電車の車椅子スペースは、よくベビーカーママとご一緒します。ママたちはみなさんおしゃれで素敵だなと思います。
先日、車椅子スペースに一緒に乗車したベビーカーの女の子が、「あか、あか、あかー」と泣き出しました。
どうしたのかなと思って見てみると、閉じた電車のドアに向かって手を伸ばしています。
ドアの向こうのホームをふとみると、おじさまが小さなマスコット人形を拾って柱の下に置いていました。
お母さんに「あれ、落としませんでしたか?」とお聞きしました。
すると、「あっ」と言われましたが、ドアが閉まり電車は走り出しました。
女の子は、「あか、あか、あかー」と泣き叫んでいます。
そうですよね、きっと大好きなお人形なのでしょう。
お母さんがあやしても泣き止みません。
私は何かないかなーとバッグの中をゴソゴソ探ってみました。
ちょうどマスコット人形くらいの大きさの
伊勢神宮で買ったお守りが手に触れました。
勾玉の形をして小さな鈴がついたお守りです。
とっさに女の子に差し出しました。
最初はお母さんも、「大丈夫です、いいです」と言っていましたが、女の子は泣き続けています。
それでも私が鈴を振って見せていたら、小さな手を伸ばしてお守りを受け取ってくれました。
そして、泣き止んでくれたのです。
「よかった、きっとあのお守りがあの女の子を守ってくれますように。」
そう思いながら次の駅に着いたので私は電車を降りました。
なんだか、幸せな気持ちになった、車椅子おばあちゃんです。
お守り受け取ってくれてありがとう。