(つづき)ザーボン再戦~リクーム戦のベジータ(NOR.31,300/MAX.39,100)

 

 VS.リクーム(NOR.41,600/MAX.52,000)

リクームの最大戦闘力は52,000としました。ベジータとの戦闘力差は1.33倍。ベジータにとっては敗北必至の戦闘力差です。
そこでベジータのとった戦略は「奇襲」でした。

おそらくベジータはリクーム戦が始まる前、自身の戦闘力を低く抑えていました。キュイに対してやったように、自分の実力を相手に誤認させるためです。1.25倍法則により、最大戦闘力が24,000に見える19,200(=24,000÷1.25)くらいに抑えていたと予想します。24,000は、フリーザたちが最後に計測したベジータの戦闘力です。
そこから一気に「MAX.39,100」まで気を上昇させ、リクームが本気を出す前に致命的なダメージを与える…はずでしたが、リクームには通じませんでした。
結局ベジータはリクームに完膚なきまでに痛めつけられ、三たび、瀕死の重傷を負うのでした。

ちなみに、このリクーム戦では原作で有名な戦闘力の誤植がありました。
ジースが気を上昇させたベジータの戦闘力を測定して、「20,000近くまで上昇したぞ」というんですね。(低すぎますね…。)
この誤植は訂正され、「30,000近くまで上昇したぞ」のセリフに差し替えられました。(ん?これでもまだ低い…。)
さらに、アニメ「ドラゴンボール改」ではこのセリフが「30,000を軽く超えちまったぞ」に差し替えられました。
本考察では、この最後のセリフを証拠として採用しています。
20,000弱に抑えられていたベジータの戦闘力は戦闘開始と同時に急激に上昇、一気に30,000を超え、「MAX.39,100」まで上がったのです。

 

もう一つ余談として、この戦いでベジータはリクームに対して、悟飯&クリリンと共闘することは考えなかったのでしょうか?3人で闘えば、格上のリクームに対しても勝利の可能性があったかもしれません。
しかし私は、ベジータはそれがやりたくてもできなかったのだと考えます。
なぜなら、仮に3人がかりでリクームに対して優勢に戦闘を進めた場合、後ろで観戦していたジースとバータが黙っていなかっただろうからです。1対1の闘いでベジータが優勢な場合は、ギニュー特戦隊としてのメンツもあってジースもバータも手が出しにくかったでしょうが、3対1の闘いに加勢する場合にはそうしたためらいはなくなるでしょう。
「3対1で闘えれば確かに有利だが、3対3になればもっと絶望的な状況になってしまう」とベジータは考え、思いとどまったのではないでしょうか。

 

  ジース戦~フリーザ第二形態戦のベジータ(NOR.61,000/MAX.76,300)

すんでのところで悟空がナメック星に到着し、仙豆で傷を回復したベジータに3度目の超回復が起こります。
今度の成長率はさらに上がって1.95倍(=1.25の3乗倍)で、「MAX.76,300」まで戦闘力をアップさせました。

 

 VS.ジース(NOR.40,000/MAX.50,000)

ジースの戦闘力は、リクームとほぼ同等の「MAX.50,000」としました。

しかし「MAX.76,300」にまで戦闘力を高めたベジータにとっては、ジースはもはや敵ではありませんでした。ジース戦はベジータの圧勝に終わりました。
ベジータ自身も自分の異常な成長に気づいたようで、闘いのさなかジースに対して次のようなことを言っていました。

 

 VS.フリーザ第一形態(NOR.53,000/MAX.66,300)

いよいよフリーザとの闘いが始まります。気を開放したフリーザは「MAX.66,300」まで戦闘力を増大させます。
しかしそれを見たベジータは「勝てる!」と言うのですね。

それもそのはず、このときのベジータの本当の戦闘力は「MAX.76,300」で、フリーザ第一形態を上回っていたのです。フリーザとの取っ組み合いでは戦闘力を66,000超まで上昇させ、フリーザのスカウターを爆発させました。

