姫チャン天国へ | new暴れん坊商人~視覚障害者の呟き~

姫チャン天国へ

 先日、夕食を食ってのんびりしていると、娘があわててやってきた。
「お父さん、大変、大変。姫チャンが・・・。」

 姫チャンとは、3年前から我が家で買っているジャンガリアンのハムスターである。
 ハムスターの寿命は3年くらいだと知っていた。
 今年の冬を無事乗り切れたらいいと思ってた。
 最近、餌の減りが少ないと思っていた。

 娘、いわく。
「一緒に小屋に入れてやっていた、ぬいぐるみの無効でぐっすり寝ていると思ってたら、何か小屋が臭いのよ。」
 見えないわしが、ティッシュ片手に触るとやはり冷たくなっていた。

 十姉妹のビーチャン、ピーチャンに始まり、亀の亀吉とキャンディー、そしてハムスターはハム太郎、ハムちゃんに始まり、今回の姫ちゃんと10年近くの間に随分多くのペットを見送ってきた。

 夜も遅いので、翌日の朝、わしが会社に行くまでに娘と近くの公園に埋めに行った。
 随分人間に慣れているハムスターで、小屋を空けて手を伸ばすと、向こうからするすると手のひらに登ってきた。
 少しも恐れることなく、顔を近づけると、向こうから、ひげと鼻先をスリスリとくっつけてきた。

「 姫ちゃんよ。今頃は天国に行ったのかぁ。天国に行っても元気でやれよ。」

と、娘と一緒に手を合わせるのであった。