「昔の大人って、今よりも無駄にキレる人が多かった気がする…」
そう感じている40代の方は、私だけではないはずです。
特に90年代、私が子供の頃は、些細なことで怒鳴り散らす大人、すぐに暴力を振るう大人…そんな光景が日常茶飯事でした。
しかし、なぜ昔の大人たちは、あんなにもキレやすかったのでしょうか?
自身の体験と考察を元に、当時の社会背景や心理状況を紐解きながら、現代社会との比較を通して考えていきたいと思います。
90年代は「キレた者勝ち」?パワハラ横行の時代
今では考えられませんが、90年代はパワハラという言葉すら存在せず、「キレた者勝ち」のような風潮がありました。
子供の意見なんて聞く耳を持たず、気に入らなければ怒鳴り、暴力を振るう。
そんな大人が多かったように思います。
「大人は絶対」「子供は黙って従え」
そんな価値観が当たり前で、子供ながらに理不尽さを感じていました。
しかし、現代はパワハラ防止の意識も高まり、暴力や大声で威圧するような行為は社会的に許されません。
一見平和になったように思えますが、ネット上では言葉の暴力が横行し、匿名性を盾にした誹謗中傷が後を絶ちません。
「自分が殴られるかもしれない」という危機感がないからこそ、過激な言動に走ってしまうのかもしれません。
なぜ昔の大人たちはキレやすかったのか?3つの要因を考察
では、なぜ昔の大人たちは、あんなにもキレやすかったのでしょうか?
考えられる要因は、大きく分けて以下の3つです。
-
社会全体の余裕のなさ
- 当時は週休2日制が浸透しておらず、長時間労働が当たり前
- 残業や休日出勤も多く、ストレスが溜まりやすい環境
- 現代に比べて精神的な余裕がなかった
-
ストレス発散の手段の欠如
- 現代のように多様な娯楽やストレス解消法がなかった
- ストレスのはけ口がなく、家庭内や子供に当たり散らす人がいた
-
価値観の未熟さ
- パワハラや体罰に対する意識が低く、感情的な行動を抑制できなかった
- コミュニケーション能力が低く、建設的な対話ができなかった
これらの要因が複合的に絡み合い、昔の大人たちのキレやすさにつながっていたと考えられます。
負の連鎖を断ち切るために
私も子供の頃、親や教師によく怒鳴られ、時には叩かれることもありました。
その経験から、「こんな大人には絶対になりたくない」と強く思いました。
そして、親となり、子育てをする中で、過去の経験が自分の言動に影響を与えていることに気づきました。
虐待を受けた人が、自分の子供にも虐待をしてしまうように、負の連鎖は連鎖すると言います。
しかし、それに気づき、意識することで、連鎖は断ち切ることができます。
私は、子供たちに同じような傷を残したくないと思い、過去の経験と向き合い、自分自身を変える努力をしました。
大切なのは「叱ること」と「怒ること」の違いを理解すること
もちろん、子供が悪いことをした時は、きちんと叱る必要があります。
しかし、八つ当たりや必要以上の恫喝は、子供の心を深く傷つけます。
大切なのは、「叱ること」と「怒ること」の違いを理解することです。
- 叱ること: 子供の成長を願い、改善を促すための建設的な行為
- 怒ること: 自分の感情を爆発させ、相手を傷つけるだけの破壊的な行為
子供の成長に必要なのは、感情的な怒りではなく、愛情に基づいた叱咤激励です。
おわりに:理不尽な大人にならないために
昔の大人たちの理不尽な行動は、社会全体の未熟さの表れでもありました。
しかし、時代が変わった今、私たち大人は過去の教訓を活かし、より良い社会を築いていく責任があります。
子供たちにとって、安心できる存在であるために、感情のコントロール、コミュニケーション能力の向上、そして何より、子供たちの気持ちに寄り添う姿勢を大切にしていきたいものです。
この記事が、過去の経験と向き合い、より良い未来を築くための一助となれば幸いです。