だいたい50年くらい前の私のことを書きます。
一部にフィクション、妄想、記憶違い、思い込みありますが、ご勘弁ください(;´∀`)
旅に出ました
北陸、金沢、能登半島2泊3日
朝の京都駅のホームです。
若いイケメンの駅員さんに車いすを押してもらって
舞い上がってます。Sパイセンとわたし。
これが、間違いの始まりでした
東京駅で新幹線に乗る前に旅費をATMで引き出す予定でしたが
何故か
「京都駅でおろせばいいよ、時間あるし」
「あ、そうだね」
ところが、京都駅でイケメン駅員君に出会ってしまい
ぼ~っとしたまま
「ありがとうございました~」
「いってらっしゃ~い」と
金沢に向かう電車に乗ってしまいました。
当時のATMは、今ほど便利ではなく私達の銀行のカードは
この先全く使えなかったのです。
手持ち金は二人合わせても少ししかありません。
金沢の駅に降り立ち、初めてお金が下せないことに気づきました。
「え~っ!」
「どうしよう」
「どうする?」
途方に暮れたふたり
「あ、でも!、」
「帰りの旅費と宿泊代は旅行会社に支払ってあるから大丈夫だよ」
「よ~し!予定決行!」
かくして、車椅子と美少女の貧乏旅行北陸ツアーが始まりました。
能登の輪島駅、小雨模様の夕暮れ時でした。
その日の宿までは少し距離があります。
「どうする?」
「歩いていくしかないよ」
「いくよ!」
車いすを押してSパイセンが歩き始めました。
周りには観光客らしき人達、そしてタクシー
一人の運転手さんが声をかけてきます
「どこまで行くの?」
「雨降ってるよ」
「乗ってかないの?」
私たちは
「大丈夫です!」
「傘ありますから!」
タクシー代がないとは言えず
黙々と歩き出しました。
前の晩はホテルに素泊まりだったので、
朝、近くのお店でモーニングセットを食べただけ
お昼は抜きでした
「おなかすいたね~」
「大丈夫、旅館につけば2食付き」と
小雨に濡れながら予約してある旅館を目指したのでした
翌朝、
朝食のご飯はお櫃をお代わりして
お昼ご飯用におにぎりをたくさん作りました
それを持って、輪島の漁港で小さい蛸の漁を見ながら
Sパイセンが
「仕事辞めて、結婚しようと思ってるんだ」
と打ち明けてくれました。
あおはるじゃ~
その後どうにか2泊3日の旅を終え、
帰りにお金をおろして、豪華な駅弁買って
美味しく頂きました。
この旅でもう一つ忘れられない事件があります。
たぶん、京都駅?金沢駅?定かではありませんが
駅員さんが、私を抱えて、
もう一人の駅員さんは車いすを抱えて、
Sパイセンは荷物を抱えて
ホームからホームへと
線路を横切ったのです!
今そんなことをしたら、
即SNSで叩かれて、
警察に捕まって、
大変なことになってしまいますが
当時は駅にエレベーターなどなく
向かい側のホームへ行くには
車いすを何人かで担いで階段を上がって
また下りなければならなかったのです
で、
「いいや、わたっちゃえ!」
ということになったのでした
いい時代でしたね
この旅での出来事すべてが、
今の私の旅行好きの原点になったのだと思います。
なにもかもワクワクして
楽しくて
キラキラした思い出です。
Sパイセン、感謝です!