思いついたらドラマ日和78
~攻殻機動隊Sを語ろう12~
本編の前に我が家のプチネタ。
今日のお題は「ももた大好きターキーアキレス2」。
気分よくかぶりついておられるももた先生をドアップにしてみただけ。
この歯ごたえがなんとも…
とか思ってんでしょうな
牛や馬のアキレスに比べて柔らかく、ワンコがかみ切るのにちょうどいいくらいのかみ応えなんで、こいつが好きなワンコは多いらしい。
閑話休題。
「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX」のアニメレビュー12回目。
今回は第12話「タチコマの家出/映画監督の夢」について。
とりあえず「笑い男事件」とは無関係なお話。
バトーが個人的にかわいがっていた、タチコマの中の一機が勝手に外に出てうろつくという、見ようによってはかわいいお話と。
それがもとになって引き起こされた、ちっさな事件(だがちゃんとした事件だ)のお話の2つで1本分となっている。
たぶんこれからはタチコマが勝手に外出しないようにいろいろと対策がなされるんだろうけども。
見てるこっちは結構楽しかったんで、これからもたま~に外出してくれるといいなぁと思ってしまいましたぁ。
ではでは。
今回のお話のあらすじに入る前に。
攻殻機動隊よもやま話、いっときます。
今回は公安9課について。
この課の創設者は現在も課長を務めている荒巻だ。
公安9課は主に対テロのため2029年に、内務省・首相直属の秘密組織として誕生したのだが。
その原資は、内務省にあった非合法組織のひとつを、荒巻が策略を巡らせて潰したことで捻出したものらしい。
警察組織というのは、その忙しさなどもあって、既に起きた犯罪に対してはきっちり取り組んではくれるものの。
起きそうではあるがまだ実際には起きていない犯罪に対してはかなり及び腰。
こんなことではいけない。
これでは社会的公正を保っていくことは出来ない。
電脳世界が実現したおかげで、何でもない一般の人間が社会的に大きな犯罪を引き起こしてしまう可能性はむしろ増大してしまった。
そのため「犯罪に対して常に攻性であること」という信念のもと、公安9課では犯罪の芽を見つけ出し、積極的にこれを摘んでゆく。武力の行使もためらわず行う。
…なんていうことになっている。
本部があるのは新浜県新浜市(新浜はにいはまと読む)。
メンバーは少数精鋭、スペシャリストの集団だ。
他薦や引き抜きによってのみメンバーの補充はなされる。
ちなみに。
荒巻課長とトグザ以外はみんな仮名であり、実名の方は分からない。
12話の方に移ろう。
ある日の夜。
1台のタチコマが勝手に起動する。
同じシステムを持ち、同じように扱われているハズのタチコマたちの中から何故1機だけそんな変わったやつが現れたのか…。
と、考えてみるとその1機はバトーがかわいがっているやつであり、バトーから毎回天然オイルを与えられて(仲間は合成オイル)いたやつだった!!
まあ、その詳しい原因とかはともかく。
そのタチコマは勝手に施設の外に出てみることに。
好奇心でいっぱいのタチコマ
外に出るシャッターをあけたところ
(©神山健治/Production I.G)
初めての自由散歩。
喜んで?街をうろつき回るタチコマに、ミキという少女(中学年くらいかな)が話しかけてくる。
少女は飼い犬をお探しちゅう
なし崩し的に協力することに
(©神山健治/Production I.G)
まったく無邪気なものだ。
旅読だと、こういう無機質なロボットに対しては「何を考えてるか分からない」一種の怖さのようなものがあるんだが。
ちっさい頃からロボットやアンドロイドとかを見慣れているんだろう、この世界の少女なんかは何の恐れも抱かないのかもしれん。
このミキちゃんて子が特に自由奔放で、のほほ~んとした性格なのかもしれんが。
…ともかく。
一緒になって、街を歩き回る二人。
ミキちゃんとのやりとりで、タチコマはさらにいろいろな学習を重ねて行く。
何せ9課の活動にかかわること以外、すべての事柄についてタチコマのAIはほとんど何も学習しておらず。
ほんの初歩的な一般常識さえ、このミキちゃんて女の子よりもず~っとず~っと無知な状態だったので。
