箱根と深海魚の旅part27

~超老舗のういろうを買う!!~

 

 

 

 本編の前に我が家のプチネタ。

 

 今日のお題は「ももたは靴下好き」

 

 まあ誰のものでもいいというわけではなく。

 

 ほぼほぼ妻のヤツ限定のお話。

 

これはボクのもんです

ボクがゲットしたんだから

誰が何と言おうとボクのもん

 

…しばらくもてあそんで

さんざんに堪能したあげく

一緒に寝始めるももた

 

 飼い主のにおいが強烈に染みついてるものなんで。

 

 ももたにはさぞお宝なんでありましょう。

 

 ちゃんちゃん。

 

 

 

 旅行3日目、午前10時前、現在位置は神奈川県の真鶴岬。

 

 今日の観光のメインは昨日に引き続いて箱根になるんで。

 

 このまま湯河原や熱海辺りまで行ってから箱根峠にのぼっていく、というルートも考えられなくはないんだが。

 

 道路の走りやすさとか途中の寄り道の魅力度などから考えて。

 

 小田原まで戻って、国道1号線を通るルートをとることにする。

 

 …ということで。

 

 とりあえず目指すのは小田原市の超老舗和菓子屋?の「ういろう」さんだ。

 

 135号線を東に戻って行く。

 

 今日の日差しはきっつい。

 

 道の先、はるか遠くの海岸線に都会っぽいビル群とかが見えているんだが。

 

 いずれ平塚、茅ケ崎、藤沢といったひとつながりの街の一部になるんだろう。

 

 江の島も見えているのかもしれんが、この辺の地理なんてさっぱりの旅読には一体どこがどこなのやら分からん。

 

 …ほどなくと~ちゃ~く。

 

 しっかり街中の場所にあるんだが、駐車場は十分に広く、停めやすい。

 

これがお店

昔の大邸宅という雰囲気

 

 有名な神社建築なんかにも使われている、昔から続く八棟造りの建物。

 

 小田原で最初にういろう作りを始めたのが1520年代らしいんで、もうざっと1000年ほどの歴史を持っていることになる超老舗さんだ(後述するが、最初はお菓子のういろうを作っていたわけではない)。

 

 1000年ってスゴイ!!!!

 

 ここの経営者は外郎(ういろう)という名字のおうちなのだが、現在の当主さんはその25代目にあたるそうだ(今は断絶した京都の外郎家が本家筋となり、ここ小田原のは分家筋)。

 

 もともとは陳延祐さんという方が、内乱から逃れるために中国(元朝)から博多に亡命して来られたことが発端で。

 

 帰化した折に、元朝での役職名だった「外郎」を名乗られたらしい。

 

 役目がら医術に長けた人だったらしく、そのスキルを受け継いだ陳さんの子どもは朝廷に仕え、「透頂香(とうちんこう)」という薬を作り始めるのだが。

 

 一般的な愛称として「ういろう」という呼び名の方が広まっていった。

 

 また、中国からやって来た使節を接待する役をもらった折に、おもてなしをするためにとひとつのお菓子を創案し。

 

 その後も外郎家のお客さんに同じものを供応していたのがだんだんと評判になっていって、ついにはこれも商売品となったのだが。

 

 なんでだか知らんがそっちの方も「ういろう」と、おんなじ名前で呼ばれるようになってしまう。

 

 当時、薬の「ういろう」を飲んだ時の口直しにと供されることもあったようなので、もしかしたら薬とお菓子のをセットにして「ういろう」だと世間では捉えられていたのかもしれない。

 

 でも昔の人の中にもとまどう人はいたんだろう。

 

 有名な江戸時代の滑稽本「東海道中膝栗毛」では喜多さんが間違えて薬のういろうを食べてしまい、その苦さに思わず顔をしかめるなんていうシーンがあったりする。

 

こっちはお薬のういろう

作られてるのはここだけ

 

こっちはお菓子のういろう

5種類並んでいた

あまり宣伝等に注力されておらず

全国的な知名度はさほどない

 

歌舞伎の「外郎売」関連の

人形や羽子板などなど

薬の方のういろうの話ね

 

目を引くのは

弥次さん喜多さんの人形と

山名神社の蟷螂頭(とうろうがしら)

 

 蟷螂頭というのはつまりカマキリの被り物で、これをかぶって祭礼の舞を舞うわけだ。

 

 これの大元は京都の祇園祭の山鉾巡行の中でも有名な蟷螂山。

 

 これも、ういろうを作り出し外郎家の基礎を築いたあの二代目の陳さんが作り出したものらしいんだが。

 

 小田原の外郎家が京都から移り住もうとした際にしばらく滞在させてもらった場所に。

 

 祇園祭の祭礼の舞を伝えていったものが今に残っているんだそうだ。

 

 「なんでお祭りにカマキリが出てくんの?」ってことだが。

 

 「蟷螂の斧」の故事よろしく、カマキリってやつはどんな相手にだって逃げることなくきっちりとファイティングポーズをとってくるヤツなんで。

 

 たぶん勇壮活発なお祭りのイメージにぴったりだと考えられたんだろうと思う。

 

 …ということで。

 

 せっかくなんで薬のういろうをはじめ、いろいろと買わせていただく。

 

 お客さんは次々と訪れており、かなり繁盛しているんだが。

 

 どうも客の大半は常連さんたちのようで、あんまり品物をきょろきょろしたりなんかせず、自分たちの目的の物だけをしゃんしゃんと買っていかれてるみたいだ。

 

 老舗ってこういう感じなんだろうなぁ~。

 

 最後に店の人に言って、「外郎博物館」を見せていただく。

 

 店の裏手の蔵の中に、この店ゆかりの歴史ある品々が展示してあるのだ。

 

 希望したら見せてもらうことが出来る。

 

 残念ながら撮影はNG。う~ん残念からげる。

 

 案内してくださった方、ありがとうございましたぁ。

 

その蔵(たぶんそうだと思う)を

塀の外側から撮ってみた

 

すぐに食べようと思って

期間限定のさくら餅

うまかったで~す

 

…でもってこれがおみやげ

薬のういろう「透頂香」

お菓子のういろうは小豆あん

それと唐饅頭(とうまんじゅう)

 

 お菓子のういろうをあんまりご存知じゃない方のためにちょこっと書いておくと。

 

 基本は米粉に砂糖とお湯を加えて練り上げ、型に入れて蒸しあげたものだ。

 

 各地でいろ~んなういろうが作られてるんで、米粉の代わりに小麦粉・わらび粉が使われたり一緒に混ぜられたりしてるものもさまざま。

 

 まあ、見た目はぶよぶよもっちりとした羊羹て感じだ。

 

 ここのはあっさり味。シンプルで飽きの来ない味って言う方がいいかな。

 

 あと、薬のういろうの方だが。

 

 見た目はそのまんま仁丹だ。

 

 中の説明書を見ると、薬用人参や甘草、じゃ香などが配合されているらしいが、そのほかにも「未だ科学的には知られていない良効ある生薬十余種」が含まれているらしい。

 

 何が入ってるんだろう、ドキドキ。

 

 極めつけは「用法」の欄の記述で。

 

 人間はともかくとして、なななんと牛や馬には40~60粒を犬猫には5~20粒をニワトリには1~10粒を水に溶かして与えなさいなどと書いてある!!

 

 これはちょっとスゴイんじゃないだろうか。

 

 「ういろう」あなどりがたし!!

 

 ももたが調子悪いとき、ちょっと飲ませてみよっかなぁ(妻が反対しそうな感じではあるな)。

 

 

 

 今日はここまで。

 

 次回のうPは旅日記の続きです。

 

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