視覚障害者としての僻み | new暴れん坊商人~視覚障害者の呟き~

視覚障害者としての僻み

 昨年の反省でも書いたが、最近また受容したと思っていた視覚障害者としての僻みが出てきたような気がする。
 先日、会社でこのようなことがあった。
 わしが印刷したものを取りに、ちょっと離れたところにあるプリンタまで歩いた。
 いつも通っている経路なので、白杖を持たずに残った視力で歩いていった。
 すると、途中の通り道に結構大きな運搬用の箱が置いてありそれにわしは思いっきり向うずねを打ちつけた。
 わしは思わず、
「こんな通り道に置かれると困るンじゃよね。」
とつぶやいてしまった。
 そして自分の席につくと、前に座っている直属の上司が、
「ちゃんと白杖をついていかないからいけないんだよ。今度は白杖を持って歩きなさい。」
と言ったのである。
 
 確かに視覚障害者であるわしはいつも白杖片手に歩いていないといけないのかもしれない。
 けんど、皆が通る通路に無造作に大きな荷物が置かれているのは何も言わず、わしが全て悪いみたいな言い方に聞こえてしまった。
 正直、むっときたのである。
 後から落ち着いて考えると確かにわしが悪いのではあるが、視覚障害者のリハビリ施設では、バリアフリーな建物の中で皆、白杖はつかずに歩くことが基本となっていた。
 もちろん通路には障害物が置かれていないのが前提である。
 うーーん、どうなんでしょうねぇ。
 やっぱしわしが悪いんかいのぉ。
 わしだって皆と同じようにさっそうと歩くことがあってもええとも思うんじゃけどねぇ?