おもしろスゴイ発明12
~イグ・ノーベル賞万歳!!~
本編の前に我が家のプチネタ。
今日のお題は「ももたとかみかみボールの取り合い」。
まあ、愛犬とのお遊びタイムです。
「とってこ~い!!」のボールの取り合いこをやってます。
う~う~うなってます
目がなかなかの本気モード
カメラに気付きました
カメラ目線になってます
ちゃんちゃん。
閑話休題。
今回ご紹介するのは「イグ・ノーベル賞」。
著者はマーク・エイブラハムズで、発行は2004年阪急コミュニケーションズから。
イグ・ノーベル賞に関する本はいくつも出ているんだが、この本は賞の創設者自身が書き下ろしているので、公式本と呼んでも差し支えないモノだ。
ただじゃっかん古めではあるんで、多少補足情報は入れつつ読んでいった方がいいかもしれない。
これが表紙です
(©M.エイブラハムズ/Hankyu)
「イグ・ノーベル賞」は、「まず笑わせ、そして次に考えさせる」ような「絶対に真似できない、真似すべきでない」独創的でユニークな研究等に贈られる。
対象となる研究領域は特になく、ノンジャンルと言っていい。
始まったのは1991年なので、既に30年以上の歴史をもっていることになる。
選考委員は、本家のノーベル賞受賞者を含むハーバードやMITの大学教授連中。
大体毎年10程度の個人・団体が選出されている。
ちなみにイグ・ノーベル賞を受賞したあとで、本家のノーベル賞を受賞した人もいる。
おちゃらけだけ、おふざけだけの賞ではないのだ。
日本はイギリスと並び、本賞の受賞常連国。
受賞者がいなかったのは7回だけ。
だがまあ、日本においてこの賞の知名度を一気に高めた出来事は。
2002年、おもちゃメーカーのタカラトミーが開発した「バウリンガル」の受賞だろうなぁ。
「犬の気持ち翻訳機」なんていうコピーでもって売り出されたやつ。
当時は旅読も持ってました、これ。
犬が発した音声を捉えて、ちっさなディスプレイに「あそんでよ」とかいう短いメッセージが出て来るんだが。
表示されるパターンとかが少なかったせいか、割とすぐあきちゃったのを覚えている。
ではでは…。
本書に紹介されてる受賞例のうち、旅読的におもしろかったやつをどんどん紹介していこう。
思春期における「鼻クソをほじる行動」の研究。
そう言えば爪をかんだり指をしゃぶったりすることについての研究は相応に行われているのに、「鼻クソをほじる」ことの研究は今までほとんどされていなかったらしい。
これは由々しき事態だと思う。
この研究をきっかけにして「鼻クソほじり」についての研究がどんどん出て来ればいいなぁ。
BGMがカゼを予防することの実証。
要は音楽を聴くと体内の免疫抗体の量が増えるってことのようだ。
免疫グロブリンAってやつで、唾液を検査することで簡単に測定出来るらしい。
被験者のグループにそれぞれ30分間、環境音楽や意味のない音や「30分静かにしていて下さい」という繰り返しやらを聞かせたのち、検査して比較検証してみた結果。
上記の結論に至ったらしい。
ミニ恐竜とミニ王女の化石。
これはもうほとんどUMA研究とほとんど同レベルのような気がする。
この研究を行ったのは岡村長之助さんという日本の方だ(故人)。
1970年代から80年代にかけ、「1㎝以下のミニ原人やミニ恐竜の化石を発見した」という発表を何回も行ったらしい。
ここではあえてその写真は載せないでおこうと思うのだが。
どう見たって、「天井のシミが人の顔に見える」なんていうのと大差ない感じがしてしまう。
web上で多少は確認出来ると思うので、どうしても気になるって人はどうぞ。
カエルの空中浮揚実験。
磁化させた生きたカエルを電磁石によって浮き上がらせるという、まるでマジックみたいな、子どもが喜びそうな実験。
もちろん暴れてるカエル君には無理な話なんで、実験中はじ~っと座ってもらってなきゃダメですが。
web上でこの実験の画像を見ることが出来まぁす。たぶん動画も見れるみたいなんだが、旅読がちょちょいっと探したぐらいでは見つかりませんでしたぁ。
ほかにもコオロギ・イチゴ・水滴なども浮き上がらせてみせたらしい。
研究の発表後、たくさんの子どもたちから「将来は科学者になりたい」という手紙が送られてきたそうだ。
それだけでも、この研究の意味があると思う。
グリズリーに襲われてもびくともしないスーパースーツの開発。
これ、もし安価に製造することが出来たら真にスゴイ発明ってことになるだろ~になぁ~っ。
体の材料は主にチタン、耐火性ゴム。
無線システム、冷却システム、ブラックボックス、クマがかむ力を測定する装置、クマが嫌うガスを噴射するブラスターなどを装備。
デザインのイメージは「ロボ・コップ」だそうだ。
走るトラックや落ちて来る丸太との衝突実験、至近距離でショットガンや弓矢を打たれる実験、バットや斧でめっためたに攻撃される実験、15mの崖から飛び降りる実験などを行ったらしい(YouTubeで見れます)。
で、問題の制作費だが…。
ざっと百億円ぐらいはかかるみたいだ。
ハトにピカソとモネの作品の識別が出来るように訓練した日本の研究チーム。
日本チームというのは慶応の教授を中心とした三人。
たった二日間の訓練だけで正解率が90%を超えたんだと!!
