バルカン管弦楽団 | 辰巳琢郎オフィシャルブログ「道草日記ーTakuro’s Michikusa Daysー」by Ameba

バルカン管弦楽団

そもそも、今回の旅の発端は、2年前に『バルカン管弦楽団』の来日コンサートの司会を担当したこと。旧ユーゴスラビアの紛争でバラバラになり、憎しみ合う各国のミュージシャン達を集めて、音楽に国境はないことを主張し続ける指揮者、柳澤寿男さんの情熱に、大いに刺激されたからです。



格好良く聞こえるかもしれませんが、実際は地味で泥臭く、もちろんお金にもならない大変な仕事。何故そんなにバルカンにこだわるのか? 『ボスニア紛争』とは、そして『コソボ紛争』とは何だったのか? チトー大統領に率いられ「20世紀の奇跡」とまで言われたユーゴスラビアとは一体どんなところなのか? とにかく
一度行ってみないことには埒があきません。そんな思いで企画したツアーだったのです。

戦闘が終わって15年、コソボが独立を宣言して6年、思った以上に首都プリシュティナの街は、明るく存在していました。新しいビルが幾つも建ち、解説を聞かなければ、悲惨な闘いの痕跡には気づかないかもしれません。



でも街を歩くと、こんな風景も… あまりに遠い存在で詳しく知ろうともしなかった紛争が、不思議な現実感を伴って蘇ってくるのです。



コソボフィルの練習場。こんな質素な場所で、破れた椅子に座って演奏しているんですね。



日本からの援助で揃えられた、楽器や備品を発見。何だか、胸が熱くなりました。