皆さん、こんばんは。岡本です。
今から10分間、ちょっと重い話を聴いていただくので、その前に一つだけ、軽い話を先にしておきます。
この間、ある会社の社長さんがアメリカに行って、契約交渉を行ったんだそうですが、その社長さん、英語がまったく喋れませんでね。秘書が通訳をやったそうです。
2日間交渉をやってね、ついにこの契約がまとまったと。社長さん喜んで最後に立ち上がってね、「俺は英語でご挨拶をする」といったんだそうです。
そこで、通訳をやっていた秘書がびっくりしましてね。うちの社長、英語喋れないはずなのにおかしいな、何を言うんだろうと思ったら、この社長さん「thank you very much」とアメリカ側に言ったそうです。
「thank you very much one please」と言って、そのまま座っちゃったんですって。
アメリカがキョトンとしちゃって、誰も分からない。
そこで秘書役が社長に「社長、さっき、なんておっしゃったんですか」と聞いたらですね、社長さんがですね「なんだ、君の英語もたいしたこと無いな。thank you very much one please 一つよろしくとお願いしたんだ」
私は、そういう話あまり聴いてないんですが、いずれにしても、伊藤さんをone pleaseであります。
そういう、軽いご紹介をしてはいけない。伊藤さんは私にとって、大切な友人でありますし、大変に立派なひとでもあります。
私は、小泉内閣の補佐官をしていた時から、伊藤さんは、金担当の副大臣それから、大臣をおやりになっていて、よく存じ上げていました。
先ほどは、選対本部長さんもおっしゃっていましたけれども、こういう立派なひとを選挙区に抱えて票を投じることが出来る皆さんは、私はうらやましいと思います。
いや、候補者が立派じゃないといっているわけではないですよ。
私の所は、与謝野馨先生ですから、大変立派で、当選していただかなければならないのですが、伊藤さんはその上に、若さと情熱があると、座右の銘というのは、皆さんもご存知でしょうけれども、「成功の要点は、成功するまで続けることにある」というのが、伊藤さんの座右の銘だそうですけれども、あたりまえですよね。成功するまで続ければ、成功する。
しかしこれは、大変に私は、立派な心構えだと思うんですよ。
アフリカのある部族にも同じ話があるそうで、ある部族は雨乞いをすると、絶対に雨が降ってくるってことで有名なんだそうです。
なぜか。この部族は雨が降るまで雨乞をやめないので、必ず雨が降るんだそうです。
努力というものが、最終的に具体的な成果として結実するまで、我々は試みをやめてはいけない。
今これだけの逆風が吹いている。私もこうして選挙の応援に来ることは、あまり無いのですが、今回は居ても立ってたまらなくなり、参りました。
民主党には、いつかは政権をとってもらいたいと思うけれども、しかしまだ、今の未熟さでは、困ると思うんですね。
相当に、やはり、プラットフォームでもなんでも、聞いていますと、無責任なところがあります。
子供一人に26000円の子供手当てを与える。もらえる人はいいでしょう。
しかし、その一方で、増税になる人の方がずっと多いんじゃないですか、いろいろな扶養手当や扶養控除が廃止されますからね。
その子供手当ての総額が、5兆5000億ですよ。皆さん、これ、防衛予算総額よりも大きいんですよ。
先進国の中で、こんな国はありますか。選挙のために、新しい制度を深い議論もしないで、ボーンと思いつきで決める。それが、国家の国防予算の総額よりも大きいんですよ。
一時的な、選挙の為にそれだけ国の財政をめちゃくちゃにしていいのか。
今、民主党の色々なばら色の政策を全部合わせると、16兆8000億になるんですよ。
これは、消費税5%分に相当する。だから、消費税はそれだけでも10%にしなければいけないけれでも、それはやりませんといっている。だったら、どこから財源を持ってくるのか。
今、我々は、国債の増刷でいいやと、こう思っているかもしれないけれども、実はこれ、大変なことだと思います。
ある日、こんなに国債の増刷をしていて、買っていて将来どうなるのかねと、市場が思ったらとたんに、国債の価格が上昇し始める、長期金利が暴騰していく、たいていの会社は、有利子負債という長期の借入金を持っています。
もう会社経営というのは、できなくなる。つまり、日本経済はサドンデスにあうということですよ。
今、すでに、日本の公的債務は地方も合わせて、色々なものもあわせて、GDPの213%です。
いままで、先進国の中で、一番劣等生だと我々が言っていた、イタリアですら、110%ちょいですよ。
このままいくと、あと5年後には、238%になるというのが、IMFの予想ですね。このままでもですよ。
これに民主党のばらまき政策まで加わったら、300%近くなるかも知れない。
GDPの300%も国債を発行すれば、市場はNOを突きつけます。そうすると、我々の経済生活というのは子供手当てどころじゃないですよ。
完全な破綻をきたすことになる、私はこれ大変に恐ろしいですよ。
