2日、衆議院本会議で新年度の予算案が与党の多数で可決されました。憲法の規定上、これで年度内に予算が成立することになります。しかし、この予算をはじめ、鳩山政権の経済対策を続けていけば、低成長、財政悪化の悪循環から抜け出すことはできないといわざるを得ません。


鳩山政権の経済運営については、5つの課題があると思います。


第一は、経済成長と財政再建のマクロ的管理の欠如


第二は、対策なきデフレ宣言


第三は、具体策の無い成長戦略


第四は、経済・財政政策の司令塔不在


第五は、政策決定過程の透明性の確保


こうした課題に真摯に答えていかなければ、政策運営に対する信頼を確立することはできません。これだけの大型予算を組んでも、いずれかの時期に追加の経済対策を打たざるを得なくなるでしょう。


もっとも心配されるのは、日本経済が劣化していくことです。経済の実態を直視せず、行き当たりばったりの政策運営を行い、そして第三の道といいながら中身の無いビジョンを掲げているだけでは、失業者と税金だけが増える事態になりかねません。


政権の中の心ある政治家は、小泉構造改革を支えた人たちにどのような経済政策をやるべきか個人的に教えを乞うているようですが、ぜひとも上記のような課題をふまえたまっとうな政策を国民のためにしてもらいたいものです。