思いついたらドラマ日和86
~攻殻機動隊Sを語ろう20~
本編の前に我が家のプチネタ。
今日のお題は「ももた、うとうと3」。
妻がやって来て、ももたのすぐ横に座ったんで。
「なでなでしてくで~」とばかりにお腹を見せるももたです。
むは~っ、これはタマらん
快感にもだえるももた
空は晴れて、いい天気。
お腹をかいぐりしてもらって、天国に行っちゃうももたでありました。
ちゃんちゃん。
閑話休題。
「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX」のレビュー20回目。
第20話「消された薬」についてやります。
久しぶりに笑い男に関連したエピソード。
ただ…2話続きのエピソードなんで、20話ではそれほど笑い男に迫っていくわけではありません。
第11話「亜成虫の森で」に続き、トグサが大活躍する回でもあります。
周囲に人間なんてはるかに超えている連中がいるせいで、いまいちトグサ君は地味~な感じになっちゃっているのだが。
それでも常人のレベルからすると十分に超人と言えるようなアクションを見せてくれちゃいます。
でもまあ途中で「義体化しとけばよかったかな」なんていう弱音ともとれるセリフを吐く場面も…。
話の内容を超まとめて言うと。
厚生省の闇の部分をのぞいてしまったトグサ君がエラい目に遭っちゃう!!!!
がんばれ、トグサ!!!!
というわけで。
例によってストーリー解説の前の攻殻機動隊よもやま話。
今回はもちろんトグサ君について。
前に大体のところは説明しちゃってるんで、出来るだけかぶりがないように気を付けて書いていきまっしょい。
まず、かなりの正義漢であること。
草薙からは「青臭い」と言われるくらいにまっすぐであり、清濁併せ吞むなんていう真似は出来ないようなヤツ。
なんでも「笑い男」の正義感は、「大人になる前のトグサ少年だったらこういう正義感を持っていたんじゃないか」という感じで設定されたんだそうだ。
家庭はすごく円満。
奥さんは見るからに優しそうで、不規則な仕事に対しても理解してくれており(公安9課は公の組織ではないので、トグサは民間の警備会社だと嘘の説明をしている)、家事もきっちりとこなしているようだ。
ちなみに声の担当はタチコマの声の人とおんなじ。
さすがプロ、声の使い分けはばっちりだ。
子どもは一男一女らしい。
家はタワマンのような高層の集合住宅。
愛用してる銃はイタリアのマテバ社製のリボルバー。
ご存知ない向きのために少しだけ解説すると、弾倉が回転式のシリンダーになっていて、1発撃つごとにちょっとずつ回るってのがリボルバー。
連発銃としてはかなり初期の方式であり、現在外国の警察ではほとんどリボルバーは使われていないが、日本の警察ではいまだに現役だ。
もちろん9課の中でリボルバーを使っているのはトグサだけ。
9課の正式な銃でなく、一度にたくさんは発射出来ず、次弾を装填する時間もかかるため、草薙などからはオートマチックの拳銃に替えるよう勧められている。
トグサのこだわりはただ一点のみで。
「リボルバーの方が命中精度が高いから」ということらしい。
いかにも仕事人っぽいぞ!!
20話のストーリーに移ろう。
まず冒頭。
お掃除のおばさんが何気に厚生省の書類キャビネットからファイルを1冊抜き取り、運搬カーゴに入れて、そのまま持って行く。
あまりに普通の動きなので誰も怪しまないところがちょっと恐ろしい。
公園まで運んで行ったおばさんはそこで初めてそのファイルを認識したように「あらやだ」なんぞと言い、近くのゴミ箱の上に置いてそのまま立ち去り。
そのあと、別の手がファイルを持ち去って行く。
どうやらおばさんは何者かに電脳をハッキングされ、操られていたらしい。
見慣れぬファイルに気付くオバさん
ハッキングが解けたのか?
