星新一気まぐれレビュー23

~星新一ショートショート07~

 

 

 

 今日の我が家のプチネタは「ももたの旅アルバム02」

 

 さて、これはどこでしょう?

 

 ちょっとひなびた感じの昔風の景色かな…というのは誰もが思うことなんじゃないかなと思いますが。

 

石段に乗っけられて…

ちょっと不安そうなももた

 

 正解は「馬籠宿(まごめじゅく)」です。

 

 岐阜県中津川市になります。

 

 もっと詳しく言うと、南側から街道にはいって行って、白木屋を通って坂をのぼって、水車を抜けたところにあるお蕎麦屋さん「坂の家」の前で撮ってます。

 

 は~ん、あそこかぁなんていう人、いないだろうなあ。

 

 

 

 閑話休題。

 

 2007~2009年にNHK総合で放送された「星新一ショートショート」という番組から50話を選んで編集・DVD化したものを視聴しましたので、その感想を書いていきたいと思います。

 

 実際の放送分は見ていないので、編集が加えられる前の元のかたちはどうあれ、視聴した限りの内容でレビューを書いていきたいと思います。

 

 あとネタバレ有です。ご注意ください。

 

 あしからず。

 

 今日は第7回目です。

 

 取り上げるのは次の3作品。

 

「不満」(『ようこそ地球さん』)

「地球から来た男」(『地球から来た男』)

「ねらわれた星」(『ボッコちゃん』)

 

 それではそれでは……。

 

 

 

「不 満」

 

 

 

 「おれ」の一人語りによって話が進む。

 

 「おれ」は無理矢理ロケットに乗せられ、宇宙空間に放り出された。

 

 抵抗しても無駄だった。

 

 やがて寒さがじわじわ染み込んで来た。

 

 「これでおしまいか」と「おれ」は思った。

 

 「おれをこんな目にあわせたやつらに仕返しがしたい!」とも。

 

 …「おれ」は死ななかった。

 

 気が付くと、「おれ」は見知らぬ部屋に寝かされ、人間ではない変なやつらに見下ろされていた。

 

 「ここは死後の世界か?」

 

 「いいえ、我々は宇宙空間に漂っているロケットを見つけ、中にいた冷凍状態のあなたを助け出したのです」

 

 「そうだったのか」

 

 「あなたが宇宙においでになったのはなんのためですか?」

 

 「よくは知らんが、きっとこんなすばらしい星を見つけ、そこを占領しようということなんだと思う」

 

 「我々の文明は高度です。あなた方の文明では占領できっこありません。あなたの星に送り返してあげますから、そんな計画は無謀であると教えてあげてください」

 

 「いやだ、おれは二度とあんな星に帰りたくない!」

 

 地球での嫌な思い出が頭に浮かんだ。

 

 「自分の星のことを悪く言うと変に思われるかもしれないが、あんな星をほっておくとみなさんのためになりませんよ!」

 

 「そんなにおっしゃるのなら…」

 

 防御不能の強力ミサイルが地球に向けられた…。

 

 

 

 モノクロの簡単な絵柄のアニメーション作品。

 

 実写にはしにくい内容なので、これは仕方ない。

 

 原作から特に改変したようなところもなし。

 

 おしまいの1カットがオチなのだが、それが心に刺さるかどうかがこの作品の鍵。

 

 最後に疑問。

 

 「おれ」の家族や一族郎党も地球にいると思われるのだが、「おれ」にとってはそれはどうでもいいことなんだろうか?

 

 「おれ」の地球での待遇はむしろかなりいいものではなかったかと思うのだがどうだろう?それでも「無理矢理ロケットに乗せられた」というただ一点のために「地球憎し」ってことになったんだろうか?

 

宇宙に放り出された

 

体が凍っていく…

 

 

 

「地球から来た男」

 

 

 

 調査会社に勤めている男。

 

 会社からの指示で、とある研究所に産業スパイとして侵入したものの、すぐにとっつかまってしまう。

 

 「テレポーテーション装置を使っておまえを別の星に追放する」

 

 男は注射を打たれ、意識がもうろうとする中、電気的なショックを感じる。

 

 …気が付くと、野原に横たわっていた。

 

 なんとなく地球に似た星だな。

 

 初めて出会ったその星の人は日本語を話し、男を駅まで連れて行ってくれた。

 

 宇宙の無数にある星の中には、地球そっくりの星もあるという。

 

 きっと、そういう星に転送されたのだなと男は思った。

 

 男は知らず知らず自分の家の方向に進んでいた。

 

 果たして自分の家そっくりのうちがあり、ブザーを押すと家内そっくりの女が出て来た。

 

 ここは鏡の向こうの世界のように地球そっくりの星なんだな…。

 

 

 

 実写ドラマ作品。

 

 主人公の男の役を田中哲司さんが手堅い演技でばっちり演じている。

 

 10分弱の長さに収めるということなんで、特に脚本にも言うべきことはない。

 

 ということで疑問。

 

 なぜ、「地球とは違う星」という前提を盲目的に受け入れているのか?

 

 例えば親兄弟や同級生たちと会い、いろんな思い出について語り合うようなことも出来たと思うのだが。

 

 研究所が作っているものというのは本当はなんなのか?また、産業スパイをテレポーテーション装置を使って別の星に送り込む、なんていうおかしなことをなぜ行っているのか?そんなことをして一体なんになる?

 

 やっぱり男が打たれた注射がキモなのかなあ?

 

 たぶんある一定の概念(ここでは「自分はほかの星に転送されたのだ」という思い)を完全に意識に焼き付けてしまうような効用をもっているんだろう。

 

 それこそが研究所の開発した製品に違いない。

 

つかまって注射を打たれる

 

まるで家族のようにお食事

 

 

 

「ねらわれた星」

 

 

 

 行く先々の星の知的生物に対して、いろんなやり方で傷つけたり殺したりして楽しむということをやってきた残忍な異星人。

 

 今度は地球に目を付けた。

 

 より刺激的なやり方でやっつけようと意欲に燃えている。

 

 まず、1匹実験的につかまえる。

 

 そしてその皮をはぐ(実際には「皮」ではなかったのだが)。

 

 その「皮」を溶かす薬を作る。

 

 大量生産して、地球にまんべんなくまき散らす。

 

 そして地球は…。

 

 

 

 色数の少ない、簡単な線のアニメーション作品。

 

 まず、大きなミスについて。

 

 原作では「金属質のウロコで全身をおおわれた生物」になっているが、アニメではまるでナメクジみたいな生き物に変わっていた。

 

 これではダメですね。

 

 別に軟体動物なら軟体動物でもかまわないとは思うが、その場合は体の半分くらいは殻にはいってるような設定でないといけない。

 

 異星人というならこれだなとアニメの作画担当か何か分からないが、深く考えもしないでデザインを決めてしまったのに違いないと思う。

 

 あとNHKだから無理かもしれないが、宇宙人に薬をばらまかれて混乱してる地球の様子はもっと出してほしかったなあ。

 

 あくまで作品をよくするためにですよ。変な気持ちで言ってるんじゃないです。

 

 いやほんと。

 

 ただ女性アナウンサーの実況場面だけはちょっといいなっと思いました。

 

異星人たちです

 

女子アナのニュース実況

若干のネタバレですが…

 

 

 今日はここまで。

 

 続きは次回のupで。

 

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