ハムスターの姫チャン | new暴れん坊商人~視覚障害者の呟き~

ハムスターの姫チャン

 わしの家にはハムスターがいる。
 今現在3代目である。
 1匹目はハムチャンと言い、オスのゴールデンハムスター。冬の寒い時期に飼い出したので、暖房用に入れておいた脱脂綿を巣の中に入れ込み過ぎて、自力で出れなくなり、1週間もたたずにあの世に言ってしまった。
 
 2匹目はハム子チャンと言い、メスのロボロフスキー。3年近く生きていたが、なかなか人に慣れることがなく、一度も手のひらに乗らずに、ある寒い冬の朝、暖を取っていた敷物の中に入り込んだまま冷たくなっていた。
 
 3匹目は、ヒメチャンと言い、メスのジャンガリアン。この子は、ペットショップで初めて出合った時から、自分から手のひらに乗ってくる可愛いヤツである。
 いつもは小屋のカゴの中でお昼寝をしたり、滑車をグルグル回っているが、小屋のベランダを開けてやると、自分から待ってましたとばかり、ゴソゴソとやってくる。
 手のひらを出してやると、自分からノソノソと這い登って来るのである。
 
 わしとしては、直接その姿を見ることは出来ないのだが、顔の近くに近づけると、髭がわしのホッペ2当たって、横目の視野でその姿を感じることができる。
 また、手のひらに乗っていると、その動きがよくわかる。
 
 もちろん、このハムスターはわしが飼い出したのではなく、下の娘が動物が好きで、自分のお小遣いで買ったのである。
 ハムスターの寿命は3年近くであると言う。果たしてこの冬が乗り切れるのであろうか?
 そんな思いをよそに、今日も姫チャンは小屋の中で手足を投げ出してお昼寝をしているのであった。