原作の描写では、この取っ組み合いによってベジータは肩で息をするほど疲労していたのに対して、フリーザは涼しい顔でした。ベジータのほうが戦闘力が高かったのだとしたら、両者の反応はまさに真逆です。これはなぜかということを考察したいと思います。
この闘いで、取っ組み合いの前にベジータが戦闘力を抑えてフリーザを欺いていたことは言うまでもありません。(相手に自分の限界を悟らせないことは闘いの基本でしょう。)
そしてその戦闘力は、リクーム戦の時と同じく、フリーザが知っているベジータの最大戦闘力24,000…に見せるための19,200だったのではないでしょうか。
ベジータは19,200から66,000超まで、約3.44倍の戦闘力上昇を行ったことになります。
戦闘力のコントロールを用いた闘いは休眠状態からいきなり全力疾走を始めるような戦法ですので、3倍を超える急激な戦闘力の上昇ではさすがに息が上がるものだと解釈したいと思います。悟空やクリリンならいざ知らず、この時のベジータは戦闘力のコントロールを習得してから日が浅かったですから、なおさら負担が大きかったのではないでしょうか。
あるいはこれはベジータお得意のブラフで、「ベジータの限界は『MAX.66,000』程度だ」とフリーザに誤認させるため、わざと疲労困憊した演技をしたのかもしれません。
対してフリーザは、たとえ第一形態における最大戦闘力を発揮したとしても、それは本当の最大戦闘力ではないので疲労することはないのでしょう。フリーザがパワーの出しすぎで疲労するのは、最終形態の70%マックスパワーを超えた時からなのです。

さて、問題はフリーザは「変身」するということです。そのことを知っていたベジータは、もちろん変身のパワーアップを織り込み済みでフリーザに対して「勝てる」と言っているはずです。
この時ベジータは、フリーザの変身によるパワーアップを1.5倍までと予想していたのでしょう。それは、ザーボンの変身によるパワーアップが1.5倍だったからです。仮に1.5倍だとすると、変身後のフリーザの戦闘力は「NOR.79,500/MAX.99,400」となります。ベジータとの戦闘力差は1.30倍です。
確かに1対1では勝ち目はないでしょうが、「オレ(ベジータ)とこいつら(悟飯&クリリン)の3人で闘えばなんとか勝てる」レベルの戦闘力差であると言えなくもないのではないでしょうか?ベジータの発言は単なる強がりではなく、十分な計算に基づいた発言だったのです。
しかしフリーザの変身による戦闘力の倍率は、ベジータの予想を超える1.75倍だったのです。

 

 VS.フリーザ第二形態(NOR.92,800/MAX.115,900)

フリーザ第二形態の戦闘力は「MAX.115,900」で、ベジータとの戦闘力差は1.54倍です。
これは本考察において奇襲も何も通じなくなるレベルの戦力差であり、事実、作中でもベジータの奇襲攻撃はフリーザに全く通用していませんでした。
フリーザ第二形態から第三形態戦でのベジータは完全に戦力外で、彼に代わって善戦したのは怒り悟飯とピッコロでした。

 

  フリーザ最終形態戦のベジータ(NOR.149,000/MAX.186,300)

悟飯やピッコロたちの闘いを傍観する中、ベジータはデンデに瀕死の傷を回復させる能力があることを知ります。
クリリンに自分を半殺しにさせ、デンデの超能力によって4度目の超回復を果たしたベジータは、実に2.44倍(=1.25の4乗倍)の成長を遂げ、「MAX.186,300」まで戦闘力を上昇させました。
ギニューが測定した悟空の戦闘力180,000をもついに超え、まさに「カカロットの出番はないぜっ!!」と思ったことでしょう。

 

 VS.フリーザ最終形態(NOR.144,900/70%MAX.371,000/100%MAX.530,000)

フリーザも最終形態に変身し、さらなるパワーアップを果たしました。
基礎戦闘力だけ見ると、ベジータが149,000、フリーザが144,900で、両者の実力は拮抗しているように見えます。
しかし、フリーザの基礎戦闘力はマックスパワーの27.5%程度。フリーザ最終形態は、ここからマックスパワーの70%まで自在に戦闘力を上昇させることができるのです。つまり基礎戦闘力の2.55倍の371,000、これがフリーザ最終形態の(70%時の)最大戦闘力なのです。
さすがのベジータもこの事態は予想しておらず、なすすべなくやられてしまいました。
ちなみにこの時フリーザはどれくらいのパワーを出していたのかというと、「MAX.186,300」のベジータを圧倒したのですから、その1.25倍の233,000、マックスパワーの44%くらいのパワーを発揮したものと思われます。
今まで何度も瀕死状態から復活してきたベジータでしたが、今度ばかりは復活することなくついに死んでしまいました。
フリーザとの闘いは、ベジータの死の直前に駆け付けた悟空に引き継がれるのでした。