昔話・童話パロディ12

~深夜放送とビートたけし~

 

 

 

 プチネタ。

 

 昨晩、「スウィングガールズ」(2004©フジテレビ他)のビデオを見ました。

 ジャズには多少興味があって(キース・ジャレットなんか好き)、この映画のことも知っていたけれども、今までなんかしらんスルーしてきた。

 ビッグバンドよりピアノトリオとかカルテットぐらいまでのバンドを中心に聞いてきたせいもあるかな。

 

 この映画以降、小学校の音楽会などでは、リコーダーやピアニカ持って、上下左右に揺らしたりくるっと回ったりというパフォーマンスをするのが流行りましたあ~。

 

 実は2日ほど前に最初の方を見て、上野樹里らの落ちこぼれJKたちが届けた弁当のせいで吹奏楽部の子たちが食中毒を起こしたところで、彼女らのアホさ加減にいったんメゲてしまい、ほったらかしにしていたもの。

 

 きのうは気を取り直して、最後まで見てみた。

 

 …結果的に、おもしろかった。

 

 劇中の演奏すべてを俳優たちが実際にやってるというのがスゴイなあ。

 

 いろんな楽器に手を出して、そのどれもすぐやめてしまった自分にはうらやましすぎる。尊敬。

 

 イノシシをやっつけたところには大笑い。名曲「What A Wonderful World」がこんなとこで使われるなんて!

 

 

 

 

 

 

 

今回取り上げる作品

 

「恐怖びっくり本」 小説 スマイルズJr. ワニ文庫 1987

「路に落ちてた月」 小説 ビートたけし 祥伝社黄金文庫 2004

「ビートたけしのウソップ物語」 絵本 ビートたけし 話の特集 1983

「おとぎの国のいちごヒロイン童話集+」 漫画 松林悟 チャンピオンRedコミックス 2011

※ ネタバレ有です。ご注意ください。

 

 

 

「恐怖びっくり本」

 

 「恐怖のミステリーギャグ」や「パロディ怪談集」などのあいだに「日本びっくり昔話」や「世界びっくり童話」がはさまっている。ほとんど数行ずつのショートショート集。まあ、ほぼお笑いのネタ本のようなもの。

 

 1970年代、ラジオの深夜放送を聞きまくってた人なら、「あれ、これどっかで聞いたことある」と感じるネタが多いだろうと思う。自分も、笑いながらと言うよりも主になつかしさを感じながら読んだ。

 

 さもありなん、作者のスマイルズJr.という人は、どうもこの頃に放送界に従事しており、主にバラエティー系のテレビ・ラジオの構成作家などを務めていた方らしい。

 

 昔話パロディとしてうまく出来ていると思ったのは、「ウサギとカメ」のいくつかのお話の2つ目。さすがにネタは伏せておくが、ずるをせず、偶然に頼らずにカメが勝とうとするならばもうこの方法ぐらいしかないのじゃないかと思う。

 

 好きなネタをもうひとつ。見たくない人は赤枠の中を読み飛ばしてくだされ。

 

 

 

 

 

 

 カメって、路線バスだったのかあ~。まあ☆3つということで。

 

 

 

 

「路に落ちてた月」

 

 「路」は「みち」と読む。稲垣足穂のようなタイトルだな。

 

 副題に「ビートたけし童話集」とある。けれども大半は童話パロディではなく、ノンジャンルの小説やらジョークやらを集めたモノ。その中にはショートショートとして十分通用しそうなモノもある。

 

 一番気に入ったのは、童話パロディではないが「かくれんぼ」という作品。奇妙な味のショートショートと言えそう。たった8行の作品なので、ネタばらしはできないが。

 

 キビ団子に鋭く突っ込む「桃太郎」「北風も太陽も」は、旅人が女の子であり、向こうからはおじさんがやって来る…という時点でオチが見えてきそう。「童話チャンチャカ」は最高。だれか絵本とか紙芝居風のアニメとかにしてほしいなあ。

 

 昔話・童話パロディが思ったよりも少なかったので、☆は3の上。

 

 

 

「ビートたけしのウソップ物語」

 

 題名の通り、イソップ寓話のパロディ本。イソップとは関係のないお話が多い。挿絵は長新太さんほか、いろんな有名な人たち。

 

 今の視点からみると、あんまりヒネリなどはなく、刺激には乏しいかもしれない。

 

 好きなモノを挙げるとすると、「ウサギとカメ」かなあ~。うんうん、まあそうなって当然よね、というオチがついている。

 

 ページ数は少ない(絵本なので)ものの、たくさんのお話が入っている。まあ☆は3の下で。

 

 

 

 

「おとぎの国のいちごヒロイン童話集+」

 

 全11編。昔話・童話の主人公が少女となり、周りの男性登場人物たちから、痴漢やセクハラ行為をされまくる。ロリ趣味全開のソフトHなお話。ただもうそれのみ。

 

 特に挙げるとするなら「はだかの王女様」は「はだかの王様」の設定と作者の目指すところがどんぴしゃりハマった怪作と言っていい一編となっている。

 

 バカには見えない服、「それってつまりバカには丸見えってこと」なんだよなあ。☆はまあ2つでいいかな。

 

 

 今回はここまで。続きは次回のupで。

 

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