生き物には優しくするのよ
自分のペットじゃなくてもね
(©神山健治/Production I.G)
何か盗ったでしょ
隠した物を渡しなさいっ
(©神山健治/Production I.G)
実は電脳関係のジャンクパーツみたいな物を売ってるところから、タチコマはひょいっと誰かの脳殻らしきモノを盗って来ちゃったのだ。
だが、このあとすぐに巡回パトロールでもしてるらしきお巡りさんたちに職務質問を受けてしまい。
タチコマの万引きの件はうやむやになってしまう。
やつぎばやに警官から質問されて、答えに詰まるミキちゃん。
ここはタチコマの出番。
一般常識には疎くても、こういう場の切り抜け方ならいろいろと考えられるのだ。
9課の任務の性質上、今までにも警官をうま~くあしらわなければならないような場面があったのかもしれん。
壮年の男の声色を使い、「こんななりをしてはいても、わしはれっきとしたこの子の保護者だ」とまくしたて、警官たちを体よく追い払う。
引き下がって行く警官
タチコマは詐欺師になれそう
(©神山健治/Production I.G)
二人して最終目的地の海が見える丘公園に向かう。
公園の一角は墓地になっており。
そこには少女の愛犬だったロッキーのお墓もあった。
実は少女がかわいがっていたロッキーは少女が留守の間に死んでしまっており、両親は「ロッキーはどこかに出かけてしまった」などとごまかしていたのだが。
ミキちゃんはロッキーが死んでいることを知っていて、わざと「ロッキーを探しに行く」と言って出掛けて来たらしい。
涙をこぼす少女。
悲しみについて、生と死についていろいろと考え込んでしまうタチコマなのでありました。
このあと少女を送るタチコマ
今日はいろいろ勉強になりました
(©神山健治/Production I.G)
話変わって。
本部に戻って来た例のタチコマ。
いろいろと検査を受ける。
原因はやはりバトーの天然オイルだった。
ゴーストを持たないハズのタチコマが、これが元で勝手な行動をやり始めたってことなら、普通なら超特大の大発見であるが。
9課の任務遂行のためってことだけで見ると、単にじゃまっけな、不安な要素がひとつ増えてしまっただけのこと。
そこに草薙がやって来て、今回の処分について申し渡しをする。
特に事情を聴き直したりするわけでもない。
なぜなら。
今日起こった出来事は、子どもの姿の予備の義体(遠隔操作することが出来る)によって既に知っていたからだ。
ちなみにミキちゃんとは違います。
天然オイルは使用禁止だ
バレてたのかぁ
(©神山健治/Production I.G)
タチコマがどこからかパチって来た脳殻を調べる草薙たち。
先にその電脳にダイブして調べようとした鑑識官の意識は戻らず。
意を決した草薙は独断でダイブして、原因を探り出す。
中の電脳世界は場末の映画館のようになっており。
なんとそこにはそこで上映されている映画に感動するあまり、その場から動こうとしない人たちが何人もいた!!
実はこの脳殻は神無月渉という、個性的ではあるがあんまり売れなかった映画監督のモノで。
その映画館では彼の作品がエンドレスで流され続けているらしい。
いったんは涙を流すほどに心を揺さぶられたものの、はっと我に返る草薙。
シアターを出て、そこにいた老人(神無月のアバター)に言う。
「観客を魅了したまま手放そうとしない映画なんて、どんなにすばらしくても害にしかならない」
そして現実世界に戻り、後処理をイシカワとバトーに頼む。
神無月と話す草薙
彼女の信念は固い
(©神山健治/Production I.G)
…数刻後。
一人でコーヒーを飲んでいる草薙。
通りかかったバトーに向かって話しかける。
草薙「映画に感動して泣いたことある??」
バトー「マルクス兄弟の映画で笑い過ぎて涙が出た」
草薙「あなたらしい」
バトー「今度二人で映画でも見に行かねぇか」
草薙「見たい映画は一人で見ることにしてる」
バトー「なるほどな」
草薙がカップを置いたところでエンディング。
たぶん本気の答えではない
軽口をたたいて見せてる
(©神山健治/Production I.G)
今日はここまで。
次回のうpはたぶん今回の続きです。