Tatsu_Pが語る!僕が全曲サブスク配信を続ける「意外な」理由とは? | Tatsu_Pのブログです

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茨城県に存在する数少ないボカロP、V系ギタリストです。
MIXエンジニア、マスタリング、マーケティングコンサルタントもしてます。

皆さん、こんにちは!Tatsu_Pです。

 

今回は、僕がなぜ今、自分のボカロ曲やコラボ曲を続々とサブスク配信しているのか、その理由を正直にお話ししたいと思います。


「サブスクでしか聴かない人」がいる!認知を広げる最重要ポイント

YouTubeやニコニコ動画でオリジナル曲を発表しているボカロPさんやバンドマン、歌い手さん、VTuberさんは本当に多いですよね。でも、そこから「サブスク配信」までしている人となると、途端に数が減る印象です。

 

でも、**2025年5月現在、サブスク配信はもはや「必須」**だと僕は考えています。

 

なぜなら、人は基本的に、自分が慣れ親しんだプラットフォームから別の場所へ移動してまで、何かを「追いかける」ことはしないからです。

 

X(Twitter)が好きな人はXだけ、Instagramが好きな人はInstagramだけ、という傾向が強いんですよ。

 

僕もXやInstagramでサビのショート動画を公開して「フルバージョンはYouTubeで!」と誘導していますが、そこからわざわざクリックしてまで別の媒体へ来てくれる人は、驚くほど少ないんです。

 

僕のXのデータでは、約5万インプレッションに対してクリックが約250。クリック率はわずか0.5%程度です。この数字からも、プラットフォームを越えた移動の難しさがわかるはずです。

 

 

つまり、「サブスクでしか音楽を聴かない、探さないリスナー」が確実に存在している、ということなんです。

 

この仮説、実際に僕のAmazon Musicのアナリティクスで裏付けられました。533人のリスナーが延べ734回も再生してくれているのですが、驚くべきことに、これらはSNSなどからの「外部流入」ではなく、Amazon Music内から直接見つけてくれたリスナーだったんです。

 

しかも、再生数が多いのは日本ではなく海外の国々。SNSでリーチできていた層とは明らかに異なっていました。

 

「それぞれメインとする媒体でしか聴かない、深掘りしない人が多数いる」

 

この事実こそが、僕が「認知の窓口を増やす」ために、ほぼ全ての持ち曲をサブスク配信している一番の理由です。

 

例えば、SpotifyでTatsu_Pを見つけて、Spotifyだけで聴いてくれているリスナーさんがいる、ということなんですね。


赤字解消&半永久配信!BIG UP!への乗り換え理由

以前はTuneCore Japanを利用していましたが、今年の3月から**BIG UP!**へディストリビューターを乗り換えました。理由はシンプルに一つ。

 

BIG UP!には「無料コース」があるからです。

 

TuneCore Japanは年額制で、シングル(1曲)で約1,551円/年、アルバム(2曲〜)で約5,225円/年がかかります。

 

その代わり、売上収益は100%還元されるモデルです。

 

しかし、僕の場合、正直に言うと売上がその維持費を下回る「赤字」状態でした。

 

もし年間の支払いを更新しなければ、せっかく配信した曲は停止されてしまいます。

 

今の時代、サブスク配信していないと、ライブで会った関係者やこれからファンになってくれるかもしれない人たちに、とっさに自分の作品を教えることができないのは、大きな機会損失です。

 

令和の時代にCDのみ、というのはもったいないですからね。

 

一方で、BIG UP!には2つの配信コースがあります。

 

一つは売上から手数料が引かれる完全無料コース、もう一つはTuneCore Japanと同じく年額制で売上100%還元のコースです。

 

売上が安定しない現状を踏まえ、僕はBIG UP!の無料コースを選びました。

 

このコースなら、たとえ再生数が少なくてもお金は一切かかりません。売れた分から手数料が引かれるだけなので、精神的にすごく楽なんです。

 

そして何より大きいのが、年ごとの支払いが不要なため、配信停止がなく半永久的にサブスク配信が可能なこと。これはアーティストにとって非常に大きなメリットだと感じています。(もちろん、都合が悪くなればいつでも取り下げ可能です。)

 

余談ですが、BIG UP!はエイベックスが母体、僕がメインで使っているAWAもエイベックスとサイバーエージェントが母体です。せっかくなら、純日本産の企業にお金を落としたいという気持ちもありますね。

 


歌い手さんとのコラボ作品をサブスク配信する「最強のメリット」

数年前から、僕は歌い手さんやVTuberさんとのコラボレーションを積極的に行っています。僕のボカロ曲を歌ってみてくれる方には、通常1万円ほどいただくMIXマスタリングを無料で提供する企画を不定期に実施しており、毎回10名ほどがすぐに埋まるほど好評です。

 

これらの「歌ってみた」作品は主にYouTubeとニコニコ動画で発表していましたが、ここで閃いたんです。

**「サブスク配信もしちゃえば、もっと多くの人に届けられるのでは?」**と。

 

Tatsu_P本人が、Tatsu_Pの曲を歌ってくれた歌い手さんとの作品をサブスク配信すれば、それが「公式音源」になります。

 

さらに、サブスクの売上は、システム側でTatsu_Pと歌い手さんで自動的に分配設定ができるんです。

  • 無料でサブスク配信できる
  • 少なからず歌唱印税も配分される
  • 活動の露出が増やせる
  • Tatsu_P公認だから権利関係もクリア(権利はJASRACとTatsu_Pが保有)

これだけメリットだらけの提案なので、お声かけした歌い手さんたちは皆さん快く引き受けてくださいました。

 

歌ってみたでコラボしているボカロPと歌い手さんは多いですが、サブスク配信までしているケースはまだまだ少ないはず。これは、活動における強力な差別化にもなると考えています。

 


サブスクは「音楽に集中できる」最高のツール!

ここ数ヶ月、僕自身もサブスクで色々な曲を聴き漁っていますが、使ってみて改めてその「便利さ」を痛感しています。

 

僕はSpotifyとAWAをメインに使っていますが、実際に使ってみると、YouTubeやニコニコ動画とはまた違ったアルゴリズムが働いていて、これまで出会えなかった音楽やアーティストに巡り合えるんです。

 

音質もYouTubeより良いですし、動画がなくても配信できる。良いことづくめです。

 

もちろんMV文化を否定するわけではありませんが、僕の世代はMVを観るのが難しかった時代です。今は簡単に観れますし、ボカロや歌い手界隈ではMVまでセット、という流れも理解できます。

 

ただ、僕としては、音楽そのものが100%であって、MVで120%になる、そんな存在であってほしいと思っています。あくまで音楽そのものが主役であってほしい。

 

きっと僕と同じように、純粋に「音」に集中して音楽を楽しみたいと考えているリスナーもいるはずです。そんな層には、ジャケット写真とwav音源があれば配信できるサブスクは、まさに最高のツール。リスナーとしても音だけに集中できる。

 

最高じゃないですか!


まとめ

というわけで、僕Tatsu_Pは、今後もボカロオリジナル曲、そして歌い手さんやVTuberさんとのコラボ曲を、続々とサブスク配信していきます!

 

長々と読んでくださり、本当にありがとうございました!これからもTatsu_Pの音楽と活動にぜひご注目くださいね!