。
それを妻は、いつものことであり、日常のできごととしてとらえてくれてほんまにありがたいことである。
「お母さんがおらんとわしは生きていけんよ。」
と先日も妻に言った事がある。
これは冗談のようでもあるがわしの本音である。
妻と息子と娘がいるからこそ、わしはここまで仕事もでき、目が見えない以外は普通に過せてこれたのである。
感謝以外の何者でもないような気がする。
なーーんて、こっぱずかしいこと書いているが、この気持ちはずっと持ち続けていかなければいけないと思う、今日この頃なのでした。