半世紀前から普通の人生に挑戦して普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語40 | tatu-kuu(車いすおばあちゃん)

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お出かけ大好きな
おばあちゃんです!

だいたい10年くらい前の私のことを書きます。

一部にフィクション、妄想、記憶違い、思い込みありますが、ご勘弁ください(;´∀`)

 

今までの「物語」は

こちらです

よろしければ…

 

 

オペレーターの仕事が好きだったので

まずPC関係の会社の面接を受ける事にしました。

 

着なれないスーツを着て、いざ、出陣

大きな物流倉庫の一角にその会社のオフィスはありました。

今でいうベンチャービジネスだったと思いますが

若い男性が面接官で、あまり慣れていない様子でしたが

ひと通りのお話がおわると

 

「では、ちょっと別の部屋で適性試験を受けていただきます」

「え、聞いてませんけど」

とはいえず

「はい」

と別室へ

 

机の上にPC

「やば」

操作の仕方を教えて頂き、試験官は退室

一人取り残され、PCと格闘

何が何やらわからずに、いろいろ触っていたら

画面がフリーズ

部屋の外に向かって

「あのぉ、すみません」

「動かなくなっちゃったんですけど」

「あ、じゃあそこまでで結構です」

 

落ちた…

無理でした。

 

すごすごと、

でも表面は笑顔で

「ありがとうございました」

と明るく挨拶をして、車まで

ちょっと雑談をしながら

若いお兄さんに送っていただきました

 

PCの試験は全くちんぷんかんぷんだったので

仕事にならないなぁ

試験があってよかった、

知らずに就職してたら大変だったわ

と、残念というよりは、ほっとした帰り道でした。

 

採否の連絡が来る前に、

次です。

 

高速道路のインターチェンジのそばにある

「関係者以外立ち入り禁止」の看板を通り抜け

真っ赤なポルテを運転して待ち合わせ場所へ到着しました。

 

入り口にスーツ姿の優しそうな男性が待っていてくださり

駐車場へ誘導していただきました。

「○○です」

と名乗ると

「お待ちしていました。ご苦労様です」

と笑顔で答えてくださいました。

車から降りようとすると

「すみません、ちょっと別の場所にご移動いただきたいのですが」

その時、少し小柄な年配のこちらも高そうなスーツ姿の男性が

笑顔で車に近寄ってこられました

 

「総務部長の○○です」

「サービスエリアで面接させて頂きたいので、

車で後からついてきていただけますか」

とのことでした。

「はい、わかりました」

と、黒塗りの高級車の後ろを、

ど緊張の運転でサービスエリアに向かいました。

 

サービスエリアに着いて、

車いす用の駐車場に車を停めて

車椅子を降ろして、座ります。

盛んに感心され、注目され、

着なれないスーツでもう汗だくです

 

「お天気がいいから、ここでいいでしょう」

「どうぞ」

と、サービスエリアのお店の前のテーブルにつき

現場の事務所の女性と責任者の男性も加わり

5人でコーヒーを飲みながらお話をさせていただきました。

またまた、変わったスタイルの面接試験です。

 

感動したのは、その総務部長が自ら車いすに乗って

私が働くことになった時の動線や、環境を確認し、

改善を支持されていたということです。

いくつかの職場を経験してきましたが、

自分で車いすに乗って確認してくださった方は

この方だけでした。

 

後日、総務部長が

「いやあ、僕はね○○さんに一目惚れでしたよ」

と言ってくださいましたが、私もすぐにファンになりました。

ものすごい愛犬家でもいられたので、

ワンちゃん談義にも花が咲きました。

 

どういう訳か、あのPCのコールセンターの会社からも

「採用」の連絡を頂きました

びっくりです。

いろいろこちらの条件ものんでくださり、

熱心に誘ってくださいました

なぜでしょう、いまだにわかりません

が、

私は総務部長と相思相愛でしたので

そちらは丁重にお断りをして

 

2012年5月から晴れて、サービスエリアのバックヤードで

働くことになりました。

 

ワクワクが止まりません