心の底から嬉しい出来事があった。
先日ららぽーとのエレベーターで、白杖を持ったおじさんと一緒になった。
エレベーターを降りるとその方はまっすぐ柱のほうに向かって歩いていった。
おそらくその柱に白杖が当たったタイミングで彼は方向転換をして、少しずつ先に進むんだろう。
直感で思った。
でも僕は思わず口に出してしまった。
僕
「目の前に柱がありますよ!どちらに向かうのですか?」
彼
「ありがとうございます。駅に向かっているのですがこのまままっすぐでよろしいですか?」
僕
「そのままだと壁に当たってしまうので、少し右です」
彼
「ありがとうございます。では…」
というと、彼は僕の想像以上に右に行ってしまったので
僕
「すみません!!もう少し左です!!」
と言うも、思ったより左に曲がってもらえず…
どうしようと思っていたら、数年前にバリアフリーセミナーで習ったクロックポジションを思い出した。
視覚障害を持つ人は進行方向(目の前)が12時、右が3時、後ろが6時、左が9時と認識するというような事を学んだ。
なので、間違ってるかもしれないしダメ元で勇気を出して言ってみた。
「11時の方向に進んでください!」
すると彼は、えっ!?と驚いたように体を震わせて
「素晴らしい対応をありがとうございました!」
と一言僕に向けてお礼をした後に、まっすぐ駅へと向かって行きました。
声かけって、大事だな。
あと、ちょっとだけでも知るって大事だな。
いつも講演で、声をかけて頂くことがとても助かりますとか言ってるけど、声をかけるってとても勇気のいることだと改めて思った。
僕はたまたまクロックポジションを知っていたから、まだ声がかけやすかったけど何も知らない人からしたらどうしたらいいかわからないよなあ。
うん、やっぱり伝え続けていこう。
僕は、僕なりに。