2009年度予算案が閣議決定されました。国の一般会計総額は88兆5480億円と08年比6.6%増の過去最大の規模となりました。世界経済は、日米欧が同時にマイナス成長に陥り世界デフレが懸念される、まさに緊急事態で、経済混乱を回避しなければなりません。


経済成長と財政再建の好循環をつくりだす。この考えを日本の経済政策にはじめて導入し、経済財政の一体改革を推し進めようとしたのが骨太2006でした。主に行政経費のムダを正す歳出改革、政府のバランスシート改革、成長戦略によって2011年度に国と地方の基礎的財政収支の黒字化を目指しました。


この骨太2006では、経済状況が悪化し、税収が大幅に下振れした場合、目標の設定等を柔軟に変更できる規定を盛り込み、不況時の増税を否定しています。税収が46兆1030億円と3年ぶりに50兆円を大きく下回った今、その柔軟条項を発動して2011年度の黒字化の目標を再設定し、不況下の増税を避けるべきときにあるといえます。


24日、予算案と同時に2011年度から消費税率を引き上げることを明記した「中期プログラム」も閣議決定されました。景気回復の具体的な道筋も、社会保障の将来の絵姿を描くこともなく、ただ数字あわせの議論が先行したのでは、到底、納税者の理解は得られません。公務員制度改革、地方分権改革、社会保障制度改革、労働市場改革など、霞ヶ関のあり方や経済・社会の構造改革もすすめ、少子高齢化のなかでも活力ある社会をつくる努力も忘れてはならないのだと思います。