三週間ほどの訓練ののちにはピンボケの画像でもなんなく識別が出来るまでになったらしい。
「総じて、美術の教師が一般の学生に期待するほどの学習効果は確認できた」んだそうだ。
ハトの知覚力の高さに驚くべきか、昨今の学生の美的センスのなさを嘆くべきか。
この研究、どんな応用方法があるんだろう。
旅読にはちょっと分からない。
腸内ガス瞬間脱臭フィルター付きパンツ。
簡単に言えばオナラのにおい消しだ。
ちゃんと製品化されていて、もちろん購入も可能(だと思う)。
興味のある向き(もちろん本気で必要な方も)は探してみて下され。
こっからは捕捉。
いずれも日本の受賞作品?研究?から。
2012年に受賞した「スピーチジャマー」。
話の長いやつを黙らせるという機械だ。
まず、目的がすばらしい!!
世界はこういう機械こそを待っている!!!!
こいつの仕組みは、話している人に向かって、その人の話をわずかに遅らせて聞かせる、というもの。
0.2秒の間だそうだ。
うん、なるほど話しにくくはなりそうな気がする。
原稿を空で覚えて話してるような人には効果てきめんじゃないかなぁ。
けどまああくまで「ジャマー」にはとどまるだろ~なぁ~。
出来れば次は「ストッパー」でお願いします。
左の方が持ってるのがそれ
©Improbable Research様感謝です
https://www.youtube.com/watch?v=P5Cz-KHjOWk
もうひとつ。
2014年に受賞した「バナナの皮の滑りやすさの研究」。
そら、誰もこんな研究を大真面目にやろうとは思わんわなぁ。
その結果…。
靴と床の間にバナナがあった場合、摩擦係数は約6分の1となり、つまり約6倍滑りやすくなる、ということが分かったらしい。
この研究が将来生かされるような日は来るんだろうか?
バナナの滑りやすさを生んでいるのはバナナの粘液中の成分らしく、人の関節部分にも似たような粘液が存在してるらしいんで。
その辺りがどうも実際的な応用に向けたカギになって来るような気がする。
これ、受賞スピーチ中です
©ANNnewsCH様感謝です
https://www.youtube.com/watch?v=ocsLrWpFZmo
…あと、この本によく出て来る表現に。
受賞者は、授賞式に出席できなかった(出席するつもりもなかったと思う)。
というのが各研究?項目の最後尾らへんに出て来て、ちょっと笑わせる。
さもあらん。
今でこそオンラインでの受賞式になってるんだが、それまでは会場になってるアメリカのマサチューセッツ州のハーバードまで、自費から旅費滞在費をはたいて出向かなければならなかったのだ。
それで、もらう賞状はコピー用紙をプリントしたものだし、賞金もほぼ出ない。
よっぽど自ら「行きたい!!!!」と思う人以外は、まあ、行かなくってもしょうがないかなって授賞式なのだ。
YouTubeで式の様子がいくつか見れますんで、興味のある方はどうぞ。
とにかく会場全体が笑顔なのがいい!!
小難しい顔つきのやつなんか一人もいませんぜ!!
今日はここまで。
次回のうpはまだ未定だけれども。
映画レビューになるよ~な気がしてます。