それから、外交安全保障政策。これは話し出すときりが無いですけれども、民主党の言っていることというは、あまりに未熟だと思うんですね。
あまり、細かいことは言いませんけれども、日米地位協定を改定しろ、改定しろといってますでしょ。
これは「起訴前の容疑者の身柄を、日本の警察に渡せ」これは日本のマスコミに色々なところに出てきますから、皆さんはそのことに象徴されるように、これは日本が相当に不利な立ち場におかれた協定だとお思いになるかと思います。
だけど、そんなことは無いんですよ。
例えば、裁判管轄権の問題、アメリカの軍人が犯した犯罪、これは基地の中で公務として起こした、事件・事故であれば、アメリカの軍法会議にかけられます。
しかし、公務外の犯罪、これは日本の裁判所が裁くことになっています。
だけど、ドイツでは、これも米軍が裁くことになっています。
ですから、アメリカからしてみれば、日本が地位協定を改正しようといえば、それは結構ですよと、ドイツのように裁判管轄権を渡してくださいねとかね。
「今、日本の空で演習するのに空域制限されていて、不自由でしかたありません、もっと、もっとドイツのように、ヨーロッパのように、自由におたくの空を使わせてくれるようにしてください。」と、こう言ってきますよ。
そういうことも、一切比較検討もしないで、地位協定の改正だ、改正だといっている。
しかもね、アメリカは世界中で100本近くの地位協定を結んでいます。
日本と地位協定を改正すれば、ほかの国とのバランス全部に影響しますから、彼らは絶対に改定交渉に応じませんね。
そうすると、日本国民の中に改定交渉拒否を続けるアメリカに対する不信感だけが高まっていく。
そういう基本的なことをどうして知らずに、地位協定の改定だと、こう言うのか。
色々なことがあります。インド洋への派遣というのは、今石破さんが大変に感動的なスピーチをおっしゃったので、もうしません。
しかしね、皆さん。日本の防衛というものは、これは自民党の責任もある。今、どんどん弱くなってきている。
日本の周囲の安全保障状況というのは、悪くなってきている。
北朝鮮のことは、もう言いませんけれども、例えば、中国。この海洋戦略の膨張ぶりというのは、ものすごいんですね。
彼らは、1985年に海洋資源を確保する強大な海軍を作る・航空母艦を建設する、ということを決定しています。
そして、その予定どおりに、粛々といま海軍を拡張して、すでに航空母艦の建造が決められました。
そして、2020年、太平洋は彼らが自由にする海になってくる。
今、中国は62隻の潜水艦を持っています。
そのうちの9隻は原子力潜水艦。積んであるミサイルは、なんと射程8000㎞の核ミサイルですよ。
これが、日本の近海を回っているんですね。
この間、飛んだ北朝鮮のひょろひょろテポドンは3200㎞です。
しかし、中国は、すでにそういう強大な核兵器を持っている。
1998年に彼らは、アメリカに対して「おたくに対しては、核ミサイルの照準をはずします。」という約束をしたんですね。
だから、アメリカに対しては打ちません。じゃあどこに対して打つんですか。台湾とも一カ国あるでしょと。
では、我々はそれに対してどうすればいいのか。
日本にはわずか16隻の潜水艦しかない、それもディーゼル型の潜水艦、それを減らそうというふうになって行きやしないだろうか。
オーストリアという国は大変立派ですよ。
「2030年には太平洋は、中国の海になっているのではないか。我々はそれに対応して、潜水艦隊を20年計画で倍増する」というのを、この間、決定した。
日本一人、能天気ですね。
それで、民主党の5つ約束の中に、国防とか安全保障とか外交というものが何一つ出てこない。
それで、いたずらに対等な関係をアメリカとの間で持つと。対等な関係とは、普通の意味で言えば、アメリカが日本を守る、それを日本もアメリカを守るというのが対等な関係ですよ。
アメリカももちろん、そう言ってくるでしょう。
しかし、それは出来ませんというわけでしょう。しかし、対等な関係をと。
どこか、私はやはり思い付きとか、ちょっと小耳に挟んだ話だけで、政策を形成している民主党には、今の段階では大変な危機感を覚えます。
財政政策も特にそうです。
そこで、伊藤達也さんのように若いけれども、非常にいい感覚を持っている。そして、何よりも、真実の中に飛び込んでいく。
さきほど、ここへ入ってくるときに、入り口に伊藤さんが、ノーネクタイで立っている。
どこの受付のおっさんかと思ったら、伊藤さんなんですよ。
ああいう姿に大変に感動しました。
どうか皆さんのお力で、私は選挙区が違うので、たいしたお手伝いできないので、彼をもう一度、国政の場に戻して、そして、民主党と違う責任を持った日本を作る、その第一線に立たせてあげてほしいと心からお願いします。
皆さんは、もちろん伊藤さんに票を入れて下さると思いますが、それだけでは、足りません。
ご親戚とか、ご友人とか、出来る限りの方々に声をかけていただきたい。
これをお願いして、私の話をやめます。
皆さんどうぞ、伊藤さんをよろしくお願いします。