仕事がいそがしい | new暴れん坊商人~視覚障害者の呟き~

仕事がいそがしい

最近、わし以外の社員は新店の採用や来年張るより改定される退職年金制度の説明会や登用試験やなんやかやででずっぱりである。
よってわしともう一人の小脳摘出した社員と女性社員で本社の人事の電話版をすることが多い。
わしはわしで人件費や個人の給与に関する定例、突発の仕事は持っている訳で、電話の対応でその仕事が段取りよくできないのである。
 
朝、パソコン立ち上げてメールを見るといろんな部署から依頼の仕事が入ってくることも多い。
依頼してくるということはそんだけその人もそのデータ・資料がすぐにでも欲しい訳でして、できるだけそちらを優先して片付けてから自分の仕事に移る。
結局、昼前後から自分の仕事にとりかかることが多いのである。
 
今日も結局会社を出たのが8時前。
家に着いたのが8時30分。
かえりすがら家の近くの下町の路地を通ると夕食のおかずのいろいろな匂いがしてくる。
「おぅ、今日はここはカレーじゃな?ここは秋刀魚の塩焼きじゃな?」
とこれはこれで楽しいもんである。
夜でもあり目が見えないわしにとってはこの嗅覚の他にも聴覚と白杖での触覚ともう一つの周りの状況を肌で感じて帰り道を歩く。
人間には両目の間の上のひたいにもう一つの第3の眼があったそうな。
そこらへんで何となく車が停まっているのや4差路に入ったのを感じるもんである。
 
帰ると妻も娘も夕飯は食った後。
今日のおかずは天然ハマチのお刺身とワカドリの手羽中(テバナカ)の唐揚げ(カラアゲ)。
それに両親からのおすそわけで奈良漬がおいてある。
ロックの焼酎がうまい。
夕飯食って1階の両親のところで少し話をする。
おやじは熱狂的なファンである横浜ベイスターズの野球を見ている。
おふくろは朝日新聞の勧誘の話や先月帰った萩の実家の話などをしてくる。
実の息子であるわしと離すのは楽しそう。
そういやわしの息子は昔から父親であるわしと面と向かって話すことは少なかったなぁ?
わしも子供の頃は両親、特に親父と話すことが少なかった事を思い出す。
時々息子が親父となったわしに話しかけてくることがあるとわしも妙にうれしかったことを思い出す。
今を大事に、一緒に暮らせているわしの両親に少しは親孝行をせねばと思うのでした。