辰巳琢郎オフィシャルブログ「道草日記ーTakuro’s Michikusa Daysー」by Ameba -5ページ目

バスを運ぶトンネル列車


昨夜、スイスツアーから無事帰国しました。得るものが本当に多かった、充実した旅でした。もう少し、報告を続けます。



4日目は、移動日。ベルンから南へ向かい、ヴァレ州に向かいました。ドイツ語では、ヴァリス州。2つの言語が共存している州です。



ライン川水系のベルン州とローヌ川水系のヴァレ州はアルプスの高い山々に隔てられています。そう簡単に行き来は出来ません。そこで2つの川の分水嶺になっている4千メートル近い山脈に、長いトンネルが掘られているのです。ところが何とそれは、鉄道と車の兼用とのこと。どういうことかと言うと、自動車やバスをフェリーのように列車に載せ、トンネルをくぐるのです。つまり、トンネルは一本で済む。合理的、経済的な考え方ですね。



その乗り換え自体も風情があって、旅の楽しみになっている。観光立国スイスの面目躍如と言ったところです。



ヴァレ州は、スイス最大のワイン産地。東から西のレマン湖に向かって流れるローヌ川の北側、つまり南向きの斜面には、どこまでも葡萄畑が広がっている。壮観です。



訪れたのは『ドメーヌ・コルニュルス』。かなりの種類の土着品種を使い、また、卵型の発酵タンクで醸造するなど、興味の尽きないワイナリーでした。もちろんワインも味わい深く、優しいものばかり。楽しい訪問でした。



トンネルがなかった昔は、これを越えるしかなかったゲンミ峠。その途中のロイカーバードという温泉地にこの日の宿をとりました。



到着が夕方早かったので、ホテルのそばからロープウェイに乗って、標高二千メートルを越える地点へ。でも、雲の中という感じで、お目当ての湖は見られませんでした。



あまりに寒く、誰かが「おでんが食べたい」と言ったもので、作る羽目に。近くのスーパーに買い出しに行き、ホテルの厨房と寸胴鍋をお借りして、腕をふるいました。出汁は、イタリア留学中の山本耕平へのお土産用のインスタントをふた袋だけ失敬し、醤油と芥子は添乗員さんのもの。練り物はカニかまだけで、大根の代わりに蕪と、ありあわせのもので作った割には大好評。来年から、定番になるかもしれません。