傍線一報105 | 自遊人のブログ

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文明の衝突と21世紀の日本/   Samuel P.Huntington     鈴木主税 訳 集英社新書

https://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0015-a/

 

p.130

 領土が文明間の断層線を跨ぐ分裂国は、統一の維持という特別な問題に直面する。

 

グローバル化が国境という縛りを解き放つのは、平和の実現には、或る意味いいことだと思っていたら、とんでもない事態が顕著になってしまった。

国民というアイデンティティを喪失した人は、文明・民族・言語・宗教という、国とは別個の括りに所属し、他のグループと国内で争いを起こしてしまった。

事が一旦始まれば、国を超えて支援するグループが出て来て、戦火が拡大する。

結果、国土は荒廃し、国民は深い溝で分断される。

失ったものの大きさに気付いた人は悲嘆にくれ、気付かなかった人は、排除の意識を強くする。

対立だけはなくならない。