思いついたらドラマ日和81
~攻殻機動隊Sを語ろう15~
本編の前に我が家のプチネタ。
今日のお題は「ももた君、寝不足ですか?2」。
前の写真と同じじゃん、と思ったアナタ!
違いますっ。
よく見ると分かりますが、こっちのはすこ~し目を開けてます。
まったく、こっちは
寝てるんだっつ~の
痩せても枯れてもワンコ。
やっぱりシャッター音で目を覚ましましたぁ。
閑話休題。
「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX」のレビュー15回目。
第15話「機械たちの時間」についてやります。
今回はほとんど丸々タチコマたちについてのお話。
前にも書いたようにたぶんそういう設定をされてたってことだろうが。
どんどんいろんな知識を吸収していき、最近急速に変化を遂げているタチコマ。
何やら個性とでも呼べるようなものを身に付け始めたようにも見える。
草薙たちが予期していなかった言動を見せることもままある。
だが。
タチコマたちに求められるのは、常に使命をきっちりと果たすこと。
それ以外にはありえない。
9課が取り組んでいるのは危険な任務ばかりであり、ときには国や大勢の人たちの命運さえ決してしまうような超重要な案件のこともある。
ほんのわずかでも勝手な行動をとる恐れがあるような、不安を抱えたロボットなど使うことは出来ないのだ。
そこのところを慎重に見極めようとする草薙。
果たしてどうなるか…ってお話です。
今回の攻殻機動隊よもやま話は。
公安9課の課員の一人、サイトーについて。
あんまり出番がないんでセリフが少ないうえ、狙撃に関しては超一流の腕を持っているため。
こいつゴルゴ13か!?と思ってしまうようなやつ。
エンディングのひとコマ
左からトグサ、サイトー、イシカワ
前に置かれたチップがすごい
(©神山健治/Production I.G)
9課の中では、トグサに次いで義体化率は低く、生身の部分をたくさん残している。
義体化してるのは左腕と普段は眼帯をしてる左目のみ。
左目は「鷹の目」と呼ばれる義眼であり、衛星とリンクすることで、射程圏内であればたとえ相手が遮蔽物に隠れていたとしても正確に照準し、狙撃することが可能。
恐ろしい腕前だ。
傭兵あがりで、今までに多くの修羅場を潜り抜けて来たらしい。
草薙素子との戦いに負け、彼女に9課にスカウトされたという話もある。
今までの経験からなのか心理的な駆け引きにたけており。
上の画像のように。
ポーカーゲームなどにもめっぽう強いところを見せる。
うん渋い、かっこいい。
いかにも仕事人って感じがいい!!
15話のストーリーに移ろう。
狙撃システムが組み込まれた狙撃に特化したヘリで、実戦に向けたテストが行われている。
もちろん試してるのはサイトー
職人さんのようなお言葉
(©神山健治/Production I.G)
目標物を捉えはしたんだが、サイトーの指はすんなり引き金を引けず。
ちょ~っと引っかかりがあるような指の動きだった。
サイトー曰く「システムから何かの干渉を受ける感じがする」んだそう。
…テスト終了後。
本部に戻って来たサイトーたちを好奇心いっぱいで迎えるタチコマたち。
狙撃システムのAIについてあれこれ何でも知りたいようだ。
何かよからぬことを企んでるみたい。
友達みたいな感じでお出迎え
なれなれしい
(©神山健治/Production I.G)
そんなタチコマたちの様子を、ハンガー内の上部の部屋から眺めている草薙。
今の状態のまま、タチコマたちを公安9課に置いておいていいものかどうか、思案しているらしい。
タチコマを観察する草薙
彼女は常にクールだ
(©神山健治/Production I.G)
タチコマがかわいいだとか、癒しの存在だとかいう感覚は彼女にはない。
純粋に任務の遂行の邪魔になる可能性はないのかどうか、見極めようとしてるのだろう。
鑑識に対し、観察の続行とタチコマのAIを初期化した場合のシミュレーションを頼んでいく。
さて、当のタチコマたちだが。
自分たちだけになったのを見計らい、狙撃システムのAIに近づいてゆく。
狙撃システムの保管を任されているオペレーターのロボットはタチコマに比べるとかなり情報処理能力なども劣っており。
