昔話・童話パロディ20

~王様の耳はタダの耳!?~

 

 

 

 本編の前に我が家のプチネタ。

 

 今日のお題は「ももた、苦手なシャワーのあと1」

 

 久しぶりにシャワーを浴びた(無理矢理浴びさせられた)あとのももた君。

 

 今のお気持ちはどうですか??

 

ぼく、がんばったから

このあとゴホ~ビがあるんよね

 

 などと期待してるに違いない。

 

 

 

 閑話休題。

 

 昔話・童話のパロは、パロディ作品づくりの基本とも言えると思うんだが。

 

 最近はこれだ!!、という作品がなかなか生まれて来ていないように思う。

 

 ということで、今回紹介していく作品もちょっと前のやつです。

 

 まずは「王様の耳はタダの耳」。

 

 作:舟崎靖子さん、絵:なかのひろたかさん、発行は1984年でポプラ社から。

 

表紙です

(©舟崎靖子/なかのひろたか/ポプラ社)

 

 舟崎靖子さんは児童文学作家として有名。

 

 「もりはおもしろランド」のシリーズがよく知られている。

 

 ミッフィーちゃんの翻訳なんかも手掛けられている。

 

 画家のなかのひろたかさんは何と言っても「ぞうくんのさんぽ」が代表作。

 

 旅読も持ってます。

 

 それはさておき…。

 

 この本に収められている12編のうち、旅読が気になったモノについてだが。

 

 表題作「王様の耳はタダの耳」はちょっと惜しい感じがする作品。

 

 何事もなく平穏無事な国にいる、取り立てて秀でたところもない、パッとしない王様。

 

 いるのやらいないのやら分からない、てかいてもいなくてもどっちでもいいような実に影の薄い王様。

 

 なので、「これはイカン」と感じた王様、何とかして人々の話題になる存在になりたいと考えて。

 

 「王様の耳はロバの耳だというウソの情報をまき散らす」なんていうおバカなことを考えた…、なんていう出だしがか~な~り秀逸。

 

 「んん??これからどうなるんだ、んん??」と思わず身を乗り出す感じだったのだが残念。

 

 それからあとの展開が今一つで、しりすぼみに終わっているように思う。

 

 表紙の絵は、王様が頭の両側にスリッパを縛りつけているところ。

 

 ロバの耳に似せようとしてるのだ。

 

 この辺、とってもおバカで(これはほめ言葉)よかったんだがなぁ。

 

 ということで一応、旅読の推しは「赤頭巾」。

 

オオカミのような声が出て来たんで

自分で驚いているおばあさん

(©舟崎靖子/なかのひろたか/ポプラ社)

 

 オリジナリティのあるネタではないので、ここでバラしちゃうと。

 

 おばあさんを喰おうとしてやってきたオオカミを逆におばあさんの方が食ってしまう、というお話。

 

 ちなみにオオカミは丸飲みにされただけで、漁師のおっさんがおばあさんのお尻を銃の台座でひっぱたくと即座に口から飛び出て来ます。

 

 作者によれば、今はかわいい赤頭巾もおばあさんになればオオカミを飲み込むようになってしまうとのこと。

 

 あなおそろしや。

 

 次。

 

 「魔法つかい赤ずきんちゃん」。

 

 7人の作家さんによるオムニバス作品集で、編者は芝田勝茂さん。

 

 発行は2010年でポプラ社から。

 

表紙です

(©芝田勝茂/つじむらあゆこ/ポプラ社)

 

 表題作「魔法つかい赤ずきんちゃん」は竹内もと代さんの作品。

 

 赤ずきんちゃんのかぶる赤頭巾は魔法アイテムであり、これから起こるであろう未来の出来事が予知出来るらしい。

 

 それによってオオカミが襲撃してくることを知った赤ずきんちゃんがオオカミをワナにはめるべく作戦を仕掛ける、というもの。

 

 オオカミにあまり凶悪さがなく、ちょっとおバカで、臆病者過ぎる気がする。

 

 一応、旅読のイチ押しは「桃太郎の妹、鬼ヶ島へ!」。

 

 編者でもある芝田勝茂さん自身の作品。

 

イヌサルキジとお茶する桃太郎妹

食べるのは当然きびだんごだ

(©芝田勝茂/永盛綾子/ポプラ社)

 

 この桃太郎妹も川上からどんぶらこっこと流れて来たモモから生まれたらしい。

 

 ちなみに桃太郎は都で商売をやってるんで、村にはほとんど帰らない。

 

 おっきくなった桃太郎妹は当然鬼ヶ島に行きたくなり、兄のお供だった三匹に相談をもちかける。

 

 それが上の絵ね。

 

 が、三匹は「もう年だから」とか「もうパワーは使い果たした」とか言っていて、ほとんどやる気ゼロ。

 

 代わりに桃太郎妹に同行したのは赤や青やそのほか色とりどりの鬼たち。

 

 桃太郎たちの宝物運びを手伝ってやるからってことで村までついて来て、居心地がいいからってことで勝手に住み着いたやつらだ。

 

 若い力が少なくなっている村では貴重な労働力として結構重宝されているらしい。

 

 …ということで始まる、桃太郎妹と鬼たちとの冒険行。

 

 お話自体は割とあっさりと終わってしまうのだが、読後感は悪くなかった。

 

 次、今回紹介する最後の本。

 

 「HQむかしむかし」。

 

 同人作家さんたちの競作によるHQパロディアンソロジー。

 

 発行は2016年で、道玄坂書房から。

 

表紙です

(©7100円ポテチ/道玄坂書房)

 

 いやあ、おっさんである旅読、HQが漫画「ハイキュー!!」の略称であることを知らずにコレ、買ってしまいましたぁ。

 

 知らない人(どのくらいいるんだろう?)のために言っておくと。

 

 「ハイキュー!!」はジャンプに掲載されていた、バレーボールを主題にしたスポーツものの少年漫画。

 

 題名はバレーボールを漢字で表した「排球」から来ている。

 

 残念ながら旅読はぜんっぜん読んだことがありません。

 

 なので、昔話のパロディとして読むことは出来ても、どの辺が「ハイキュー!!」のパロディになってるかってことは皆目分からない。

 

 知ってて読んだらもっとおもしろかったんだろ~なぁ~。

 

 あ、それとこの漫画わっかい男連中ばっかりの漫画なんで。

 

 ほんのちょっとBLの雰囲気が入ってるんでその辺もヨロシクです。

 

 …ということで一応旅読のイチ押し。

 

 電子レンジさんの「シンデレラボーイ」。

 

おなじみの靴の持ち主探し

靴はバレーボールシューズ

(©電子レンジ/道玄坂書房)

 

 バレーボールの試合を見て感動した王子様が、バレーボールシューズの持ち主を探しているらしい。

 

 もちろん「妻にしたいです」などということではなくて、「俺専属のプレーヤーにしたい」ってことなんで、こっちの王子様のがちょい健全って感じがする。

 

 いや、どっこいどっこいか??

 

 旅読の推しの理由は実はこの話のオチで。

 

 「靴の持ち主を見つけました!!」という家来からの報告を受けた、王子様の返答なのだが。

 

 …もちろんここでは明かしません。

 

 まあ「シンデレラ」の話に出て来る王子様ならこのオチはおおいにありうるオチだと思う。

 

 なんせね舞踏会で初めて会った女を見初めて結婚したがり、靴の持ち主を探せなんていう無茶ぶりを家来に命令する王子様でっせ~。

 

 どう考えてもまともじゃないからね。

 

 

 

 今日はここまで。

 

 次回のうpについてはやっぱりまだ決めてません。

 

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