思いついたらドラマ日和83
~攻殻機動隊Sを語ろう17~
本編の前に我が家のプチネタ。
今日のお題は「ももた、春の装い」。
ワンちゃんのお洋服メーカーRADICAのセールでゲットしたもの。
あったかそうな裏起毛で、表面を31℃にキープしようとする機能付き。
顔つきはいまいちサエない
着慣れないせいか?
袖の長さが中途半端で、ちょっと着せにくい。
まっ、かわいいのはかわいいのでよしとする。
ちゃんちゃん。
閑話休題。
「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX」のレビュー17回目。
第17話「未完成ラブロマンスの真相」についてやります。
今回のお話のメインはなんとなんとの荒巻課長。
このお話、全26話の中でもかなり好きな方だ。
派手なドンパチや華麗なアクションも悪くはないんだが。
そればっかでは、やっぱ単調。
その点、今回みたく。
圧倒的な「悪」によって窮地に追い込まれながらも、知恵を巡らせ工夫を凝らすことによって、現状を打開していく、って話はすんごく好みだ。
個人的にかなりオススメの回なんで、いまだ未見で、これから見てみよっかなぁ~なんていう気がちょっとでもある人は。
このあとやっていく盛大なネタバレ部分は先に読まないでいた方がより楽しめるかと思いまぁす。
ということで。
今回の攻殻機動隊よもやま話も当然、荒巻課長について。
エンディングでの荒巻課長
機内で新聞を広げてる?
(©神山健治/Production I.G)
フルネームは荒巻大輔。たぶん本名。
見た目は60歳以上にしか見えないが、公務員としてばりばり働いていること、同期らしい友人の姿かたちなどから見て、たぶん60に近いギリ50代であるようだ。
まあ「サザエさん」の波平が54歳ってのに比べたら、しぶしぶ納得って感じか。
身長は153㎝で、そうがっちりしたガタイでもなく、これでずっと軍情報部の第一線でやって来たということは。
きっと体格のハンデなんかをものともしないくらいの知力・体力が秘められてるってことなんだろう。
電脳化はしているが(してなかったら部下と連絡がとれないので)、義体化はしていない。
これまでのお話では。
主に政治的な対処を素早く行って、草薙たちの活躍を裏でしっかり支えてるって感じだった。
第3話で、外交特権を放棄させて外国の大使の息子を逮捕出来るようにしたところなんかがその顕著な例だ。
たぶん政治の中枢に近いところに強固な人脈を持ってたりするんだろう。
アニメには出て来ないが、作戦行動のため、草薙たちがやらかした破壊行為、暴力行為などのもろもろの後始末もふだんからやっているんだろう。
部下を信頼し、9課の課員たちからも信頼されているようだ。
特に草薙素子に対しては厚い信頼を寄せており、彼女の単独別行動をとがめず、容認するような言動をとっている。
それでいて9課をきっちりまとめているんだからたいしたもの。
それとは関係ないが。
ハリウッドが映画化した攻殻機動隊では、たけしが荒巻課長を演じたんだが。
ちょ~っと違和感ありありだったなぁ。
17話のストーリーに移ろう。
国際テロ対策会議出席のため、イギリスにやって来ている荒巻と草薙。
荒巻は用事がすんだあと、「昔なじみ」に会いに行く。
お相手は銀行でワイン投資を行っている、シーモアという妙齢の美しい女性。
2年前に政界を離れて渡英したというから、彼女が政界にいた頃に荒巻と何らかのつながりがあったのに違いない。
お茶を入れてくれる彼女の左手薬指にすぐ視線がいくところをみると、それなりに好意を寄せていた相手だったんだろうな、と想像はつく。
彼女には頼み事があった
それも荒巻向きのやつ
(©神山健治/Production I.G)
シーモアが荒巻と会って話したいという要件は。
自分のやっているワイン投資が、どうやらマフィアの資金洗浄に利用されているらしいのだが。
見つけた裏帳簿らしきファイルは自分の力では開くことが出来ず。
銀行とマフィアとを仲介しているハズの第三者も誰なのか皆目分からない。
なので、一緒に探してくれないか、というものだった。
それに対して。
イギリスは管轄外だし、私情で動くわけにはいかない、とあっさり断る荒巻。
「あなたの口癖だったわよね、そっか」とあっさり引き下がるシーモア。
さすがおっさんは考えが固い!!
