小学生のときに初めて原爆資料館(平和記念資料館)を訪れました。

やけどを負い、無惨な姿で炎と瓦礫の街をさまよう人々を再現した人形、放射線により石段に人の姿が残ったと言われる人影の石など、幼いチャバシーラには恐ろし過ぎました。

その晩どうしても眠ることができず、祖母の布団にもぐりこみました。

「大丈夫、戦争はもう起こらないよ」そう言われてやっと眠ることができました照れ

祖母は広島の人でした(原爆投下当時には広島にはいませんでしたが)。

それ以来、長い年月が流れましたが、広島にはお墓参りに行くことはあっても、原爆ドームや平和記念資料館に行くことはありませんでした。


すっかり大人になったチャバシーラは、今回新旧2つのピーススポットに行ってきました。


その1「平和記念資料館

現在、長期のリニューアル中で、4月26日に東館がリニューアルオープンしたばかりです。

入れ違いに本館がリニューアル工事に入り、来年(2018年)の夏には両館ともオープンします。

チャバシーラを恐怖のどん底に陥れた人形(被爆再現人形)や人影の石はなく、被爆の惨状を表す展示物が減っていました。

代わりに原爆投下によって一瞬にして変わり果てる街をCG(航空写真を元に作られている)で再現した直径5mのホワイトパノラマがありました。

また、原爆や核兵器の脅威についてがわかるタッチパネルがたくさん設置され、全体的に文字や映像で伝える展示が多くなっていました。

しかし、これは実は経過措置。

来年8月にオープンする本館には、被爆の実相をストレートに伝える実物資料をこれまでより多く展示をすることが決まっています。

(被爆再現人形はもうないそうですが。)

また、これからは来館者が本館の展示の見学に多くの時間を費やすような順路にするらしいです。

眠れなくなってしまいそうな人以外は、来年夏以降に訪れるといいでしょう。


その2「おりづるタワー

2016年9月に原爆ドームの近くにできたビルです。

お好み焼きやのおばさまたちに聞いた観光スポットなのですが、入場料が1700円と高く、また原爆ドームを見下ろすということが亡くなった方に失礼ではないかという声があり、おばさまたちはまだ行っていないそうです。

最後まで行くか迷いましたが、最終日の新幹線に乗車する約1時間半前に行ってきました。

結論。

値段はさておき、行く価値はあると思います!!

屋上に上がるとウッドデッキの展望台「ひろしまの丘」があります。

窓ガラスがなく、さわやかな風が通り抜け、心地よい空間ですおねがい

デッキの端でパッと目に入るのは今まで見ていた角度からではない原爆ドームと元安川。

原爆投下から70年は草木も生えないと言われた広島の街が美しく再生し、輝いている中で、ドームだけが戦争を忘れてくれるな、と強烈に訴えてきます。

ウッドデッキで若者が飲み物を片手に談笑する姿は平和そのものです。

彼らも、おそらくここにいる誰もが、いまの平和な暮らしに感謝していることでしょう。

展望ロビーの下の「おりづる広場」には追加で500円払えば(入場時に2200円払う)、折紙を5枚もらえます。

そこで鶴を折り、メッセージを書きます。

このビルの最前面の壁がスケルトンになっていて、スケルトンの壁ともう一枚の壁の間に、人がやっと入れるくらいの隙間があります。 

足元がシースルーでちょっと怖いですが、そこから祈りをこめて折り鶴を穴の中に投入すると、下に向かって折り鶴がクルクルと舞い、壁の隙間にたまっていきます照れ

そしてたまっていく折り鶴はビルの外から見ることができます。

わかりにくいのですが、上段右端の写真が折り鶴を投入するところです。

左側の真ん中の写真(タワーの絵)の下の白っぽくなっている部分は折り鶴がたまっていく場所です。

約50mの壁がいっぱいになるには100万羽の鶴が必要なのだそうです。


帰りは木造のスパイラルスロープ「散歩坂」をゆっくり歩いて下りました。

滑り台もあるので、下りは滑って帰れます。

チャバシーラも年甲斐もなく、一階分だけ滑りました。


意匠をこらした空間を味わえること、スタッフがたくさんいることを考えるとあわせると、料金は高くても仕方がありません。

(学割、訪日外国人割引はあります)

料金の一部はドームの保存事業などにも使われるそうです。

しかし、料金のの高さのせいか、当初の見込の来場者数には遠く達していないようです。

すばらしい場所であるのに、高い高いと言われ、観光客すらあまり来てないのは非常に残念ですショボーン

(昨年度はオバマ効果で、平和記念資料館の来場者数は過去最高だったのに)

1700円+折紙500円についてはやはり見直しが必要かもしれませんね。

まず、足を運んでもらえなければ意味がありませんから。


次回、来年の夏以降に来るときは、壁が一面折り鶴でいっぱいになっているといいなと思います。