おにぎりの行方 | new暴れん坊商人~視覚障害者の呟き~

おにぎりの行方

 わしの家は共稼ぎなので、夕食の片付けはわしの役目である。
 そして炊いたご飯が余っていた時は、わしがおにぎりをこさえている。

 塩を一振り、ちりめんを一つまみ、サランラップでニギニギしておかずのりで巻く。
 それをダイニングテーブルの上にお皿に乗っけて置いておくのである。
 わしは翌朝、それを電子レンジでチンして食うのを楽しみにしているのである。

 けんど、翌朝まで残っているのはまれである。
 そう、誰かが夜中にこっそり食っているのである。
 お兄ちゃんか?それとも娘か?
 まあ、それほどわしの握るおにぎりはおいしいんじゃろうなぁ?と、半分あきらめているのでした。