だが事態は否応なしに荒巻を荒々しく巻き込んでいくことになる。
厄介ごとがやって来た
銀行に侵入しようとする強盗たち
(©神山健治/Production I.G)
警備員を気絶させ、一気に押し入って来る強盗たち。
銃を突きつけ、荒巻とシーモアを縛り上げる。
そしてPCにアクセス、シーモアも見つけた裏帳簿のファイルを開き、ダウンロードする。
どうやら強盗は元マフィアで、組織を抜けてうまい汁だけ吸ってやろうと企んでいるらしい。
と、そこに鳴り響くパトカーのサイレン音。窓から差し込む投光器の光。
まだ誰も通報はしていない。
銀行の裏帳簿への不正アクセスがあっただけなのに、なぜ警察がいち早く気付いて駆けつけて来てるのか。
荒巻は外をうかがう強盗の片割れに対して「ちょっと来い、うすのろ」と呼び付ける。
強盗を助けるためだ。
果たして…その直後に狙撃があり、窓ガラスが吹っ飛ぶ。
うろたえる強盗たち。
もろもろの状況から荒巻は警察こそがマフィアとつるんでいる黒幕だったのだと推理する。
証拠隠しのため、警察は事故に見せかけてここにいる者全員を殺すつもりでいるに違いない。
荒巻「(強盗たちに)落ち着け、お前たちの持っている武器と地図を提供しろ、わしは知恵を提供する、作戦を立てるぞ!!」
いつもは裏方の荒巻課長
頼もしすぎるぞ
(©神山健治/Production I.G)
こういうとこ、ワクワクする!!荒巻Gさん、かっこいい!!
ということで。
彼らのとった行動は…。
① シャッターを降ろす
② 手りゅう弾をドアに仕掛ける
③ 気絶してる警備員に爆弾を仕掛ける
②は見破られて回避されるのを想定済み。
③はどういうことかと言うと、警備員さんをわざわざ地下室にまで運び(上の部屋だと警察の突入時にけがをする恐れがあるため)、地下水路のフタの上に置いて(地下水路に逃げたと思わせるため)、ただの目覚まし時計にビニール導線を適当に巻いたものをそれらしくセットしている。
どちらも時間かせぎの策だ。
強盗A「あのじじい、なんでこんなに手際がいいんだ」
強盗B「知るかよ、そんなこと」
ちなみに、荒巻を迎えに来た草薙はいち早くマスコミに情報を流し、マスコミに現場の中継をさせたりすることで、警察の勝手な動きに牽制をかけている。
…てことで、満を持して警察突入!!!!
だが、銀行の中は警備員以外はもぬけの殻。
地下水路もくまなく捜索されたが、居所等は全くつかめず。
荒巻たちはどこへ行ったのか?
…数時間後。
現場である銀行の見張り役が交代するが、これは実は草薙の変装。
部屋に入った草薙はたちまちのうちに隠れていた荒巻たちを見つけ出す。
草薙「私が気付かなかったらどうするつもりだったの?」
狭いとこなんで窮屈そうだ
荒巻Gさん、いい位置にいるな
(©神山健治/Production I.G)
荒巻の草薙に対する信頼の深さが分かる言葉。
この隠れ場所については前フリがちゃんとあり。
強盗たちが金庫のワインセラーの中を探すものの、ビンテージ中のビンテージ、超貴重なワインは金庫の中にはしまわれていず、「なぜ肝心のやつがないんだ!」と怒り狂う場面があったのだ。
実は隠しワインセラーなるものがあって、荒巻たちはそこに隠れていたらしい。
まあ時間が経てばバレてしまう場所ではあったろうから、草薙が早々に見つけ出してくれて大正解、といったところだろう。
ちなみに強盗たちはダウンロードしたデータと引き換えに無罪放免。
「管轄外」だからだそうだ。
…その後。
警察署長のところに乗り込む荒巻と草薙。
たぶん警察組織のどこまでが事件に関与してるのかっていう見極めもついたってことなんだろう。
これが目にはいらぬかってやつ
草薙が格さんの役だ
(©神山健治/Production I.G)
そして…。
礼を言い、「帰国を延ばすことは出来ないの?」というシーモアに「残して来た仕事が山積みなんだ」とやんわり断る荒巻。
薬指の指輪もただの男避けで、結婚してないって分かったのに、かっこつけGさんだな、おい。
結局シーモアの個人的なコレクションだというワインだけ受け取る荒巻。
硬派を貫く荒巻
これでよかったのか?!
(©神山健治/Production I.G)
ホテルに戻る車中。
草薙「私は別に帰国を延ばしてくれても構わないのよ」
荒巻「熟成に時間のかかる人間関係もある、気を使うな」
このセリフ、かっこいい。
だがちょ~っと照れはあったんだろう、小さく咳払いして言う。
荒巻「このワインを持って税関は通れん、ホテルに帰ったら一杯付き合え」
草薙「ちょうどよかった、昼間これ買っといたの」
手に持っているのはワインオープナー!!
ゾーリンゲンの有名な刃物メーカー、ツヴァイリング・ヘンケルスのやつを荒巻へのプレゼントのために買っていたのだ。
荒巻「さすがだな」
車が走り出したところでエンディング。
今日はここまで。
次回のうpはたぶん今回の続きです。