(©神山健治/Production I.G)
別の日。
先にも書いた第11話の件などから、「どうも厚生省には隠しておきたい闇の部分がある」と疑惑を深めている公安9課では。
どううまくやったのか分からないが(厚生省に知れたらまずいハズなので)、事務担当者の電脳チェックなどしていたのだが。
…何も怪しいところは見当たらない。
手がかりを求め、自分の家に帰っても熱心に「ライ麦畑でつかまえて」の本を読み込むトグサ。
11話で潜入捜査した授産施設で見た「ライ麦畑でつかまえて」の一節から、笑い男自身が6年もの沈黙を破って再び世に出るべきかどうか思い悩んでいたらしいこと。
彼が授産施設から何度も厚生省にハッキングを試みていたのは。
超一流のハッカーとして自在に情報を操れることもあって、いくらでも書き換え可能な電子データにはあまり価値を認められず。
厚生省が保存している紙媒体の資料こそを手に入れることが目的だったのではないか、ということ。
などを推理する。
トグサの話し相手は草薙
自分の推理を話している
サリンジャーは「ライ麦畑…」の作者
(©神山健治/Production I.G)
厚生省に出向いての捜査を草薙に願い出るトグサ。
自らが独断専行型でもある草薙はその申し出を認め、「あなたもゴーストがささやくようになって来たのかしらね」と言う。
「ゴーストのささやき」ってのは、この場合第六感とか虫の知らせとかいうのとおんなじようなもんだ。
厚生省の資料保管庫で(厚生省はよくOKしたなぁ)、たっくさんの書類キャビネットを調べ回ったトグサは。
「村井ワクチン接種者リスト」がなくなっていることを突き止める。
村井ワクチンというのは。
「21世紀の不治の病」と言われた電脳硬化症の特効薬として開発された薬だ。
既に10年ほど昔の話になる。
だが当時の世の中は実用化寸前だったマイクロマシンによる治療法だけでやっていこうとする考えが主流を占めており。
今さら薬などに頼るのは時代から逆行してるとも考えられて。
結局村井ワクチンは不認可となってしまったのだった。
ただし、この話には続きがあり。
政府は、特定の患者に実験的に使う場合のみ認可という裁定を、一般には非公開で下していたらしい。
実は村井ワクチンの効果を暗に認めてはいたってことなんだろうな。
だから。
一般的には存在しないハズの村井ワクチンの接種者が実際には存在していて。
その接種者のファイルが厚生省に保管されていたってことになる。
それが紛失してることが分かった今、これからの捜査をどうやって続けていけばいいのか??
トグサは「ひまわりの会」という、過去に村井ワクチンについて政府に情報開示請求などを行って来たNPO法人に目を付け、さっそく出向いて行く。
ひまわりの会のwebページ
ひまわりの顔が笑い男のマークそっくり
(©神山健治/Production I.G)
トグサは、父が電脳硬化症で亡くなったのを嘆くフリーのジャーナリストということにして、会の代表と会い、いろいろと話を聞く。
代表はトグサを信用し、「最近手に入れたんですが」と言ってある書類を見せてくれる。
それはなくなったハズの「村井ワクチン接種者リスト」!!
そのリストの中には、村井ワクチンを不認可にした一番の責任者、中央薬事審議会理事長だった今来栖(いまくるす)の名前まであった!!
なんとこのファイルを送り付けて来たのは今来栖本人で。
「効果があると知っていながら今まで黙殺し続けて来たのにはわけがある、私はもう疲れた、司法の元でその理由を語る用意がある」と約束までしたんだそうだ。
…そのとき、電気が消え、銃声が響く。
厚生省医薬局麻薬対策強制介入班(通称マトリ)が乱入して来たのだ。
よくもまあトグサの立ち入り調査を認めたもんだと思っていたが、やっぱりトグサはず~っと厚生省に泳がされていたらしい。
マトリのリーダー:安岡
かなり凶悪なやつ
もちろん全身義体化している
(©神山健治/Production I.G)
代表を逃がし、集団相手に単独で立ち向かうトグサ。
ほとんど生身の体なのに、さすが9課の精鋭、といった立ち回りを見せる。
…が多勢に無勢。
右胸に被弾したトグサは命からがら脱出する。
トグサのアクションシーン
しかも重傷を負っている
(©神山健治/Production I.G)
窓を撃ち、そのまま窓から飛び出し(4階ぐらいだと思う)、いったんは空中で鉄橋につかまり、そこを撃たれてそのまま落下…。
下には敵方のトラックがいて、多少でも緩衝材の役目を果たしてくれてなければ、そのまま死んでるか死んでなくても身動きなど出来ない状態になっていただろう。
ダイ・ハードみたいだ。
一方。
トグサが懸命に逃がそうとした代表もやつらの手にかかって殺されてしまい、ファイルはマトリの手に渡ってしまう。
だが、当のファイルはコピーであり、原本ではなかった!!
うん、なかなかに用意周到。
マトリのボスである厚生省の医薬局長はすぐに今来栖に連絡。
「おまえが原本を持ってるのか!!!」とただす。
「誰かが私の名前をかたっているだけだ、信じてくれ」と今来栖。
左が局長の男
モニター画面が今来栖だ
(©神山健治/Production I.G)
そのころ…。
なんとか逃げ切り、雑踏の中に出て来たトグサ。
力尽きて倒れてしまう。
「少佐(草薙のこと)、課長…やられちゃいました」
つぶやいて、意識を失う。
倒れているトグサ
人が普通に歩いてる
(©神山健治/Production I.G)
行き過ぎる人の中にはトグサのことを多少気にしてる人もいるかな、ってぐらい。
コワい世の中だなぁ。
しとしと雨が降り続く音…で、エンディング。
一瞬、えっ、ここで終わるの!?っていう感じだ。
たぶんトグサは大丈夫なハズだが…。
ああ、もやっとするぅ。
今日はここまで。
次回のうpはたぶん今回の続きです。