タチコマから吹っ掛けられた簡単なパラドックスの問題に引っかかってしまって、完全なビジー状態に陥ってしまう。
タチコマの作戦勝ち…というかタチコマってばやっぱりずるがしこいわ。
赤い服がオペレータ・ロボット
手前のタチコマが狙撃システムを盗る
(©神山健治/Production I.G)
狙撃システムのAIとつながってみたタチコマ。
このAIが、狙撃システムの使用者であるサイトー自体を不要な存在と考えていたらしい、と悟る。
ということはこのAI、よくてラボ送りで、悪くすれば廃棄処分てことになるのか。
…そこから話が飛んで。
「我々もうかうかしてられない」とか「あいつの行く末は明日の我が身だ」とかいった議論が始まる。
草薙の挙動に不信を抱いたらしい
タチコマたち、勘もスルドいな
(©神山健治/Production I.G)
「廃棄ってのは死ぬってことか」「僕たちにゴーストがないのが問題だ」とか意見が百出。
それにしても。
こうやって台の上に上がって進んで議長を務めようとするやつが現れるってところが、既にタチコマたちの中に現れた個性だって気がするな。
で。
中には議論に加わろうともせず、一人で勝手なことをしてるやつまでいる。
もう完全に並列化からはハミ出てるなぁ。
なんと読書中
それもハンパない量を読んでる
(©神山健治/Production I.G)
このタチコマが今読んでる本。
これ、装丁からしてダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」だな、俺は気付いたぜ、ふっふ~ん、とか思っていたら。
そのあとちゃあ~んと本の紹介とかあって、ちょっとビミョ~にがっかりしてしまいましたぁ。
この本のあらすじ等は今は省くが。
主人公のチャーリイが、高過ぎる知能と幼いままの感情とのアンバランスのためにいろいろと苦悩する様子は今のタチコマたちと結構かぶるところがあるような気がする。
…とまあ、わいわいがやがややってるところにバトーが登場。
「射撃練習に付き合え!!」という一言で飛び出したのはタチコマ1機だけ。
例のバトー専用機で、天然オイルを入れられてたやつ。
ここでもやっぱりタチコマの「個」がそれぞれに分かれてるって感じだ。
残ったタチコマたちは。
「なんであいつだけ」「バトーさんの記憶は特別なのかも」「身体と意識はやっぱり不可分なのか」と続けてわいわいがやがや。
もしデータを消されてしまっても
バトーさんを忘れるのはやだね!!
(©神山健治/Production I.G)
タチコマたちの議論はどんどん進む。
A「人間の姿形ってのが重要なんじゃない?」
B「そうじゃない、僕たちの方が人間に近づきすぎてるんだ、僕たちがヒト型に作られていないわけを考えてみなよ」
C「兵器としての効率とか」
B「それもあるけど、ヒト型だと変に感情移入しちゃうんだよ」
D「じゃああのオペレータ・ロボットはいいの?」
B「たいした能力を持ってないから、人間の脅威にならないから構わないんだよ」
E「じゃあ、僕らはどうすればいいの?」
B「人間は機械には機械らしい反応を望んでる」
F「じゃあ、機械っぽくふるまえばいいんだね!!」
そこへ草薙が現れ、バトーの居場所についてタチコマたちに聞く。
今までの口調とは打って変わって、片言のようなしゃべりで返事をするタチコマ。
あからさまに不自然だぞ。
これは別室のモニター画面
さっきの応対に満足してるようだ
(©神山健治/Production I.G)
だが。
草薙がバトーと話したがっているわけ、について疑問に思った1機が光学迷彩を身にまとい、完全な電波遮断された部屋の外の廊下から、窓越しに読唇術を使って、草薙とバトーの会話の内容を知ろうとする。
さすが諜報活動もお手の物のロボットだ。
きゃつらに隠れて秘密の話をするのもなかなかに難しい。
タチコマの動きを読む草薙
タチコマに秘密ってことは…
(©神山健治/Production I.G)
草薙の要件は。
タチコマの使用を今日で中止し、ラボの方に送るという命令を、タチコマを一番かわいがっているバトーに伝えるためだった。
ちょっと顔をそむけ、「従うよ」と言うバトー。
彼が立ち上がり、モニター画面が消えたところでエンディング。
今日はここまで。
次回のうpはたぶん今回の続きです。