人間ドッグ | new暴れん坊商人~視覚障害者の呟き~

人間ドッグ

 先日、会社で行なわれる人間ドッグを受診してきた。
 40を過ぎたオッサンであるわしは、35歳からは、毎年、1年に一度は人間ドッグにて成人病検診を受診しなければならないのである。

 ここ数年、すっかり見えにくくなってしまい、白杖を手放せない視覚障害者であるわしが、健常者と同じ会場で受診するといろいろな事がある。
 最近は、わしも病院側もお互いを知っているので、結構スムーズに受診できるようになった方である。

 数年前にはこんなこともあった、
 胸のレントゲン撮影をしようと、着ているる服を脱がなければならない時に、
「ぼ田ッ波外せますかぁ?一人で洋服は着れますかぁ?」
と言われる始末。
「目が見えにくくたって、服ぐらい独りで着れるわい。」

「わしは、視覚障害で視力は0.01程度しか残ってません。」
と言っているのにもかかわらず、
「ハイ、そこに座って、2番はどこが空いてますか?」
と無理やり視力検査をしようとする。
 携帯型の覗き込む型の視力検査表では、0.1より低い視力は測れないと知っているのであろうか?

 ちょっと視覚障害で受診できにくいと知ると、背後から両肩を羽交い締めにして無理やりベッドに寝かせようとする人。

 それに反して、若い看護士しさんは、障害者に関する人への対応を習っているのか、
「どうぞ、右肘をおかししますので、次の会場まで誘導しましょう。ここが椅子になっていますのでしばらく座ってお待ちください。順番がきましたらまた呼びにまいります。」
と、右手を軽く椅子の背もたれに触らせてくれ、そりゃもう楽なもんである。

「まあ、これも、今後、わしと同じような障害者が受診した時のために、わしが犠牲になっていいのかな?」
と、最近は思うのである。